異をとなえん |

本場のありがたみ

2008.03.19 Wed

12:29:46

ストロー効果という言葉がある。何かが伝播する時に、大元では豊富な種類があるのに、伝播先では種類が大幅に減少するような事を言う。

たとえば稲の例がある。中国の稲には、ある部分の遺伝子の種類が4つあるのに、日本にある種類は2つしかない。これは、最初に中国から日本に来た稲がほんの少量だったので、たまたま2種類しかなかったかららしい。一度それで普及してしまうと、後からでは変わらない。朝鮮の稲は、日本にある種類が含まれずに3種類らしい。だから、朝鮮経由で稲が伝来した説はおかしいという意見が生まれる。

文化にも同じような現象がみられる。日本では、漢詩というと白居易の「白氏文集」が最も好まれていると本に書いてある。平安時代に日本に伝わったが、他の漢詩を押しのけて一番人気だという。日本人に一番合っていた事もあるのだろうけど、同時に白居易が好まれすぎて、他の漢詩が存立基盤を失なったとも考えられる。市場が小さい時、一つの商品の支配率が大きすぎると、他の商品の存立自体ができないことになる。

マンガやアニメもそうだ。アニメではフィリピンの「ボルテスV」やフランスの「UFOロボグレンダイザー」の例がある。「ボルテスV」は政府批判と受けとられて政府が禁止した。「UFOロボグレンダイザー」は視聴率100%を獲得したとかいう伝説がある。子供だけの視聴率とからしいが、人気があったことは確かだ。日本では巨大ロボットアニメという同工異曲の作品がたくさんあるなかでの1作品でしかないが、他の国では大ヒットとなったことになる。

マンガでは、現在「NARUTO」が大ブームだ。アメリカ、フランスで一般書の中に交じって売れている。フランスでは一般書も含めた全作品の中でベストセラーだというから驚きだ。もっとも日本では、マンガを含めたベストセラーの選出だとマンガがトップを独占してしまうからベストセラーのランキングから外されているほど売れているが、これは例外だろう。日本では「NARUTO」より売れている「ONE PIECE」は海外ではあまり売れていない。海賊物というのがあきられているという説もある。理由は、はっきりしないが、環境の違いというものだろう。

このように、マンガやアニメは世界に伝播しているが、いろいろな違いによって何が売れているかは様々だ。現在、発行されているマンガや製作されているアニメの種類は膨大で、海外でも随分出ているけれど抜けているものは結構ある。今までの累積とかを考えると話にならない。それが結局、本場と伝播先の違いというものだろう。マンガ・アニメファンとして日本人に生まれてい良かったなあと感じる時である。

このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る

コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURLはこちら