異をとなえん |

「チャイニーズパズル」感想

2012.11.13 Tue

21:46:45

富坂聡氏の「チャイニーズパズル」をざっと読んだ。

wedgeで連載されていた中国次世代の指導者たちの紹介をまとめた本かと思っていたのだが、ちょっと違った。
中国共産党内の意志決定システムの解説により重点をおいている。
チャイニーズパズルというタイトルは中国共産党のよくわからない組織を解読しようとする点で似合っている。
wedegの連載ではそういう話はなかったと思うので、意外だった。

本の中で印象に残ったのは、政治局常務委員といった大物も自分たちの発言が党の総意に認められているかを気にかけているという話だった。
党の見解ではなく自分独自の意見を発表することには責任をともなう。
党の総意が自分の意見を是認してくれない場合非常にまずいことになる。
下手をすれば失脚だ。
だから独自の意見を発表することに彼らは慎重になる。

その結果、独自の意見が求められる場に出席することを嫌がることになる。
アメリカと対立した場合にアメリカが中国の最高指導者とコンタクトしようとしても、拒否する。
党内の意見がまとまっていない段階で自分の意見を言いたくないのだ。

私の解釈では、小泉首相と中国の指導者との会談ができなくなったのも、同じ理由だ。
呉儀副首相の直前キャンセルが話題になったが、党の総意が決まっていないのに、自分独自の意見を求められるくらいなら逃げ出してしまうわけだ。

そうなってくると気になるのは、APECの時の胡錦濤総書記と野田総理の立ち話だ。
日本が尖閣諸島の国有化を実行するのは、すでに予定事項だったはずだ。
親日派と見られている胡錦濤総書記が野田総理と立ち話をした後に、日本が尖閣諸島を国有化したとすれば、胡錦濤総書記はそれに暗黙の了解を与えたと疑われる。
だから普通ならば胡錦濤総書記は立ち話を拒否したはずだ。
それなのに立ち話ができたというのは、国有化反対という意見を野田総理に通達するのは党の総意だったからだ。
当然日本が国有化する場合も、しない場合も、どう対応すべきかは決定済みだろう。
だから前にも述べたように、胡錦濤総書記の面目が潰されたから怒りで反日デモが起こったというのは信じがたい。

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