異をとなえん |

中国の消費者物価指数に不信感

2007.12.13 Thu

03:51:59

中国の物価がまた上昇したようである。中国政府は食品の価格上昇が原因だと主張していたが、どうもそうなっていない。

11月の中国消費者物価、6.9%上昇・11年ぶり高い伸び

 【北京=高橋哲史】中国国家統計局が11日発表した11月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比6.9%の上昇となった。1996年12月(7.0%)以来、11年ぶりの高い伸び率。物価上昇は食品以外の品目にも広がる気配をみせており、中国政府は今後、インフレ警戒を一段と強めるとみられる。

 10月のCPI上昇率は6.5%だったが、11月はさらに高まった。中国政府は2007年のCPI上昇率を「3%以内」に抑える目標を掲げていたが、大幅に上回るのは確実だ。

 品目別では構成品目の約35%を占める食品類が18.2%上昇し、全体の上昇をけん引した。豚肉や食用油などの伸びが引き続き目立った。食品以外ではこれまで3―4%程度だった住居関連が6.0%と上昇幅を拡大。光熱費や燃料価格の高騰が響いたほか、住宅市場の過熱から内装費用なども上がった。(11日 21:13)


8月の時と比べてみると、8月のCPIは6.5%で食品の上昇率は18.2%、食品以外の上昇率は0.9%だった。11月は、CPIは6.9%で食品の上昇率は18.2%。食品以外の上昇率は表示されていないので計算してみる。18.2 * 0.35 + x * 0.65 = 6.9が成り立つから、これを解いて、x = 0.8になる。

おかしい。食品以外の上昇率が減少しているのに、CPIは上昇している。「品目別では構成品目の約35%を占める食品類」と書いてあるのでウエイトが0.35としたがこれがおかしいのかもしれない。構成品目は約35%だが、ウエイトとしては8月に計算した時のように、0.324でいいのだろう。これで計算する。18.2 * 0.324 + x * 0.676 = 6.9が成り立つから、これを解いて、x = 1.48になる。食品以外の上昇率は1.48%で、まあらしい数字が出た。

しかし、この数字は本当に意味のある数字なのだろうか。8月の時私は下記のように書いていた。

第一、原油もずい分上がったと思うのに、0.9%しか上昇しないなんて事があるだろうか。と思って、原油価格の変遷のサイトを見ると、2006年7月はバーレル当たり67.97ドル、2007年7月はバーレル当たり69.29ドルでほとんど変わっていない。日本の入った原油の価格だが、中国もあまり変わりはないだろう。去年、原油が上がったというのは私の錯覚だった。


しかし、そもそも中国でのガソリン恐慌で、調べたヤバッ!ガソリンねーぞを見ると、「中国内地の製油は政策による制限を受け石油価格の調整はずっとなされず」とあるように、ガソリン、灯油は価格統制されていて原油の輸入価格を反映していない。つまり、原油の輸入価格を見て意見を言っている私は間抜けなのである。

しかも、油不足深刻だが、チップを払えばたくさん給油 - 最近の中国のニュースから - 楽天ブログ(Blog)を見ると、

 「規定では一回に200元分の軽油しか供給しないけど、給油所の店員に10元、20元のチップをやると、満タンにしてくれるよ」、陳さんは最近給油所で油を入れるのに並んだが、こんな経験をした。


とあるように、軽油の価格は実はまったく意味がなくなっている。上の例では明らかに、軽油の価格は200元ではなく、もっと高い。でも幾らかなんて出しようがない。これを見ると、食品以外の物価上昇率が1.48%なんて信じられない。このCPI消費者物価指数をどこまで信用していいかまるで自信がなくなってきた。

結局、言えそうなことは、中国政府も物価上昇が深刻なのは認めざるを得なくなったということぐらいか。疑問を持つと、「前年同月比6.9%の上昇となった。」というのも怪しいかぎりである。「1996年12月(7.0%)以来、11年ぶりの高い伸び率。」とあるから、7.0%を超えないように数字操作しているのではないだろうか。

このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る

コメント

8 消費者物価指数

消費者物価指数に限らず、中国の統計が本当に信頼できるのかは以前から問題になっていました。ニュースを見ていても、矛盾するものがあり、どれが本当かは分りません。

ただ、消費者物価指数については、日本の統計もおかしいんじゃないでしょうか。だいたい、パソコンやテレビの性能が上がれば、値段が下がったように計算するなど、インチキだと思う。

最近のガソリン代から、食料品まで、生活に欠かせないものの値段は上がっているのに、デフレ傾向なんてバカにしていると思う。

9 Re:消費者物価指数

> 消費者物価指数に限らず、中国の統計が本当に信頼できるのかは以前から問題になっていました。ニュースを見ていても、矛盾するものがあり、どれが本当かは分りません。

確かに、中国は統計と限らず、いろんな物が信用できない感じです。
最近の食品やら、華南虎の写真やら。

> ただ、消費者物価指数については、日本の統計もおかしいんじゃないでしょうか。だいたい、パソコンやテレビの性能が上がれば、値段が下がったように計算するなど、インチキだと思う。

これは、仕方がないように感じます。
性能が上がった製品が出れば型落ちの値段は暴落しますから、型落ちの製品で見れば値段は下がっているはずです。
でも、型落ちの製品で統計すると、すぐになくなってしまうので、新製品に切り替えざるを得ない。
前の製品とのつながりを計算するために、性能向上分を反映させるために、ある程度の誤差は仕方ないので割り切るよりないでしょう。

> 最近のガソリン代から、食料品まで、生活に欠かせないものの値段は上がっているのに、デフレ傾向なんてバカにしていると思う。

物価統計は、生活に欠かせないものの値段だけでなく、全ての物の値段を含めなくてはいけないから、生活実感とは微妙に異なりますよね。
しかし、生活実感でも、そんなに下がっていない気はします。
定価は上がっているけれど、スーパーの店頭価格ははっきりとは上がっていないような感じです。

watam7さんは、"最近の中国のニュースから"のブログの人ですよね。
中国のニュースは興味対象なので、これからもチェックすると思いますから、今後もよろしくお願いします。

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURLはこちら

9 油不足深刻だが、チップを払えばたくさん給油

 世界的に石油価格が高騰しましたから、どこの国でもガソリン、ディーゼル油など値上りしています。中国ももちろん例外ではありません。 中国では小売価格を統制しているので、小売価格と輸入価格が逆転し、供給不足が表面化しています。だから当然、裏では闇の高値での...