異をとなえん |

次の覇権国はどこか?(その1)

2008.05.04 Sun

03:01:00

春山昇華氏の「サブプライム後に何が起きているのか」を、さっと読みした。
前作「サブプライム問題とは何か」
に比べるとあまり面白くない。
ただ、覇権国の交替の部分は興味深い。

覇権国の変遷について、簡単に述べた後、
歴史に習えば、
「次の覇権国はアメリカによって開発され発展をとげる国だ」と
指摘している。
そして、中国とイスラム圏をその候補に上げている。
しかし、イスラム圏を候補に入れている事からわかるように、
「次の覇権国はアメリカによって開発され発展をとげる国だ」という
条件はあまり重視されていない。
むしろ、次の覇権国の条件を、資本をどれだけ蓄積して輸出できるかに、
変えているように、見える。

とりあえず、資本蓄積が多い国を次の覇権国の条件として考えてみよう。

中国は日本を超えた外貨準備を持ち、
資本の蓄積という点では世界一のように見える。
けれども、これはおかしい。
中国は一人当りGDPでは、まだ貧しい国である事は否定できない。
それなのに膨大な黒字が出ているのは、中国の強みというより弱みなのだ。
何らかの狂った部分が貿易黒字を生み出している。
正常な経済に変化すれば、黒字はなくなっていく。

イスラム圏が貿易黒字の増加によって莫大な資金を得た事は確かだが、
一体どれだけ続くだろうか。
原油の大幅な上昇は世界の経済に大きな打撃を与え、
世界の景気は休息に悪くなっている。
早晩石油需要が反転し、原油が下落傾向に変化するのは確実だ。
もちろん、石油価格が今後どれだけ上がり、いつ反転し、
どこまで下がるかは予測できない。
しかし、原子力発電は石油がかなり安い価格でも、
採算に乗っていた事を考えると結局元の価格に戻っていくだろう。
そして、イスラム圏の貿易黒字もほとんどなくなる。

結局、貿易黒字による資本蓄積の面では、
日本が1位であることは間違いない。
中国が海外に持っている資本は外貨準備でほとんどなのに対して、
日本は政府の外貨準備の他に民間による証券投資、直接投資がある。
そして、中国は外国からの投資が多くて、
対外純資産額ではプラスがどうかも怪しい。
日本の対外純資産額は150兆円以上あって世界一を続けている。

では、日本が次の覇権国なのだろうか。
日本は
「次の覇権国はアメリカによって開発され発展をとげる国だ」と
いう条件にもかなっている。
そういう意味で、
日本を次の覇権国の候補に上げてもおかしくないのだが、
春山氏は全然候補に入れていない。
それが、ちょっと興味深い。

日本が次の覇権国というと、納得できない人も多いだろう。
そもそも、覇権国とは何かという疑問も出てくる。
本当の意味での、次の覇権国はどこか。
次回に続く。

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