異をとなえん |

経済はロジステック曲線形に成長する

2013.06.17 Mon

21:53:08

経済はロジステック曲線形に成長する。
何を言っているかわからない人が大部分だろうなので、まず文章の意味を説明する。

最初にロジステック曲線とは何だろうか。
ロジステック曲線というのは、下記のような曲線で、テレビやビデオのような新らしい分野の製品の普及率などは経験的にこのような曲線を描くことが実証されている。

ロジステック曲線

グラフでは横軸に時間をとり縦軸に普及率をとっているとしよう。
そうすると、曲線は最初の普及率は0だが時間とともに普及率が上昇して飽和することを示している。
ロジステック曲線の特徴というのは、最初の上昇速度はゆっくりだが、途中で急激に速度を速め、そして普及率の上限に近づくと最初と同じようにゆっくりした速度に戻ることだ。

新製品の普及率がこのような曲線を描く理由は、次のようなことで説明される。
最初の段階では何が主流になるかわからず技術の試行錯誤が続くので、投資金額はなかなか増えず、生産量が低いままとなる。
消費者もまた新製品の意義が理解できず、なかなか買わないのでそんなに消費量も増えない。
この二つが相まって最初の段階では普及率はゆっくりと上昇していく。
ある段階まで来ると、技術の標準化が進みどういう物を作ればいいか、どのくらいのコストがかかるかがはっきりとわかってくる。
消費者もほぼ全ての人間がその存在を知り、購入しようと考える人は計画をたてていく。
つまり作れば作るほど売れる状態になるので、投資金額が急増し、生産量も急激に増えて、一気に普及率は上昇していくことになる。
普及率が飽和に近づくと、まだ購入していない人たちは流行に簡単に左右されない人たちで急には飛びつかない。
そのため消費量が減るので普及率もゆっくりしていく。

「経済はロジステック曲線形に成長する」というのは、経済全体も新製品の普及率と同じような曲線を描いて成長するという命題だ。
経済の成長というのは人々の中に新製品が普及していく過程だと解釈できる。
何も所有していなかった人が、テレビ、自動車など今までなかった製品を購入して、より良い暮らしを楽しめるようになる。
これが成長ということだ。

個々の製品の開発時期と普及スピードは違うだろうが、普及率0の時の消費金額は0とし、普及率100%の時の消費金額をその製品の価格とすれば、ロジステック曲線のグラフは横軸に時間、縦軸にその時点での消費金額を取ったグラフへと変換できる。
当然ながら、耐用年数が複数年にわたるならその年数で分割する必要があるし、一年で何回も購入する物品ならばその分倍数を取る必要がある。
また、普及率が個人というより世帯で計る場合には、それも計算に入れなくてはならない。
製品の耐用年数が全て一年だと仮定すれば、普及率がその年の一人当たり消費金額になることは容易にわかるだろう。
その結果個々の製品のロジステック曲線を全て重ね合わせると、国家全体の一人当たりGDPの成長曲線へと変換できることになる。
個人一人一人に全ての製品が100%の普及率を達成したとすると、その時点での製品の合計した価格が一人当たりGDPと同じになるわけだ。
消費金額の中には、原材料分が輸入とか、製品自体が輸入となる場合もあるけれど、その場合にはそれに見合った分だけ輸出しているはずだから、GDPとしては変わりがない。
そして新製品の普及率の総和は同じようなロジステック曲線を描くことが容易に予想されよう。
新製品の数に限定があれば、最初と最後がゆっくりした成長の曲線になることは明らかだし、急激な成長期は金額の大きい消費財の普及時期によって決まってしまう。
実際に国ごとの経済成長率は、一人当たりGDPが低い時点では成長率も低く、経済成長する環境が整った時点で急激に成長し、そして先進国と同じようなレベルになると低下していく。
これは経済成長がロジステック曲線に近似していることを示している。

「経済はロジステック曲線形に成長する」という命題を国レベルで解釈して説明した。
この命題は世界全体に拡張しても同じように成り立つだろう。
特に新製品の開発、つまり技術革新の継続は世界全体で判断しなければならない。
次回は世界全体に拡張した場合の「経済はロジステック曲線形に成長する」という命題の意味を説明する。

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569 世界経済もロジステック曲線形に成長する

前回書いた、「経済はロジステック曲線形に成長する」という命題を世界全体に拡張しよう。 本質的にはこちらの方がもっと自明である。 世界経済が国家によって分断されていなければ、一つの国と変わりない。 国家に分断されることによっていろいろと違いが出てくるけれど、完全に分断されていれば別世界と同じなので無視できる。 冷戦期のソ連圏のように、アメリカを中心とした資本主義世界と貿易はしてい