異をとなえん |

「図説駅の歴史 東京のターミナル」感想

2008.05.02 Fri

19:03:20

「図説駅の歴史 東京のターミナル」を読む。
交通博物館が編集して、河出書房新社が出版した本だ。
ふくろうの本というシリーズで写真がいっぱい入っている。

東京に鉄道が生まれて、
それがターミナル駅を中心にどう変遷してきたかを扱っている。
3部構成で第1部では、
東京から東西南北4つの方面に向けて鉄道が作られた話と、
その各々のターミナル駅が紹介される。
第2部では、4つのバラバラだった線をまとめて、
一点に集中する計画、東京駅の誕生の話になる。
第3部では、東京駅誕生後のターミナル駅の盛衰が語られる。

第1部の頃は、私にははるけき昔の物語だが、
新たに鉄道を作ると言っても無から作るのではなく、
今までの都市の構造を踏まえた上で作られているのがわかる。
三つ子の魂百までと言うけれど、都市も同じだ。

東京が今なぜこうなったかは、
その前の江戸の歴史を知らなくてはならないし、
江戸がなぜこうなったかも、その前の歴史を知らなくてはならない。
ずっと昔の当時としては些細な行動が、
今に大きな影響を与えるのは不思議だなと感じる。

第2部は東京駅の誕生の話だが、
頭端駅より通過駅が合理的だという話が既に出ていて、
私がその事を知った時は驚いたけど、
鉄道関係者では常識だったらしい事がうかがえる。

東京駅が誕生して、山手線ができて、
総武線がそれを横切るようになって、
東京の鉄道の基本構造ができた。
あれから随分複雑にはなったが、
未だに頭に第一に浮かぶのはその構造だ。

秋葉原は2つの線が直行している、
かなり特異な駅であることに始めて気がついた。
総武線から外に出る時は一度山手線のホームを通る必要があるのだが、
小さい頃から乗っていると、それが普通だと思っていた。
しかし、今考えてみると、こんな事をしているのは、
秋葉原駅しかないのではないか。

第3部では、上野駅、東京駅、新宿駅の3つに分けて語られるが、
上野駅がターミナル駅としての機能を東京駅に譲り、
新宿駅は西のターミナルとしての機能を保持している事が、
興味深い。
昔、良く行っていた上野には、そういえばとんと行ってないとか、
新宿には高速バスに乗った事があったなとか、
ターミナル駅の盛衰と私の行動が一致しているのが、
当たり前と言えば当たり前だけど感心してしまう。

東京圏の鉄道・地下鉄の路線図は複雑で、
始めての人にはわかりづらいだろうけど、
需要のある所をその時の技術に合わせて繋いでいるので、
経済的合理性がある。
日本らしい。

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27 「山手線誕生」感想

中村健治著「山手線誕生 半世紀かけて環状線をつなげた東京の鉄道史」を読む。 目次は下記の通り。 第1章 強い反対に陸上を諦めて海上を走らせた『陸蒸気』 第2章 華族が興した最初の私鉄、開業式を欠席した鉄道局長 第3章 東京の山の手、凹凸地帯に線路を敷い