異をとなえん |

習近平の中国はどうなるか?

2012.10.29 Mon

21:26:35

習近平が中国の最高指導者になることを、世界は当然としている。
だが名前には意味がない。
どんな政策を取るかが重要だ。
そして政策すら本当は意味がないのかもしれない。
なぜならば、中国の集団指導体制では最高指導者の政策、性格すら、たいした意味がないからだ。

7人の多数決で政策を決めるシステムでは、最高指導者だからといって大きな影響を与えることはできない。
そして、選択する側は総書記・国家主席の選出において、集団指導体制を守護できる人間をもっとも重視している。
自分たちの利益を守る人間を選びたいのだ。

習近平の今までの経歴を見てみると、何よりも目立たないというか、物議をかもさないことが行動の基準になっているように見える。
性格やら政策がうかがえるエピソードが何もない。
李克強や汪洋のように、改革指向の強い人物とか、指導力を発揮しそうだとかの人物は、年寄り連中には敬遠される。
どうしてもゴルバチョフのように、根本的な改革を行って、何もかも壊してしまいそうな気がするからだ。
胡耀邦や趙紫陽の改革路線が天安門事件を起こした記憶は、年寄りには鮮明だろう。
もっともゴルバチョフも、書記長になる前はそれほど目立った人物ではなく、うまく猫をかぶっていた。
同じことがないとはいえない。

ただゴルバチョフが書記長になったころは、ソ連経済は完全に停滞していて、どうしても改革が必要という気分が充満していた。
なんらかの改革を実行しなければという機運が、ゴルバチョフに支持を与えた。

それに対して習近平の中国は違う。
中国経済は激しく変動していて、上の方からなんらかのショックを与えて動かす必要はない。
必要なことは、荒くれ馬のような中国経済をなんとか乗りこなすことだけだ。
江沢民、胡錦濤の路線を継承する、それ以外にないだろう。

中国の未来は対外強硬路線だと予想している。
現在の世界経済の停滞の中では外国への輸出が伸びなくなる。
その中で、経済成長を維持するためには公共支出を増やすしかない。
尖閣諸島や南シナ海での領有権問題は軍事費の増大のための格好のテーマであり、軍事費の拡大によって手に入れた艦船での軍艦外交は外交関係をより緊迫させていく。
このスパイラルで中国は世界の不安定要因となるだろう。

現在の世界経済は大恐慌の時のような、急激な下落にはなっていない。
アメリカの赤字財政が世界の需要を下支えしている。
だから、このゆるやかな停滞の元では、対外強硬路線への急激な展開は必要なく、ゆっくりした軍事費の増大ですむ。
習近平はこの路線にのっていけばいい。
アメリカが「財政の崖」によって急激に需要を減らすようなことがあれば、話は違う。
中国も急激な経済変動を起こし、それは政治路線の大きな変換を引き起こす可能性がある。
テロも含めた政情の混乱とカオスな事態だ。
習近平の失脚も含めて予測不可能だ。

日本から中国の未来を予測した場合、とにかく互いの友好関係を維持しようという発想には無理がある。
中国は対外強硬路線以外の選択が見えない。
日中間での突然の衝突を防ぐために、ホットラインの樹立を図りたいという話もあるけれど、ムダな話だ。
やくざがケンカの口実を作るために鉄砲玉を送っているのに、突然の衝突を防ぐための連絡線など結ぶはずがない。
誤解したままケンカにもちこむことが目的なのだから。
緊張関係は永遠に続くと考えて、日本は中国と外交しなくてはならない。

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