異をとなえん |

食料をエタノールの生産に使うのは是か否か(その3)

2008.01.09 Wed

00:39:04

前回飢餓がなぜ起こっているかについて、考えてみることにした。下記のページが、私にはわかりやすかった。

食糧第一:世界飢餓にまつわる12の神話

つまり、貧困国に飢餓が発生するのは、食料が不足しているからではない。その国が、あまりにも貧しくて、平均的な所得がほぼ満足に食べられる程度だとしたら、なんらかの災害や偏りが発生したならば飢餓が発生することになる。結局、貧しさが原因となる。

では、どうすれば飢餓はなくなるのか。生活を豊かにすればよい。そのためには、食物を生産している人間に売れるものを売ればいい。そのような物がないから飢えている。金を本当に稼いでいる少数は必要な物を富裕国からの輸入にたよってしまう。そして、輸入品など買えない一般農民には、ほんの少ししか食料以外の物を手に入れることができない。生産性は向上しているはずだが、その生産性は先進国からの品種改良した種の使用なので、なかなか一般農民の手には入らない。入る場合も少数の大農家に集中しやすく、金持ちは今いったように輸入品に頼ってしまうから、国内の農業以外の労働者の取り分は増えない。

どうやったら貧乏から抜け出せるのだろうか。江戸時代の日本の例で考えてみよう。この場合、農業の生産性が上がれば富裕層はより多くの消費を行なうことができるようになる。富裕層は高い物、より手のこんだ物を購入する。この時代、輸入はほとんどないから、国内での需要が増える。普通の農民も、生産性の上昇によって、いろんな物が購入できるようになり、やはり国内の農業以外の諸産業の需要が増えることになる。農業以外の諸産業も需要が増え、生産性も上昇し豊かになっていく。

現在の貧困国にはこのメカニズムがない。江戸時代の日本のほうがより豊かに見えるのは、医療の改善などによって乳幼児死亡率がずっと改善しているため、結果的に人口が増えてしまい、飢餓がより頻繁に起こっているためかもしれない。

輸出を増やすのが一番簡単に貧乏から脱出する方法なのだが、簡単ではない。単なる農作物は今まで述べてきたように一番ありあまっている物なのである。結局どんなに輸出を述ばしてもあまり儲からない。豊作貧乏でかえって、収入が減ることもある。他の産業は基盤があまりにも弱いので、とっかかりがない。結局、輸出は増えず貧しいままである。

この状況を打開してくれそうなのが、今回の農産物価格の上昇である。貧困国は農産物価格の上昇によって、余剰農産物を輸出しやすくなり、生産の拡大が進み、利益が増え、雇用が増大する。ここで何が重要かというと、貧困国で唯一作れると言っていい、普通の農作物の価格が上昇している事が大きいのである。

結論として、食料をエタノール生産に使うのは貧困国にとっては否定すべき事ではなく、むしろ望ましい。

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