異をとなえん |

太陽電池のエネルギー収支は本当に得なのか?

2008.01.11 Fri

00:25:43

録画していた地球特派員報告スペシャル「カーボンチャンス」を見た。ネットでは誉めている人もいるけれど私には酷い内容に思えた。

世界のいろいろな国、ドイツやその他の国のCO2削減努力の手法が紹介されているのだが、最初に見たドイツの部分で文句を言ってみる。

まず、日本と比較して1990年以降のドイツのCO2排出量が減少している事を強調しているのだが、ドイツ統一で東ドイツの旧式な設備を廃棄しているのだから当然の気がする。まあ、これは番組の作りに文句を言っているだけで、ドイツが自然エネルギーの利用に熱心である事は確かだろうから、それほど気にすることもない。

一番問題なのは、自然エネルギーを利用した発電に対して電力会社に買取義務を与えていることだ。しかも、20年に渡り、原価+利益という形でらしい。その結果、ドイツの太陽電池の発電量は世界一になっている。これを番組の中では、ドイツの国家意志の現れとして称賛していた。

しかし、これは本当に凄い事なのか。どっか、歪んでいるのではないか。

私はお金がどうこう言うよりも、本当にCO2の削減になっているのかを心配している。太陽電池の現在の主材料であるシリコンは精錬するためのエネルギー量も多い。そして、シリコンだけで発電はできないから、いろいろな補助用の材料を作るためのエネルギーや輸送のためのエネルギーも必要だ。これら全てを含めたトータルでのエネルギー収支は本当にプラスになっているのか。10のエネルギーを作り出すために10のエネルギーを投入するようでは話にならない。そして、現在の状況ではエネルギー収支がプラスでなければ、CO2が減っていないのは間違いない。

また、太陽電池は発電量が天候任せだから、緊急時に対応するための発電システムを作っておかなくてはならない。これもエネルギー収支を悪化させる原因となる。

現在、石油が1バーレル100ドルを超えるような状況でも、補助金などが出ていない日本では太陽電池の普及はそれほど目立っていないように見える。これは太陽電池のトータルで見た時のエネルギー収支がそれほど良くない事を暗示しているのではないだろうか。

私には国家意志だと称して、無理矢理特定のエネルギーを推進していくのは危険に思える。CO2の排出量増大が問題ならば、CO2の排出量に合わせて税金をかけるシステムにすべきなのだ。このシステムは、できるだけ公平を目指したいけれど排出量の完全な把握は難しいから、排出量が多く、把握しやすい所から取るのは、しかたがない。それでも、大所はわかるだろうから、まあ機能すると思う。

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