異をとなえん |

「霞ヶ関歴史散歩」感想

2008.02.27 Wed

01:39:30

田章著「霞ヶ関歴史散歩 もうひとつの近代建築史」を読んだ。霞ヶ関と永田町に日本の中央官庁街がどうして形成されたかの歴史が書いてある。

日本の中央官庁は江戸遷都で何もない所から、各省に合わせて、庁舎が作られ、関東大震災、敗戦などのイベントによって、今の場所に集ってきた。ワシントン、ブラジリア、キャンベルのような中央官庁のために作られた都市ではないのに、東京のように中央官庁が集まっている都市は珍しいそうだ。パリやロンドンの中央官庁は散らばっているらしい。もっとも、この話は後書きに載っているだけなので、どのぐらい正しいかはわからない。

中央官庁街の形成という計画は井上馨が始まりだった。日本の近代的な都市計画の元祖だという事だ。都市計画はちょっと変な魅力がある分野だ。自分の好みにあわせた都市を妄想していると、自分が権力者になったつもりになれる。自分の家すらもない人間が、そんな事を考えるのだから、本当の権力者には極めて魅力のある分野なのだろう。

日本の中央官庁街もお雇い外国人の手を借りて雄大な計画が作られていく。ただ、基本的には日本政府は金がなくて、貧乏なので、そんな雄大な案は実行されなかった。しかし、こつこつと実行していくことで、いつのまにかほとんどすべての省庁が集まってしまった。結局、震災や戦争で全て廃虚になってしまったから、集めようと考えていた計画がその時点で実行されたという事なのだろう。

本に書いてある歴史話はつまらなくはないのだが、全体を通した史観が不足していて、今一読みごたえがない。各国の中央官庁街と日本との比較の部分をもっと充実して欲しかった感じがする。でも、見学する時のパンフレット代わりにはなるだろう。国会議事堂や国会図書館は行った事がないので、今度、霞ヶ関に足を伸ばしてみるつもりだ。

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