異をとなえん |

株式市場の立ち直りから見た将来展望

2008.05.16 Fri

19:50:52

最近株価が上がっている。
リセッション必至という意見から、
景気は案外持ち直すのではないかという意見が増えている。
この原因は何だろう。

FRBが資金を大量に供給して、
市場自体は金余りに近い状態になっている事が挙げられる。

【米経済コラム】FRBの資金供給でリセッション回避へ−J・ベリー


5月15日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)は1500億ドル(約15
兆7830億円)超の資金供給によって、経済成長を確実にする十分な流動性を金融シス
テムにもたらしている。

(中略)

サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題に端を発する金融混乱で、多
くの金融機関は家計や企業向け融資基準を厳格化した。それでも、当局がフェデラル
ファンド(FF)金利の誘導目標を昨年9月以降で3.25ポイント引き下げ、前例のな
い規模の資金を金融システムに供給したおかげで、米経済はリセッション(景気後退
)入りの予想に反する動向を示している。



どういう経路だかわからないが、金が大量に流れているので、
とりあえず株でも買っている人間がそうとういるのだ。
ただ、株は昨年の高値から見れば、たいした事はなく、ちょっと戻したに過ぎない。
本格的に上がっているのは石油・石炭・鉄鉱石・穀物等の商品だ。

アメリカ経済はITバブルの崩壊を今回の住宅バブルに変換して、
前回の景気後退から早めに回復した。
住宅バブルの崩壊も新たなバブルを作り出すことによって、回避できるのだろうか。
石油の高騰は新しいバブルの始まりなのだろうか。

ある資産価格が高騰しているにも関わらず、
全体的なインフレが起こらないのはバブルの兆候である。
石油の価格が高騰しているにも関わらず、インフレになっていない。

米4月CPI、伸び鈍化でインフレ懸念緩和 | 増谷栄一のアメリカ経済情勢ファイル


−景気後退が物価上昇にブレーキかける−

【2008年5月15日(木)】 − 米労働省が14日に発表した4月のCPI(消費者物価指数)は、予想以上に伸びが鈍化、これまでFRB(米連邦
準備制度理事会)幹部が講演などで再三にわたり指摘してきているインフレに対するタカ派発言と食い違う内容となった。

 食品価格が前月比0.9%上昇(前年比5.1%上昇)と、18年ぶりの大幅上昇となったものの、CPI全体が弱い伸びとなったことから、市場
では、最近のエネルギー価格や食品価格の急伸によるインフレ上昇圧力も景気後退の影響で封じ込まれていると見ている。


しかし、石油を始めとした石炭・鉄鉱石などの商品の高騰は、
もう長くは持たない。
明らかに実体経済を冷やし始めている。

石油は、土地みたいに将来の家賃の上昇率を高く見ることによって、
どんなに高い価格でも正当化できる商品ではない。
石油は価格弾力性が低い事から、今までは上げ続けてきた。
まだ、ある程度上げ続けるかもしれない。
アメリカ経済が後退しても、
中国を始めとした新興国の需要が支えるからだ。
しかし、それにも限界はある。
石油の需要を強制的に減らすべく、景気後退が始まる。
第二次石油危機後の景気後退の再現だ。
そして商品バブルは崩壊する。

石油の価格の上昇を止めるには、
中国が石油を大量に消費して成長する構造が変わる事と、
市場に過剰に供給されている資金を止める必要がある。
どちらもたぶん不可能に近い。
世界的な景気後退まであとわずかだ。

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24 原油価格の上昇はまだ続く

経産省の北畑次官が、 原油価格について 「今すぐではないが、確実に下がる方向に動く」と述べたそうである。 正しいだろうか。 いや、言っていることはもちろん正しい。 原油価格は急激に上昇したのだから、余程の事がなければいつかは下がる。 しかし、これでは何も