異をとなえん |

世界経済もロジステック曲線形に成長する

2013.06.19 Wed

20:54:46

前回書いた、「経済はロジステック曲線形に成長する」という命題を世界全体に拡張しよう。
本質的にはこちらの方がもっと自明である。
世界経済が国家によって分断されていなければ、一つの国と変わりない。
国家に分断されることによっていろいろと違いが出てくるけれど、完全に分断されていれば別世界と同じなので無視できる。
冷戦期のソ連圏のように、アメリカを中心とした資本主義世界と貿易はしていたけれど、技術や資本がほとんど移動しなかった国も別世界と考えていいだろう。
それらの国は世界経済に組み込まれた時点で人口が増えたと解釈すればいい。
ほんの少しの人口の増加は世界経済の飽和する時期が少し延びるだけで、ほとんど影響を与えない。
普及期の後半に巨大な人口が世界経済に参入したならば、そこから再度急速普及期からやり直すと思えばいい。
成長曲線がロジステック曲線とは少し異なっても本質的にはほとんど変わりがない。

ソ連圏みたいな別世界をのぞけば、国の文化や制度の微妙な違いによる、成長スピードの違いは新製品の普及率の違いと同じようなものだ。
流行に敏感な人間は新しい製品にすぐに飛びつくし、鈍感な人はいつまでたっても手を出さない。
国の場合も、成長するための仕組みが整っている国は最初に成長していくし、経済成長に向いてない制度の国はいつまでたっても貧しいままとなる。
新製品への感度がロジステック曲線を生み出しているのだとすれば、国の制度の違いも同じだろう。
どれだけ長い期間成長しない国があっても、それはロジステック曲線の最終段階でなかなか普及率が飽和しないようなものだ。
人口の変化がたいした違いでなければ、世界経済もロジステック曲線形に成長すると言えそうだ。

人間の需要、欲望と言い換えてもいいが、それはある時点の科学技術の発展レベルで定まってくる。
個人個人の需要には違いがあっても、総体としての需要はだいたい定まってきて、その平均を取れば個人としての需要も決まる。
日本で鉄鋼の需要が1億トン、人口1億人とすれば、一人当たりだと1トン消費することになる。
これが一人当たりとしての現在の科学技術のもとでのマックスだとすれば、世界の需要が飽和したときの一人当たりの消費量は1トンという話だ。
例として鉄鋼を挙げたが、その他のありとあらゆる財・サービスに対して同じような理屈が適用され、現在の科学技術の元での消費量が定まる。
その消費量を貨幣に換算すれば、一人当たり所得となるわけだ。
世界経済はその一人当たり所得で飽和するロジステック曲線形に成長する。

ただ、世界経済に命題を拡張した場合、ある時点での技術レベルを基準にして消費量が飽和するかが問題となってくる。
覇権国の交替がロジステック曲線の1サイクルで起こることを前提とするならば、技術革新はその途中で停滞する必要がある。
しかし、技術史を見ても本当に停滞したかどうか言えるほど断層があるかと言うとよくわからない。
「大停滞」という本では、現在の技術革新のスピードが落ちていることについて幾つかの例を挙げて論証している。

ただ私にはあまり説得力があるように思えなかった。
過去の技術史を見ても、現在の技術の状況を見てもよくわからないのは、巨視的な変化を人間が把握するのが難しいことと技術革新が続いていてもその経済的な影響力が小さければ無視できることで説明できるような気がする。

ここでは技術について深く考えずに、技術革新は停滞するので「経済はロジステック曲線形に発展する」ことを前提として考えたい。
技術革新のスピードや影響力などの問題は別個検討する。
「経済はロジステック曲線形に発展する」という前提のもとで、経済成長はどのような様相を見せるか、国内政治・国際政治がどうなるかを考察していきたい。
その結果を歴史と検証することで命題の正しさを証明し、ひいては未来を予測するつもりだ。

次回は「経済はロジステック曲線形に発展する」とした場合の金利について考察する。

このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る

コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURLはこちら