異をとなえん |

スパイ防止法の必要性がわからない

2013.02.04 Mon

21:50:06

産経新聞に「インテリジェンスなき国」という記事が載っていた。
スパイ防止を喚起する宣伝記事みたいなものだ。
でも、その必要性が全然わからない。

下記の文章など、本当に意味不明である。

引用開始

 「スパイ天国」とも揶揄(やゆ)される状況は、スパイ防止法がないことに起因することはよく知られる。警察幹部は「この法律がないのは、政府が戦後長い間、中国などとの軋轢(あつれき)を避け、優柔不断な弱腰外交を続けてきたからだ」と指摘する。

 そもそもウィーン条約によって「不逮捕特権」が認められている外交官のスパイ活動は、日本の裁判にかけられない。

 このため李元書記官が立件されたのは、外交官の身分を隠して外国人登録証を不正に更新した外国人登録法違反という「別件」。国内の防諜(カウンターインテリジェンス)を担う外事警察は「別件」という「お寒い手段」しか持っていない。今回の事件は、こうした日本の実態を浮き彫りにした。
引用終了

外交官がウィーン条約で逮捕できないから、別件で対応せざるを得ないと嘆いている。
でも、これはどの国も同じだ。
スパイ防止法があろうとなかろうと関係ない。
だとしたら、一体何を訴えているのか。
スパイ防止法ができればスパイ行為をしている外交官も逮捕できて、裁判にかけられるようになると誤解させる記事にしか見えない。

中国の大使館員は日米の離反工作をしていたと、さも犯罪行為のように記事が書いてある。
けれども、外交交渉というのは、味方の国を増やして、敵の国を孤立させる活動だろう。
だから、中国の行動というのは普通の意味での外交活動そのものにしか見えない。
もちろん、その間に金銭の授受など違法な活動があれば別だが、そうでなければ法律的には許容するしかない。

日本国民がぺらぺらと国家の重要機密を漏らすのが問題というのがあるかもしれない。
実際情報を漏らした刑罰がゆるすぎるという批判はかなり昔からあった。
けれども少しずつ厳しくなっている。

読売新聞の記事によると、2000年に修正された。

引用開始

2000年に、自衛隊3等海佐によるロシアへの秘密漏えい事件が発覚し、自衛隊法の防衛秘密を取り扱う者が漏らした場合は「5年以下の懲役」と罰則が重くなりました。日米同盟にかかわるMDA秘密保護法(特別防衛秘密)と刑事特別法(米軍の機密)では、「10年以下の懲役」と規定されています。
引用終了

戦争をしているときなら、軍の作戦情報をもらすのはもっと厳しい刑罰が必要かもしれない。
しかし平和なときなら、このくらいで十分に思える。

刑罰が軽すぎるので違法な情報漏えいが大量に行われているとすれば、逮捕立件は簡単にできるはずだ。
その件数があまりにも多いとなれば、刑罰を重くするという話が出てくる。
でも情報漏えいの罪による逮捕などあまりきかない。
それは有効に機能しているからではないだろうか。

スパイ活動防止法がないから、北朝鮮の拉致事件が起こったなどという意見も聞くが、さらに意味不明である。
拉致事件は誘拐なのだから、情報をつかみさえすれば逮捕するのに、まったく問題はない。
北朝鮮からの工作員侵入だって、入国法違反なのだから対応自体は簡単にできる。
スパイ防止法がなければ捜査自体できないなら話は別なのだが、外事警察による防諜活動は日本で普通に実施されていると聞く。

結局スパイ活動防止法があると、一体何が変わるのか私には普通に疑問のままだ。

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544 続:スパイ防止法の必要性がわからない

昨日の産経新聞の続きだが、相変わらず意図不明の記事である。 インテリジェンスなき国(3)人海戦術で諜報 危うい尖閣 引用開始  関係者によると、李元書記官の所属先とされる中国人民解放軍総参謀部第2部の大佐が、ジャーナリストの肩書で活動。警察もマークしているが、訓練を受けたプロであり、揚げ足を取られる行為をしないため、手出し