異をとなえん |

食料をエタノールの生産に使うのは是か否か

2008.01.05 Sat

03:42:26

ガイアの夜明けの新春スペシャルを見ていると、トウモロコシをエタノールの原料にする話が出てきた。その中で食べ物をエネルギーの原料にするのはおかしいと、言っているが、私は反対だ。アフリカの国では飢えて食べられない人もいるのに、というのが理屈だが、しかし、今だってトウモロコシの最大の需要は家畜のエサで人間の口になんか入らない。特に、今の品種改良したトウモロコシは人間が食べられるようなもんじゃない。

これについては、批判的な意見も下記のように多くある。

今日の覚書、集めてみました バイオ燃料教

The western appetite for biofuels is causing starvation in the poor world

食料不足に直面するスワジランド 米国バイオ燃料会社に広大な原料作物栽培地を配分

しかし、これは別の話なのだ。食料のエタノール生産を禁止するというのは、農業の生産者が飢餓に苦しんでいる人に対して援助する事を強制しているに過ぎない。飢餓に苦しんでる人を援助するならば、基本的に援助する国全体が支援した方が望ましいに決まっている。

ただ、バイオエタノールには別の意味で心配な事がある。それは本当にエネルギー収支で得をしているかだ。米国の農業に抜本的な変化をもたらすバイオエタノール生産を見ると、米国政府がかなり援助をしている。この援助があるからエタノールの生産が増えているのであって、本当はエネルギー収支がマイナスということはないのだろうか。単純なエネルギー収支がプラスであっても、採算が取れていなければどっかに無駄が生じている。ただ、去年の時点でも生産は増えていた。現在の1バーレル100ドル以上だと、十分採算が取れているのだと思う。

私は市場経済の推進派として、政府が食料作物からのエタノール生産を禁止することもダメだし、政府がエタノール生産に補助金を出すこともやめるべきだと思う。

ガイアの夜明けの番組の最後は「有効な資源の生かし方を考えるべき」と締めていた。しかし、有効な資源の生かし方などを改まって考える必要は全くないのである。なぜかと言えば、高い物は買わない、安い物を買うという、市場を利用した今まで通りの方法が最も有効な資源の生かし方だからである。これは経済学できちんと証明されている常識なのだが、それを締めに使う番組に憤りを感じる。

また、番組の中では、マグロ資源の枯渇という話もあったのだが、値段が上がっているものに対する対処方法は三つしかないのである。一つは自分の所得を増やして、より高い値を出すこと、しかし、これは番組の中では金にまかせて買うことはできなくなると批判していた。日本は貧乏になったからマグロが買えなくなるという話だ。若干ニュアンスが違う感じもするのだけど、本質はこうである。もう一つは、生産を改善して供給を増やすことである。一番王道だが、番組の中ではあまり重視されていなかった気がする。最後に買えないのだから、あきらめる事である。これは、なにもせず、あきらめれば必ずなる最低の方法だと思うのだが、どうも番組の中では考え方の変更とか言ってこれを推奨している気がする。情けない。

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