異をとなえん |

続々々:年末アメリカの株式相場は下げているのに、なぜ日本の株式相場は高値をつけたのか?

2013.01.11 Fri

21:37:55

続々:年末アメリカの株式相場は下げているのに、なぜ日本の株式相場は高値をつけたのか?の話の続きだ。

円安が続いている。
89円台も超えてきた。
2010年半ばごろの水準にまで戻ってきたわけだ。
今日の円安の直接の原因は、11月の経常収支が赤字になったことだろう。

11月経常収支は2224億円の赤字、1月以外で初の赤字

引用開始

財務省が11日に発表した2012年11月の経常収支は2224億円の赤字となった。月間の経常収支が赤字となるのは昨年1月以来10カ月ぶりで、赤字幅も昨年1月に次ぐ過去2番目の大きさ。
引用終了

円安の流れがあった所に、経常収支の赤字という、貿易収支の赤字を所得収支の黒字で打ち消す構造が崩れたことで、流れが強まった。
投機のエネルギーもあいまって、まだ円安は続きそうな勢いだ。
為替相場の予測は難しすぎるので、別のことを考えたい。

経常収支が赤字になったのは記事によると二つの要因がある。
一つは貿易収支が巨額の赤字になっていること、もう一つは所得収支が季節的な影響で大きく減っていることだ。

ここで注目したいのは、貿易収支が巨額の赤字になった理由だ。
輸出は前年同月比で減り続けているけれど、輸入は少しながら増えている。
輸出が減り続けているのは、中国とのごたごたもありそうだけれど、世界経済全体の景気がおかしくなっていたからだ。
それなのに輸入が増えているというのは、日本自体の景気はそれほど悪くなっておらず、自律的に成長していることを示している。
実際最近の日本経済では内需はプラス成長なのに、外需がマイナスでそれが足を引っ張っていた。
もっとも7-9月期は個人消費もマイナスになっていたけれど。
重要なのは外需に関係なく、日本国内が自律的に成長しつつあることだ。

もう一つの所得収支が減っていることにも重要な点がある。

引用開始

安定的な黒字を計上してきた所得収支も、11月は8915億円と昨年6月以来の低水準にとどまった。日本に拠点を置く海外企業の配当金の本国送金などを含む直接投資収益が、1791億円と11年2月以来の水準で伸び悩んだことに加え、国内企業の配当金など証券投資収支も6592億円と昨年6月以来の少なさだった。所得収支の減少について財務省は「個別の企業などの方針によるもの」とだけ説明している。
引用終了

所得収支の減少が個別の企業の方針で起きているのだとしたら、理由は直接投資を増やしているからではないだろうか。
外国に直接投資をしている企業は当然海外投資の先端企業だ。
日本の直接投資が増えている局面なら、日本に資金を戻すことなく、再度海外投資に回しても不思議ではない。
だとすると、所得収支の減少自体も海外への直接投資の増大で説明できることになる。

日本が成長するためには、内需の増大が絶対の条件だ。
人口が減っているから、内需は減少する。
だから海外の需要を取り込むしかない、という考えは根本から間違っている。
海外の需要を輸出で取り込もうとし、内需が減少していれば、必然的に貿易収支は拡大し、どんどん円高が進むことになる。
当然儲からないから、輸出できなくなる。
買うことをしないで売り続けていけば、経済活動は回っていかない。
だから日本が輸出を増やすためにも、内需を増やさなければならない。
人口が減少するならば、当然のことだか、新製品の発表や品質を向上させるなど付加価値を上げていく必要がある。
これがガラパゴス現象と見える、日本の成長の道だ。

これ以外には成長の道はないと思っていたのだが、もう一つ別の道があることに気づいた。
それは海外の需要をより儲かる方法で取り込むことで、内需を増やす方法だ。
海外に高値で製品を売って儲かれば、日本国内の製品が同じでも消費が増えていく。
賃金が上昇すれば消費が増えていくと言ってもいい。
ただ、これを輸出で実行することは難しい。
円高になればどうしても儲けは減る。
だから直接投資による外需の取り込みが重要になってくる。
最近の直接投資の増大は、日本の経営力が増したことなどによって、海外でも成功しつつあるからだ。

そして日本の直接投資が増えているのは、日本国内で培った新しい市場が世界でも受け入れられているからだ。
コンビニやユニクロの成功がそれを示している。
つまり、日本国内での市場拡大も、海外での市場拡大も本質は同じことなのだ。
日本の企業が世界の先端の市場を開拓しつつある。
その証拠だと今回の国際収支統計を受け止めたい。

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