異をとなえん |

韓国は離米従中を選択するか?

2013.02.14 Thu

21:49:59

鈴置高文氏は日経ビジネスオンラインで、韓国が離米従中の外交路線を選択すると主張している。
参照:「早読み 深読み 朝鮮半島」

この主張にどうも納得がいかない。
同じ主張の記事はたくさんあるのだが、「中国から“体育館の裏”に呼び出された韓国」「“体育館の裏”で軍事協定を提案した韓国」の記事がよくまとまっていると思う。
この二つの記事を中心にして反論してみたい。
鈴置氏の主張は、韓国が中国の経済圏に取り込まれつつあること、そして北朝鮮の核の脅威から身を守るために離米従中を選択するというものだ。

「中国から“体育館の裏”に呼び出された韓国」では、中国への貿易依存度が高まっていることで、韓国が中国と自由貿易協定を結ぼうとしていることを示す。

引用開始

 確かに、韓国の対中依存度は高い。韓国の中国(香港を含む)への輸出額は全体の約30%。日本の25%と比べ少し高い程度だ。しかし、韓国経済は輸出に頼る度合いが極端に大きい。GDP(国内総生産)に対する輸出比率は50%前後に達し、日本の15%前後と比べものにならないほど高い。対中輸出が韓国経済の死命を制する。
引用終了

引用開始

 韓国は、日ごとに大きくなる中国という存在に抗しきれなくなったのだ。今年1月に「正式交渉入り」を強引に受諾させられた際、匿名の韓国政府高官の談話がメディアに一斉に載った。「金正日死亡後の不安定な情勢に加え、頻発する中国漁船の不法操業問題を考えると、中国の協力を引き出すにはFTA交渉を開始せざるを得ない」。韓国の役人は日本の役人にも同じ“言い訳”をしているという。

 「北朝鮮と漁民」は今、韓国人が持つ中国への恐怖感を象徴する。「金正日という強力な指導者を失った北朝鮮は中国の支配下に置かれ、混乱が起きれば人民解放軍が駐屯するだろう」と多くの韓国人は信じている。朝鮮戦争で米軍も勝てなかった中国軍と直接対峙する――。韓国人にとってこれ以上の悪夢はない。

 韓国の東と西の領海では、数百隻、あるいは千隻を超えるとされる中国漁船が日常的に不法操業している。彼らは取り締まりにあたる韓国の海洋警察官を平気で殺傷する。その不法漁民を中国政府は一切取り締まらない。韓国人にしてみれば中国にかけられた投網が、北から西から東からジワリジワリと締まってくる感じだ。中国はその圧迫感を使って韓国をFTAに引き込んだのだ。
引用終了

また、「“体育館の裏”で軍事協定を提案した韓国」では、韓国が米中の対立の中で脅してくる中国に対してにじり寄り、軍事協定の締結に動いているとした。

引用開始

 米中対立が鮮明になるなか、韓国が中国に軍事協定の締結を提案した。経済的にも軍事的にも中国に飲み込まれそうになった韓国は、ついに米中間で二股外交に乗り出したのだ。
引用終了

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 韓国経済は対中依存度の急増で生殺与奪の権を中国に握られた。軍事的にも海軍力の増強により黄海を内海化した中国に対抗できなくなった。不法操業する中国漁民が、逮捕に向かった韓国の海洋警察官を堂々と殺害する事件が相次ぐ。中国政府は自国漁民を規制するどころか、海軍力の行使までほのめかし韓国を脅す。

 前回記事「中国から“体育館の裏”に呼び出された韓国」では、強大化した中国が要求する自由貿易協定(FTA)締結を韓国が拒否できなくなった様を描いた。“体育館の裏”で大国から脅された小国がとる道は2つ。他の大国との同盟を強化して抵抗するか、逆に脅してくる大国ににじり寄るか、である。韓国は後者を選び、忠誠の証として軍事協定締結を提案したのであろう。
引用終了

その他にも、中国との間でスワップ協定を結ぶなどして、関係を強化しつつある。
以上のようなことから、韓国はアメリカとの同盟から離脱して、中国との同盟に移るという離米従中の主張となっている。

二つの巨大勢力にはさまれた小さな国が、どちらにつくか決めかねていろいろと悩むというのは、昔からよくある図式だ。
片一方の勢力に完全従属してしまう例もあるが、コウモリのように二股をかけて、なんとか対立から利益を得ようとする国も多い。
韓国の現在の状況はまさにその典型的な例だろう。
だが、逆に言うと韓国が中国に完全に従属してしまったら、アメリカからの支援は得られなくなってしまう。
それはそれでまずい。
だから離米従中ではなくて、二股外交を目指すというならわかる。
アメリカにも中国にもいい顔をしようというのだ。
そしてアメリカと中国が決定的に対立するならば、やはりアメリカにつくのではないだろうか。

それについて論証しようと思ったが、時間がなくなった。
次回へ続く。

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551 続:韓国は離米従中を選択するか?

前回は、韓国が離米従中を選択することはないと主張した。 その理由について述べたい。 まず第一に重要なことは、韓国が本当に中国市場に依存しているかだ。 韓国の中国への輸出依存度が高いのは、中国で加工した製品をアメリカに輸出しているからだ。 韓国で作成した部品を中国に輸出し、それを中国の人手で組み立ててアメリカや先進国に輸出する。 中国の成長の図式はこのように語られてきたし、