異をとなえん |

第二回電王戦4局目、持将棋により引き分け

2013.04.13 Sat

21:49:28

puellaαと塚田九段との対局は持将棋により引き分けとなった。
感想はあまりまとまらないが、それでも簡単に書いてみる。

まず、人間は強かった。
コンピュータ将棋が入玉に弱いといっても、それを的確に突くことは難しい。
故米長会長も入玉狙いで指していたが、失敗した。
puellaαの前身であるボンクラーズに対しても24で多数の将棋が指されたが入玉して勝っている将棋はほとんどなかった。
それなのに、塚田九段は無理なく入玉したように見えた。
もっとも、入玉狙いに絞ったために得点は足りなくなっていたが、そこまでいけない人間がほとんどということを考えると、プロの実力はすごい。
相矢倉の将棋は入玉含みになりやすいことを考えると、コンピュータ将棋も入玉にはさらに対応する必要がある。
もっともこういう言い方はプロがコンピュータより弱いことを前提にしている話だが、率直な感想である。

将棋としてはちょっとがっかりである。
puellaαは勝ちやすいことを考えて、定跡をランダム選択しているのだろうけれど、将棋としては定跡DBを使わないほうがずっと面白い。
特に飛車先の歩の交換を許す指し方が成立するか興味深かったので、その形にならないのは残念だった。

もっとも解説の木村八段によると、今回の対局でもpuellaαは人間だとムリに見える形で仕掛けているみたいで、1局目、3局目とは基本的に同じ流れだ。
人間が基本的に受身の立場を取っていることもあって、コンピュータがムリ気味でも先攻するのは普通の流れとなっている。
その攻めが成立するかどうかが、私にとってはもっとも興味がある点だ。
コンピュータの序盤が弱いと考えるのではなくて、将棋にとって新しい常識が生まれるかどうかに視点が切り替わったことが、今回の電王戦での最大の収穫となっている。

最終局の三浦戦はコンピュータのムリ攻めが正しいかどうかについての結論を出してくれることを期待する。
1局目は習甦が弱かったし、3局目はツツカナの読み負けで本当に成立していたのかどうかはっきりしない。
今回の4局目はかなりはっきり良くなっているのだが、途中で塚田九段が最強手段を放棄して入玉狙いに走ってしまったので、やはりよくわからない。
GPS将棋は形勢が良くなっているのに読み負けて逆転を許すようなことはないだろう。
そうなれば、ある程度の結論は出る。
GPS将棋がムリ攻めをしなかったら、それはそれで面白い結果だ。

人間とコンピュータの団体戦が引き分けになるか、コンピュータ側の勝利になるかを含めて、最後のGPS将棋三浦戦は最高に面白い戦いになりそうだ。
そして内容も素晴らしい一戦を期待したい。

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コメント

323

無理攻めではありません
22玉を咎めるプロ同士でも40手目辺りまでは実践例がある手順です
その後いつでも付ける歩をすぐに付いたのは攻めっ気強いですけど自然です

まあ後手は22玉と、飛車をくっつけることになった展開がまずかったですかね
とは言え将棋は先手が若干有利と言われていますし、ソフト同士の戦いでも平均して中盤の入口で先手+200くらいでしょう

よって形成的にはお互い不満無しでしょうが、後手は次の1手が難しく、受けてるだけでは先手にどんどんよくなられてジリ貧になりそうだったのでしょうね

324 323さんのコメントへの回答

コメントありがとうございます。

> 無理攻めではありません

力強いお言葉、うれしいです。
私は将棋を観戦するだけなので、解説の棋士の影響を強く受けてしまいます。
解説の木村八段は否定的なニュアンスだと感じたので、プロ感覚だと無理攻めなのかと受け取っていました。
△1四歩からの仕掛けをコンピューター将棋ソフトびいきとしてはほめて欲しいわけで、力強く断定してもらえると自分もそんな気持ちになれるのでうれしいです。
今後のプロ棋士の感想の変化が楽しみです。

それでは。

325 Re: 323さんのコメントへの回答

△1四歩は▲1四歩の間違いです。

330 頑固ですなー

連盟の将棋ルールだと引き分けはなく指し直しになるだけ、つまり対局が伸びれば集中力が切れないコンピュータはプロより圧倒的に有利だし、先手と後手が入れ替わるから研究も外せる。もちろん事前に何か月も前から先手後手を決めるってルール自体がプロが研究するためでズルいんだが。というわけでコンピュータが入玉いい加減なのはプロが言うほど弱点になっていないからというのがある。
きちんとしたルールでやればもっとコンピュータは恐い位強いのだよ。

331 頑固ですなー

あとあなたはソフトびいきって言うけど私が見る限りプロびいきにしか見えない、まあその辺の将棋ファンよりはってことなんだろうけど・・・。

332 連盟ルールと比較せよ

連盟ルールだと双方合意の上とあるが、これは点数がある程度確定した時点で合意するのが暗黙の掟である。そうでないと永遠に終わらないからだ。そして今回のイベントルールでは256手までは完全に自由意志だが、その後は立会人の裁定、つまり事実上連盟ルールの双方合意と同じ効果を発動させることにしたのである。しかしこれは巧妙にプロ有利に働いているルール変更と言える。例えば今回の場合塚田九段が勝ちの見込みなしの時点で連盟ルールなら塚田負けだし、それをコンピュータが入玉苦手だから粘っていいというならコンピュータにも粘らせていいことになり、それこそ対人用入玉版稲庭戦法みたいになる。それを256手で区切る辺り実に巧妙である。かようにイベントルールでは色々プロ有利に設定されており、それがコンピュータ側の思わぬ苦戦の要因となっている。昔の対アマチュア戦とはそこが違うため、レート通りに結果が出ないのである。しかしコンピュータとプロのどちらが強いか、ましてレートを測定しようというのなら、そういうプロ有利の状況を加味して算出するのが当然であるのに、あなたはただただプロを賛辞して終わる。それでは異は唱えても本質は無視という駄文に終わるのではないですか?私から見るとあなたの考えはまさに連盟の思惑、台本通りであきれます。

333 感動するのはいいですけども

第一局はソフトの事前貸出しがなければ臭ソが勝った、第四局はきちんと連盟のルールでやってればピュエラアルファが勝った。勿論他の対局ももっと本来なら楽に勝ててた。と仮定するなら、2位から5位までのソフトで圧巻の4連勝だったということになる。プロが得意な時間設定の中でそういうことであればコンピューターのレートはどれほど高いのか?gps将棋はどれだけ異次元か?ということになったであろう。まあそういうことを一生懸命ごまかそうとするのが将棋連盟なんだよね。んでトッププロならまだ負けないみたいな(失笑)

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