異をとなえん |

今後の日中関係はどうなるだろうか?

2012.10.19 Fri

20:55:20

私は悲観的である。
前回書いたように、現在の中国が戦前の日本と類似しているならば、日中関係はさらに悪化する。
中国の最終的な目標は尖閣諸島ではないし、南シナ海の島々の実効支配でもないし、西太平洋での覇権の確立でもない。
今中国で日本との対立を煽っている人たちの目標は軍事費の増大だ。
目的ではなく手段の方が重要になりつつあるのだ。
だからとにかく対外関係が悪化させて、世論を軍事費の増加を認める方向に変化させようとしている。
彼らの目的が対外関係の悪化そのものならば、日本がどれほど平和を目指す努力をしても限界がある。
一歩引けばさらに一歩踏み出してくる、というのが現実になる。

もっとも日本が一歩引けば他の所に中国の目標が移動する可能性もあるので、戦術的な対応としての譲歩は考えられないこともない。
つまり、日本が尖閣諸島を放棄すれば中国は他の国にけんかを売る方向に変化するかもしれない。
それはそれでありのような気もする。
けれども、尖閣諸島を放棄するような大きな譲歩ではなく、棚上げ論の復活のようなやり方では、対立は解消しない。
中国にとって尖閣諸島は手ごろな目標なので、日中の対立はどうしても続くだろう。

尖閣諸島がなぜ手ごろかというと、日本との対立の争点だからだ。
日本と対立するということは、中国共産党のそもそもの立党の目標が中国から日本を追い出すことであった以上、復古の精神にかなっている。
日本の軍事力は強くもなく、弱くもなくで、目標としてちょうどいい。
アメリカの軍事力は強すぎて、それに対抗しようとする努力は、莫大な予算を必要とする。
軍事関係以外の人間は予算が巨額すぎることもあって反対しようとするだろう。
日本を仮想敵国とするならば、少し努力すると打ち破れるほどの軍事力が形成できるように見える。
日本の海上戦力は駆逐艦レベルの戦力はかなり大きいが空母はない。
中国とすると、空母を何隻か持てば打ち破れそうに見える。
さらに島への攻撃は、中国軍の中に上陸戦用の戦力を整備する格好の理由となる。
これがアメリカや日本以外の国だと、そう簡単にいかない。
フィリピンやベトナムだと海上戦力が弱すぎて、とても軍事費増大の理由にならない。
そして海軍主体の軍事拡張は金を食うのだ。
軍事費の増大こそが真の目標である以上、海軍主体というのは望ましいことになる。

軍事費増大を目的として反日を旗に掲げた勢力が中国の主導権を握れば、日中間の紛争は激しくなってゆく。
しかし、戦争を嫌い、平和を重視する勢力は中国にはいないのだろうか。
具体的に誰かを判断することは外国から見ていると難しいが、それでもたぶんいることはいる。
戦前の日本で外務省が戦争を避けようといろいろと努力していた。
けれども、その努力は国内から見ていると、宥和的で頼りにならない感じを持たれる。

下記の記事で中国の新聞が共産党批判をしたとある。

参照:中国各紙が異例の共産党批判、「言論の自由」改善の兆しか

引用開始

中国政府系の複数の新聞が、共産党を批判した地方の役人が処罰を受けたことについて批判する報道を行っている。
引用終了

記事の中では「言論の自由」と結びつけて考えているが、私にはむしろ中国中央の権力を否定し、宥和派を追い出して強硬派が権力を握ろうとする企みに見える。
もちろんたいした根拠はないので妄想かもしれない。
しかし今までは経済成長を目標とすることで一致して活動してきた党も、強硬派と宥和派に分かれればどうしても権力闘争が激しくなる。
それは相手を非難することが盛んに行われ、国内の雰囲気が悪くなることで表面化していく。
そんな情勢の一つに見えた。

歴史的に見て、対外強硬派と穏健派が対立した場合、結局は強硬派が勝って戦争状態に突入したケースがほとんどと思える。
と言うか、今いろいろ考えているが穏健派が勝ったケースを思いつかない。

成長できない不満を軍事費の増加で解消しようとすると、その勢力はがん細胞のように増殖していく。
軍事費が増えれば対外関係は悪化するし、対外関係が悪化すれば軍事費は増大する。
このスパイラルを止めるのは難しい。
最終的に戦争になった場合のことを考えて止める力は、まさに戦争になる直前まで力が働かない。
そして戦争直前だと、不可避だということで、重さのある物質が落下するように戦争に突入してしまう。
ただ現在は核による抑止が働くので少し違う。
これについてはまた別途書くとしよう。

日中の間の市民レベルでの対話によって、平和を保とうと考える人たちもいる。
中国の一般市民は日本に対して特別悪い感情を持っていないと主張するわけだ。
確かにそうかも知れないが、問題は彼らに戦争を止める力があるかだ。
戦前の日本においても戦争に突入することを反対した人々はたくさんいた。
けれども彼らは軍部のテロなどによって、押さえ込まれてしまう。
これは平和を求める勢力が戦争を止めようとするならば、たぶん国内での戦いを覚悟しなければならないからだ。
強硬派を叩き潰すために内戦をも覚悟する必要がある。
外国と戦いたくないから、国内の人と戦うというのは、平和を求める人たちには矛盾そのものだ。
それがたぶん穏健派が力を持てず、強硬派が勝つ理由だ。
強硬派が勝てば外国との関係は悪くなる一方だ。

以上の考察から、日中関係は悪化をたどると予想する。

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