異をとなえん |

インフレ目標を掲げて国債を買えば資産価格は上がるか?

2013.01.23 Wed

21:48:47

日銀が2%のインフレ目標を掲げる政策をスタートした。
インフレにはなるという意見が多いのだが本当だろうか。
私は疑問を感じる派だ。

下記の記事では、資産価格は上がると無条件に仮定しているみたいだが、本当にそうだろうか。

マネーとインフレ・デフレの本当の関係

引用開始

今、民間が100兆円の現金、100兆円の株式、100兆円の国債、100兆円の不動産を持っているとしよう。中銀が国債を100兆円買い上げてしまえば、民間のポートフォリオは200兆円の現金、100兆円の株式、100兆円の不動産になる。

株と不動産に対して現金の比率が上がったので、株と不動産の価格は上がり、現金の価値は下がる=資産インフレになる。

だから「量的金融緩和は財やサービスのインフレは起こすことができないで、資産価格の上昇しかもたらさない」と主張する方々は、ここまでは正しい。
引用終了

資産価格が上がれば、インフレになるというのは確かだろう。
前に書いた記事では、違うような意見も書いているが、資産価格が上がってもインフレが発生するまでにはかなりの時間がかかる、というのが本意であり、いつかは上昇する。
実際の所、インフレにならなくたって、資産価格さえ上昇すれば景気は良くなるのだから、はっきり言えばどうでもいい話だ。
たぶん投資する人にとっては、インフレになると引き締め政策が発動されて金利が上がるので、なって欲しくない人の方が多いだろう。
しかし、インフレにならずに資産価格だけが上昇し続ける理想郷などありえないから、いつかはインフレになる。

問題は資産価格が上昇するかだ。
株と不動産に対して現金の比率が上がれば、なぜ株と不動産の価格は上がるのだろうか。

現在の日本では配当利回りだって国債の利回りよりずっと高い。
国債の利回りは10年物で1%を割っているが、株式の配当利回りは日経平均でも1.83%だし、益回りなら5.58%だ。
参照:国内の株式指標

配当利回りを永遠に維持できるならば、つまりリスク0ならば国債価格と株価は同じ価格になる。
企業に成長期待があるならば、むしろ逆になっている方が普通だ。
だから、普通の状況ならとっくに国債を売って株式を買う人が多くなっているはずだ。
そうならないのは、リスクを心配しているからだ。
将来それだけの利益を上げられなくなると思っているから、株式を買う人が増えず価格が低迷している。
実際バブル崩壊以後、何度企業は赤字決算に陥ったことか。
投資家は企業を信じられなくなり、ずっと価格は下がり続けている。

この状況で現金が多くなることはリスクを下げるだろうか。
特に関連するとは思えない。

たとえば、資源制約によって経済規模は決まってしまうと仮定しよう。
この場合GDPが500兆円を超えると、資源制約で石油の価格が上昇し、需要が減ってしまう。
実質GDPは当然不変だし、需要が減るということは価格が維持されることだから、名目GDPも不変だ。
このような状況を人々が信じているとしたら、資産価格は上昇しない。

経済が成長するために必要なのは将来の確信だが、現金の供給ではそれを起こせない。

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