異をとなえん |

日本はギリシャのような財政危機に陥るか?

2012.09.06 Thu

21:25:58

日本もギリシャのような財政危機に陥る、という話はたびたび出てくる。
私は起きないと主張しているがギリシャと比較して説明したことはなかった。
今回はギリシャでなぜ財政危機が起こり、そして日本では起こらないだろうかを説明する。

財政破綻を本当の破綻と実質的な破綻とに分けて考えてみる。
本当の破綻は償還に失敗することだ。
外国の通貨建てによる国債の場合、自国では通貨を発行することで償還することはできない。
だから資金繰りがつかなくなれば本当に破綻する。
ギリシャはユーロ建てで国債を発行していて、ユーロはECBによって管理され自分たちの都合で刷れないので、本当に破綻する危険性が存在し、今危機的状態にある。
日本は円建てで国債を発行しているので、償還できなくなる可能性はほとんどない。
もちろん赤字国債発行法案が政争で成立せず、国債を償還できなくなる可能性はあるけれど、その可能性は限りなく低いだろう。
本当に国債が償還できなくなる危険性に対しては、政治家も結束して止めるはずだ。

だから日本の破綻の場合考慮すべきなのは実質的な破綻だ。
ハイパーインフレが起こったら、実質的な破綻であることは間違いない。
しかし日本でハイパーインフレなど起こるだろうか。
ハイパーインフレというのは、需要に対して供給が圧倒的に少なくなった場合に起こる。
需要が供給に対して圧倒的に大きくなる場合に、起こることはありえないだろう。
人々の消費が過去から急に増加するなんてことはないからだ。
戦争などで軍事費を急増させればありうるけど、普通はその分消費を減らすのでやはり起こりえない。
だから、本当に起こるのは需要に対して供給が圧倒的に少なくなる、戦争で設備をほとんど失うような場合だ。
それ以外には起こらないといっても過言ではない。

いや、そうではないか。
外国から借金をして輸入で供給と需要の差を埋めていたけれど、急に外国から借金ができなくなれば、輸入できなくなる。
その場合供給より需要が圧倒的に大きくなる状態が生まれるかもしれない。
ギリシャの場合は国債の自国通貨建てかよりも、こちらの方が重要だ。

ギリシャの危機がなぜ起こっているかというと、まずギリシャは生産しているより消費している量が大きいという問題がある。
消費量の方が大きいのになぜ生活できたかというと、その分借金してきたからだ。
その借金が山のようにたまってしまって、金貸しがみんなギリシャのことを信用しなくなってしまった。
永久に繰り替えを続けて返すつもりがないと。
その結果、借金の利子の返済も、生産より多い消費のための金額も、手に入れることができなくなってしまった。
昔だと借金の利子の返済を渋ると、軍隊がやってくるケースが多かったけど、最近はそんなこともなくて単に国際金融から追い出されるくらいだ。
実際アルゼンチンは借金をちゃらにしてしまったけれど、別に他国から攻撃されるようなことはない。
起こったのは、外国から追加で借金ができなくなることだけだ。
借金ができなくとも、生産と消費が均衡すれば、それなりに生活できる。
アルゼンチンはそれで十分成長している。

ギリシャがそれでうまくいかないのは、貿易赤字が非常に大きくて外国から借金ができなければ物資の輸入ができなくなるからだ。
ギリシャの場合は生存の危機さえ考えられる。
だから本当に必要な物資の輸入代金は借金しなければならない。
その借金は返してもらえる保証がないので、確実に返済されるよういろいろな工夫がいる。
とにかく無駄な金を使わないように、できるだけ支出を減らす約束とその監視体制が必要になる。
つまりギリシャは今の借金が自国通貨建てであったとしても、本質は変わらないということだ。

日本で財政危機が起こらない理由として、国債が日本国内でほとんど保有されていることがあげられる。
ギリシャは75%くらいが外国に保有されているのに、日本では95%くらいが日本国内で保有されている。
これの何が重要かというと、日本国内で資本の余剰があるから、国内で国債を保有できていることだ。
日本国債が破綻したとしても、需要と供給が均衡しているならば同じ生活を確保できる理屈だ。
だから最悪の場合でも、そんなに怖がる理由はない。

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