異をとなえん |

不良債権処理の遠い道のり

2007.12.19 Wed

04:12:29

日本の不況が長引いた原因として不良債権処理が遅いという事が指摘されていた。私は疑問に思う。バブルが破裂して数年、日本は本格的な不況に陥いり、どの会社もほとんど赤字になっていった。会社のキャッシュフローは大幅なマイナスになり、どの会社も銀行に借入を求めざるを得なくなった。つまり、この時点ではどの会社も不良債権になったということである。不良債権は金を貸している会社に利子を返してもらうために追い貸しをしている状態を普通指している。この場合不良債権処理をするということは、土地を担保に貸している以上、土地を処分して返してもらう事になる。しかし、当時土地は暴落していて取引すらほとんどない状態になっていた。この場合、土地を処分しても借金は返せない、実質的に債務超過の企業がほとんどになっていたことだろう。それは膨大な企業が倒産したということである。銀行はそんな暴挙はできず追い貸しをして状況を見守るしかなかった。企業は努力を続けて、キャッシュフローを改善し、借金を返していった。結果、多くの企業が実質債務超過の状態から脱していった。もちろん、状態を改善できず利益を上げる事もできない企業は残った。結果、銀行はそれらの企業を実質的に倒産させ、不良債権の処理ができる状態になった。つまり、不良債権処理をするために、生かすことができる企業とできない企業を峻別する時間がどうしても必要だったのだ。これが、日本にとって不良債権処理が長引いた事情だと考えている。もちろん、もっと早く見切りをつけられたという議論はあるだろうが、期間が長引いたおかげで助かった企業もたくさんある。

今回、アメリカに端を発したサブプライムローンの不良債権の処理はかなり違う。私の理論だと実物がらみの会社は少ないのだから、不良債権処理はどんどんできるはずだということになる。しかし、そうはいかない。まず、サブプライムローンの価格が定まっていない。結局、どれほどの人間が破綻するかはわからない。それでも、底値を求めるには、サブプライムローンを借りた全員が借金返済をあきらめ、担保の不動産を放棄して、その代金でローンを返済した場合の価格を求めることになるだろう。問題なのは、担保の不動産を投げ売った時の価格がわからない事である。現在、不動産の値段は上昇を停止し、下げ始めたと思うが、まだ下げきっていない。

サクラメント生活日誌 : 住宅バブル崩壊?の中の文章である。

今まで家の価値が5年で倍増、なんていい思いをしている人たちを目にしてきた人たちは、この状況を受け止めることができないため、家の値段を下げることができず、下げしぶっている間にもっと市場価格がさがっていくということらしいです。その一方、平均住宅取得価格は去年よりも若干上がっているため、いまだにこの状況を良い方向に解釈する不動産業者もいます。基本的に住宅価格は高価格な家から値崩れします。ですので、それを買い時と思い、購入する高所得者がいる一方で、一般的な価格の家を普通の人たちが買い控えたため、平均値では価格が上がっているのではないかと思われます。


一年半前の状況だが、まだ投売りは始まっていない。好況がずっと続いてきたのである。本当に不動産の価格が上がらないと見切りをつけ、給与等の事情から処分せざるを得なくなるまで、まだ時間がかかるだろう。それまでは、底値は決まらないはずである。

また、借り手は不動産の市場価格が大幅に下げ、今後のローンの価値より下がれば、借金を真面目に返すより放棄してしまった方がいいはずである。サブプライムローンの破綻が続いていないから、まだ市場価格はそれほど下がっていないのかもしれない。または、現在払っているローンが家賃より安いから、とりあえず払っているのかもしれない。そういう意味でアメリカ政府の出した繰延べ処理は、はっきりしない状況を長引かせているだけの気がする。

いろいろ言ったが、サブプライムローンの底値はなかなか定まらない。そして、市場の底値は大手が耐え切れずに投げて決まる。なんか、一年や二年は簡単にかかる気がしてならない。

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