異をとなえん |

ロジステック曲線型成長では普及率が半ばを過ぎても経済は成長を続ける

2013.09.09 Mon

17:19:28

ロジステック曲線型成長においては、普及率が半ばを過ぎると需要の低下が始まる。
それに対して生産能力は需要が最大になったときのままだから、生産から需要を引いた分の余剰が生まれ、貯蓄に回されていく。
「ちょっと待った。生産能力より需要が少なかったら、生産されないだけではないのか。」と思う人がいるかもしれない。
それについては最終的に帳尻を合わすので、この時点では余剰が生まれていくと思って欲しい。
なお貯蓄という言葉を使っているが、経済学的な意味での貯蓄ではない。
ロジステック曲線型成長の原動力である新製品以外の、余剰のような意味だ。

この余剰は貯金に回されるので、金融機関は運用しなければならない。
普通の意味での融資は間に合っているので、資産の購入を始める。
普通の意味での融資というのは、ロジステック曲線型成長の原動力である新製品への融資と設備投資を含めたようなものだ。
それらは全て一番最初に述べた需要に含まれているので、ここでは別の話になる。
生産余剰は増え続けるので、資産取引の購入も拡大を続ける。
当然資産価格は上昇することになる。

資産価格が上昇するのは、需要が増え続けるためだけではない。
理論的裏付けもある。

ロジステック曲線型成長においては、普及率が半ばを過ぎるとく「ロジステック曲線型成長で金利はどう変化するか?」で述べたように金利の低下が始まる。
金利が低下すると資産価格は上昇する。
1年で地代100万円を稼いでいた土地は、金利が10%だと1000万円だが、金利が5%に低下すると2000万円の価格がつくからだ。
金利が下降局面に突入したことによって、資産価格は恒常的に上昇を続ける。

資産の所有者は資産価格が上昇しても持っているだけでは、利益を実感できない。
売却しなければ毎年入ってくる利息などの収入は変わらないからだ。
資産を売却して利益が出たことを実感して、消費が増えていく。

資産価格の上昇による利益はあぶく銭に近い。
労働を対価として支払う消費では、労働に見合わない製品やサービスの消費はしない。
それに対して資産効果による利益はあぶく銭のようなものだから、効用を厳密に判断せず、ルーズに消費が行われる。
利益をそのまま使ってしまうから、たいして重要でもない新製品が売り上げを伸ばしていく。
労働を対価にする消費は本当の意味での技術革新がなければ起こらないのに、資産効果による消費は作れば売れる世界だ。

それでは資産の価格が上昇したことによる消費の拡大はどれほどのものなのか。
1億円だった資産を1億2千万円で売って2千万円の利益が出た。
2千万円は得をしたと大きな気分になって消費したが、1億円は元の資産なのでそのまま持っていく。
それでは1億2千万円分の余剰を生み出すほど消費は拡大しないかというと、そうではない。
1億は再度貯蓄されるので、その分も資産の購入に回される。
そうすれば、再度資産取引が発生して消費の拡大が生まれるわけだ。
資産価格の上昇による消費の拡大が生産能力の余剰と一致するまで、資産の取引は増えていく。

結局ロジステック曲線型成長においては普及率が半ばを過ぎても、生産量は変わらないままだ。
生産能力の余剰は資産価格の上昇による消費拡大によって生産に使用される。
そのとき資産取引は生産能力の余剰以上に実行される必要がある。
単に資産価格が上昇するだけでは、消費するための金が手に入らないからだ。

ロジステック曲線型成長においては普及率の半ばを過ぎると生産は減少に向かうはずだが、資産価格が上昇するとそうはならず、生産余剰分は資産効果によって生産・消費されるとした。
しかし、それでは生産量は最大のまま変わらないはずだ。
ロジステック曲線型成長をしたと思われる戦後の日本経済ではGDPは成長を続けている。

GDPが上昇する理由は何だろうか。
人口の増加、狭義の生産性の向上、物価の上昇などが考えられる。

今までは全ての経済で人口は増加していた。
人口の増加はロジステック曲線型成長モデルにおいて枠組み自体を拡大している。
その分GDPが上昇している。

狭義の生産性の向上も年ごとに続いているはずだ。
同じものを作るのにしても、必要とする労働力が減少する、あるいは必要とする資源が減少すれば、生産能力は拡大する。
生産能力が増えれば生産余剰も増え、それが資産効果による消費に向かうのだからGDPは拡大することになる。

もう一つ物価の上昇も大きな影響がありそうだ。
資産効果によって生まれる新製品・サービスは既存のものに比べて価格が安くなりにくい。
あぶく銭による消費なのだから当然だろう。
すると労働時間と見比べた場合、相対的に既存の製品・サービスは価格が低くなる。
つまり、資産効果によって生まれる新製品・サービスは相対的に高く評価されるので、その生産の割合が増え続ければ、労働者自体の生産量が増えたと解釈される。

以上の三つの要因が年ごとに2%ずつ成長していくならば、合計すると6%成長になる。
そのぐらいの成長が可能ということだ。
結局ロジステック曲線型成長においては普及率が半ばを過ぎても経済成長が続くことになる。

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