異をとなえん |

円安株高への懐疑

2013.04.09 Tue

22:00:59

黒田氏が日銀総裁に就任して、異次元と呼ばれる金融緩和を行い、円安株高が続いている。
ドル円相場は92円台から一気に100円に届きそうな勢いだし、日経平均は12000円から13000円を突破するまでになった。
株高は基本的に歓迎すべきことなのだから万々歳でいいのだけれど、どうも懐疑的になって仕方がない。
今回の景気回復はアメリカ経済に引っ張られる形で起きているのだが、アメリカ経済の復調がいつまで続くかわからないのが最大の疑問になっている。

今回の日本の株高の最大の原因は円安だ。
円安によって輸出企業を中心に利益の回復が起こり、それが株式相場を上昇させている。
円安は輸入企業の利益を減らす側面のあるのだが、それらの企業は中小企業が多いので大企業中心の株式市場にあまり関係がない。

為替相場を考慮して未来を予測していくと、どうも頭が堂々巡りして確固たる土台を持てないような感じを持つことがある。
為替相場の変化がプラスの影響とマイナスの影響を同時に発生して、両方働いた場合にどちらの影響の方が強いかよくわからなくなるためだ。
今回のドル高円安も輸出が増える、輸出企業の利益が上昇する、といった経済にプラスな面と輸入物価の上昇によって内需を減退させるマイナスな面がある。
どちらが勝つかというと、基本的にはアメリカ経済と日本経済、両方合わせた経済が成長できるかどうかに依存するだろう。
二つの国を合わせた経済が最終的に成長するならば、円安ドル高はアメリカ経済の成長のおこぼれを日本経済が受け取る形で発展できることを意味する。
アメリカという大旦那が元気良く成長するならば、そこに商品を売っている下請けも元気が良くなる話だといっていい。
問題なのは、アメリカ経済が回復しないならば、日本経済の回復も怪しいということだ。

リーマンショック前、日本経済はようやくバブル崩壊以後の停滞から脱出して成長軌道に戻った印象があった。
けれどもそれはアメリカ経済の成長に伴う成長であり、日本経済の自律的な成長とはとうていいえなかった。
だからリーマンショック後の金融危機によって、アメリカ経済の成長がストップすると、日本もその余波を受けて世界の中でもっとも経済が縮小した。

今の景気回復もその時の印象にだぶる。
アメリカ経済の好調が資金をアメリカに吸収させ円安ドル高を導いていた。
円安ドル高が輸出企業の好調を生み、輸出企業中心に設備投資の拡大を促した。
もっとも現在の日本の輸出企業はアメリカ経済に懐疑的になっている。
だから設備投資がそれほど盛り上がっていないという違いがある。

どちらにしても、アメリカ経済の復調が止まれば日本経済の景気回復は止まるだろう。
アメリカ経済の復調が止まったけれど、日本経済が自立的に成長するので景気回復が続くということはありえない。
アメリカの景気が悪くなれば、為替相場は円高ドル安に反転し、それに伴う株式相場の上昇は止まってしまう。
つまり今の景気回復のエネルギーが全て反転する形になるのだから、日本経済も必ずスローダウンしてしまう。

結局、日本経済の先行きはアメリカ経済頼みということで、懐疑的になって仕方がない。

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