異をとなえん |

マルクス主義の凄いところ

2008.04.15 Tue

14:53:23

マルクス主義の凄さというのが、最近になってわかった。
マルクス主義というのは、興味を持ってはいたけど、
スターリンの大粛清とか宮廷陰謀劇が主体でそれ以上深まることがなかった。
現実のむごさがわかると、
自分の身近な政治としてのマルクス主義などには全然興味が持てない。

しかし、最近になってマルクス主義というのは、
善悪を決定する体系として、とてつもなく大きなものであることを知り、
感心した。
世界に数ある、思想宗教の中でも、
ありとあらゆる事に善悪を決定づけた体系としては最大なものではないだろうか。

古代奴隷制、中世封建制、近代資本制の順番に社会が発展し、
最終的に共産制に至るという史的唯物論を核とする事によって、
歴史の進歩を進めるものは善であり、止めるものは悪であるという、
理屈を考え出した。
この仕組みはなかなか凄い。

多くの宗教がその時の自分の身の回りの事柄に対しては、善悪の判断を出している。
創始者がそういうメッセージを残す。
けれども、時が経ち新しい事物が出てくると残っている人間では判断ができない。
創始者の個人的な判断によって決定されているから、対応できないのだ。
イスラム教などは、近代以後の西洋の影響に対して完全に判断できず、
思考中止している。

その点マルクス主義は共産制に近づいているなら善であるという、一応の理屈がある。
共産制も天国も、たいして変わらないが、
天国は現世で実現できないという枷があるので、現実に適用するのは難しい。
それに対して、
共産制というのは一応の建前としては生きているうちに実現できる社会なので、
それなりにイメージできるし、その筋道も考えることができる。
個々の人間においては、進歩しているか判断が別れることも、
全体として見れば結論を下せる。

そして、今現在の社会の状態と新しい事柄の関係性によって、
善悪が決まるというのがいろいろ便利なのだ。
最初は社会を進歩させているということで肯定的に評価されたものが、
後になると社会の進歩を止めていると否定的に評価される。
変幻自在で勝手な理屈をこねることができるのだから、
信者たちを騙すのに好都合なのだろう。

全ての善悪が決まるというのは、ある意味魅力的なことなのだろう。
間違った社会を正すなどという正義感を持った若者に、
流行るのもわかる気がする。
20世紀に流行ったが、21世紀になって衰えてくれたのは良かったなぁと思う。

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