異をとなえん |

「幻の三中井百貨店」書評

2008.01.17 Thu

01:31:22

「幻の三中井百貨店 朝鮮を席巻した近江商人・百貨店王の興亡」を読む。

戦前、朝鮮に百貨店を展開した三中井百貨店について記述している。朝鮮関係の歴史については結構知っているつもりなんだが、三中井百貨店なんて全然知らなかった。歴史のある意味穴に落ちてしまったようなものかもしれない。ソウルで三越の次に位置した百貨店であり、朝鮮全体のトータルでは三越を抜いていた。三越はその頃日本一の百貨店であり、ソウルでも最大の百貨店を持っていた。

読む前は期待したのだが、はっきり言って期待外れだ。なぜ、繁栄したのか。なぜ、戦後再建がならなかったのか。日本と朝鮮の関係を三中井百貨店を通して理解しよう。これらの問題意識が一緒になっているみたいなのだが、どれ一つを取っても掘り下げられている感じがしない。著者はマーケッテイングが専門なので、資料が十分にあったならば、それなりの事が書けたと思うのだが、資料がほとんどない中で、自分の専門にこだわって失敗しているように見える。資料を見つけ出すので精一杯で、その資料を並べただけのようになってしまった。まあ、私も人の事は言えない。ブログを書くようになって、それがわかるようになった。

個人的には、戦前のソウルの百貨店街のあり方が興味深かった。日本統治前のソウルの街の状態、なぜ本町に日本の百貨店が集中したのか、戦後ソウルの都市はどう発展したのか。モダンボーイや本町でぶらつくという日本の風俗がソウルで流行った時の事をもっと読みたかった。

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