異をとなえん |

ノムヒョン大統領の退任

2008.02.25 Mon

00:32:30

一部にノムたんの愛称で親しまれた韓国のノムヒョン大統領が退任した。最初の支持率は高かったが、すぐに低くなり、退任するに当たっては最低の大統領として評価されている。あらゆる所で物議をかもす発言をしているが、実際の成果は少かった。言葉だけの大統領だったと言える。歴史教科書的には韓国で始めて弾劾された大統領として記述されそうだ。

どちらかと言えば反米的な大統領候補と受けとめていたが、注目したのは、初めての訪米の時の新聞広告だった。アメリカへの感謝の広告なのだが、アメリカの韓国に対する援助とかアメリカ企業の韓国進出とかを対象にしている。最初は普通の感謝広告に見えるのだが、アメリカ人が韓国に一番感謝されたいだろう朝鮮戦争でのアメリカの軍事援助対する感謝が一つもないという、一種異様な広告だった。朝鮮戦争で出たアメリカ人の膨大な血に対して、感謝しない表明のようにも見えた。ノ大統領としては、そんな他者の心情が想像できなかったのではないかと思う。

反米なのか、親米なのか、よくわからなかったのがノ大統領のよくない所だった。イラクへの対応についても、イギリスにつぐ2番目の規模の人員を派兵しているにも関わらず、アメリカからあまり感謝の言葉を受け取ることもなかった。悲劇的というか、むしろ喜劇的なのは、ノ大統領自体はかなり親米的で積極的に行動している。それが、支持基盤の中の反米的な勢力に迎合したリップサービスが国際的な反響を起こして、アメリカとの関係をきしませたように見える。私はそのように観測するのだが、ノ大統領は本来は反米で、周囲の事情でしかたなく親米的な政策を取っていたと解釈する人もいるだろう。そんな感じの、外から見ると意図が見えにくい、はっきりしない大統領だった。二枚舌で信が置けない感じなのだ。

ノ大統領自身は、自分の言葉に嘘はなく誠実に振る舞っているつもりなのだろうが、それを他者から見るとどんな風に受け取られるか想像できないのだ。自分自身の正義に凝り固まっていて、他者には他者の正義があることが理解できていない。それが、結局は身勝手な政治家とさせてしまった。政治家というのは、瑣末な言葉の断片よりも、全体として何を言おうとしているのか、はっきりすべきだと言うことを、教えてくれた大統領だった。

韓国の大統領は退任後、逮捕などあって晩節を全うできた大統領がいない。例外の崔圭夏大統領は任期が短過ぎて権力を持っていないし、金大中大統領はこれから最後の審判が来る。ノ大統領も故郷に帰って気楽に暮らすわけにはいかないだろう。それらを考えながら、一つの時代が終ったように感じている。

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コメント

178 鳩山由紀夫の自殺

鳩山由紀夫はノ・ムヒョンの真似をしているわけではないが、早大の深川教授などによれば鳩山由紀夫の政策はノ・ムヒョンと似ていると言う。
例えば、米国との対等な関係の主張(反米体質)。経済成長による富の増大よりも、税金の分配による格差是正(社会主義体質)。
鳩山由紀夫が自殺をすれば、さらにそっくりである。

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