異をとなえん |

日本は尖閣諸島の領有権を棚上げすることで問題解決を図るべきか?

2012.10.12 Fri

21:27:58

「続:中国の指導部は無能」の記事の中では、尖閣諸島問題で中国の目指す落としどころがよくわからなかった。
しかし、中国の民主党政権批判の宣伝工作を読むことで、わかってきた気がする。
ずばり、中国の目標は尖閣諸島領有権の明示的棚上げだ。

次の二つの記事は、民主党の外交を批判することで、尖閣諸島の領有権問題を棚上げして日本が中国政府に妥協することを迫っている。

デモに続き不買広がる中国で日系企業が悲鳴

引用開始

 尖閣諸島は日本が実効支配していたにもかかわらず、わざわざ中国を挑発して「領土問題」を顕在化させてしまったのは日本政府の失態だ。野田政権は国有化をいまさら撤回できず、解決は次期政権に先送りされる公算が高い。中国は、日本が否定してきた領土問題の存在を認めることを求めてこよう。そのうえで領有権は従来どおり「棚上げ」で手を打つしかあるまい。
引用終了

尖閣は「棚上げ」から「共同開発」
領土という戦争の痕跡を超える発想を?


引用開始

 日中友好条約を結んだ1978年当時の関係に立ち戻ることだ。この条約で両国は「紛争解決を武力に訴えない」とうたった。日本国憲法の精神で両国が約束した事柄である。この時点で、尖閣列島の領土問題は棚上げされた。領土問題があるから「棚上げ」したのである。

 日本はその後「日中間には領土問題は存在しない」という姿勢に転じた。棚上げ=問題なし、という奇妙な解釈である。中国としては納得できない措置だった。
引用終了

中国の日本外交批判が成果をあげているのかもしれない。
日本が先に約束を破ったと批判することによって、元の状態まで戻すのは当然だというふんいきを作り上げている。
だから日本が譲歩すべきだと主張する人が出てくるのだろう。
ただ、暗黙の棚上げと明示的棚上げでは大差があるので、日本政府としては納得できないはずだ。
明示的棚上げは中国の領有権主張に一理あると認めるわけで、尖閣諸島が日本固有の領土と主張してきた経緯から見れば大幅な譲歩となる。
第一、外務省としては尖閣諸島の国有化は領土問題に実質的な影響がないと主張していたはずだ。
それを批判されるのは納得がいかないだろう。
中国のやり方は、勝手に誤解して心が傷ついたから賠償を求めるという、やくざのやり方だ。
下記の記事にもある通り中国に対して日本が泣きついていると中国は思うだろう。

日本が尖閣問題で中国側に提示する「妥協案」の解説

引用開始

 そうした中で、中国に対する「妥協案」を提示するということは、中国側の攻勢を受けて、日本側中国に泣きついてきているということに解釈されかねません。
引用終了

譲歩に切りがなくなる。

この提案に対して日本は譲歩すべきか。
基本的には反対したい。
無人の尖閣諸島は前にも述べたが、かえって侵略行動を誘発する危険性がある。
明示的棚上げをしたら、尖閣諸島に自衛隊を駐留させることができない。

もう一つの問題として、中国内部にも穏健派と強硬派がいるはずだ。
ここでの譲歩は強硬派を勢いずかせるだろう。
強硬な態度でいれば外国は譲歩すると思い込んでしまえば、中国はどの国にもそういう態度で迫る。
その態度ではうまくいかないとわかれば、路線が変わるかもしれない。

中国の行動が外国の政策によって影響を受けるかどうかは難しいけれど、害を拡大する方向へ向かわせるのは望ましくない。
ソ連をキューバ危機によって押さえ込んだように、一線を引いてそこからは絶対に譲歩しない、という方針が最終的には中国の行動をおとなしくさせると思う。
これから中国は膨張指向を強めると思うのだが、強く圧力をかけていけば弱いところに出て行く。
弱い部分を食い破って、戦争になるか。
周りの国全てで圧力をかけて、ソ連みたいに内部崩壊するか、どちらかではないか。
日本としては、とにかく自分のところに出て欲しくない。
別のところに行って欲しいということで、譲歩を拒否したい。

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