異をとなえん |

なぜケインズ政策を取ると保護貿易に傾くのか?

2012.10.30 Tue

21:48:52

ケインズ政策を取ると、政府は保護貿易に走りがちだ。
保護貿易政策を取れば比較優位の原則に従って国民は損をすることになる。
それでも選択する理由はなんだろうか。

直感的な答えは簡単だ。
ケインズ政策は国家が失業者に対して給付金を出すことで、総需要を減少させないようにする政策だ。
その場合何もしないで給付金をもらうのではなく、意味のある仕事をさせるようにするのが好ましい。
もちろん、本当に仕事の価値と給付金が見合っているのだったら、そもそも政府の給付金ではなく、単なる公共事業だろう。
本当に価値がある公共事業が見つからないので、補助を出すことで成り立たせるのがケインズ政策になる。
100億の支出がかかるけど、70億の便益しか戻ってこない公共事業では、30億分は労働者への補助となるわけだ。
理屈としては30億の援助で100億分の需要を作り出したことになる。
もっとも、公共投資の便益の価値は簡単にはわかりにくい。
誰も使わない道路など、便益は0だ。
このたとえで出た70億の便益自体が本当はもっと少ない価値しかないのかもしれない。
そうすると、便益が確実で、できるだけ政府からの補助が少なくて済む仕事が理想的なケインズ政策の対象となる。

そんな仕事があるのかというと、あるわけだ。
この話の発端からも明らかなように輸入である。
輸入製品と同一なものを作れば、便益自体は確実にある。
無価値な製品を作り出す危険性はない。
70億分輸入した製品が存在し、30億の補助金をだすことで代替製品を作りだし70億で売れば、前にあげた公共事業とほぼ同じ効果を生み出すことができる。
これは補助金を出すことによる保護主義的な政策だが、直接輸入を禁止する手段こともできるだろう。
ちょっと話がずれてしまった。

ケインズ政策が保護主義に走るのは、輸入を減らそうとする政策が実質公共事業と同じということではなくて、公共事業によって生み出した需要が、海外に流出するのがうれしくないからだ。
自国の国民の失業を防ぐための支出が、回りまわって他国の労働者の手に渡るのはうれしくない。
できるだけ自国の労働者に回って欲しいわけだ。
だから海外に需要が流出しないように、保護貿易主義に傾きがちになる。

なんかうまく説明できないので、次にもう一度挑戦してみる。

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517 続:なぜケインズ政策を取ると保護貿易に傾くのか?

前回の記事の続きだ。 ケインズ政策を取ると保護貿易政策に傾きがちな理由を説明したが、自由貿易の方が国民にとって経済的に有利であることとの理論的な整合性の説明をしていなかった。 その部分を補いたい。 資産価格下落による大規模な不況が発生した場合、政府支出の拡大を実行しないと、総需要の減少による大規模な縮小均衡スパイラルが起こる。 製品を作っても売れない。 企業は売れない

519 アメリカは財政の崖を落ちるのか?

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