異をとなえん |

食料をエタノールの生産に使うのは是か否か(その2)

2008.01.08 Tue

01:38:27

食料をエタノールの生産に使うのは是か否かの話を、もう少し考えてみた。特に貧困国において、実際にトウモロコシが飼料や食料になるのではなくエタノールになり、結果農作物の価格が高騰する場合の影響を考えてみた。

まず、貧困国の産業構造を二つのパターンに分けて、各々に対して農作物価格の上昇が飢餓をもたらすか分析してみる。

まず、普通の農産物だけを作っている国のパターンを考える。この場合、貧困国なので輸出入はなく国内で生産している穀物で自国の最低限のレベルの生活をしているとする。農業は豊作凶作があるので、最低限のレベルだと問題だが、この場合貯蔵していて平均で最低限の生産だとする。それでも、百年来の大凶作とか、地球温暖化の理由による凶作とかいろいろ問題はありそうだが、今回その場合は万一として援助に頼る事で無視する。ついでに、最低限の輸入も考えにいれなくてはならないが、これは一応取りに足りないということで無視しておく。そうすると、このケースは自国の農産物を自国だけで消費しているので、農作物価格の上昇は全く影響しない。飢餓は発生しない。

もう一つのパターンは商品作物だけを作っている国である。食料用作物はすべて輸入している。貧困国でこんな国変だと言えば変なんだけど、植民地化によるゆがんだ構造だとしておく。この場合、普通の農作物価格の上昇によって、輸入額は増える。貧困国なのでこれが払えなければ、即飢餓が発生する。しかし、これは食料作物の価格の上昇に商品作物の価格の上昇が負けた場合である。食料作物の価格の上昇に商品作物の価格の上昇が負ける事などがありうるだろうか。商品作物を作っている土地だって、エタノール増産のために使う事は可能なはずである。そうすると、商品作物だって価格が上昇していくのは当然だろう。普通に考えれば、商品作物の価格の上昇の方が、普通の農産物の価格の上昇より間違いなく高いか、少くとも同じではある。飢餓は発生しない。

両方のケースで飢餓は発生しないが、少し先走りすぎたようである。この話はそもそも飢餓が発生していない事を前提にしている。だから、飢餓が発生していない場合は、農作物の価格の上昇によっても飢餓が発生していないというのは、ある意味何も語っていない。現実には飢餓は起きている。そこで、まず飢餓が起きている理由と、それを前提としてエタノール生産の是非を考えてみなくてはならない。

この項続く。

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