異をとなえん |

アメリカの将来が心配でならない

2012.09.04 Tue

21:21:39

オバマが大統領になったとき前途はよくわからないが、党派対立をやめて国として団結しようという、オバマ政権の方向性は正しいと思っていた。
アメリカが人種的な問題や格差の広がりなどで、一つの国としてのまとまりを失いつつあるように見えたからだ。
しかし、大統領になってからオバマはむしろ対立を深める政策を取るようになっていった。
オバマケアはオバマ政権最大の成果だろうけれど、二つに分かれた党派は激しく対立している。
国民の間でそれなりの支持を得ているのならばいいのだけど、世論調査ではオバマケアに対してむしろ批判している。
50%以上がオバマケアに対して反対なのだ。
国としてのまとまりを手に入れるために国民全体の医療保険を作るというのは正しいと思うのだが、国民の支持がほとんど得られないならばかえって悪い状況だ。

対立が深ければとにかく傷をいやすために何もせずじっとしていることが必要だ。
病気に必要なのは体の安静だからだ。
アメリカの政治もとにかく何もしないで寝ていた方がいいと個人的には思う。

オバマはそれに対して全然別の方向に動きつつある。
党派対立をあおり自分の勢力を固めることによって選挙に勝とうという方向だ。
選挙に勝つためには、中立であいまいな方向は嫌われる。
何もしない指導者は受けが悪い。
そして共和党もオバマにあおられるかのように、茶会運動に端を発する小さい政府指向の活動に走っていった。
「オバマさんの成功体験に支配される共和党」の記事でそんなことを思い出している。

「小さな政府」をスローガンにした活動が強く出ているというのは、原初的なアメリカの根本理念が脅かされていることを示している。
「小さな政府」はアメリカの建国当初の理念であり、当然のこととしてきたはずだ。
それを脅かされているとアメリカの中枢的な市民が考え始めているというのは、対立が根源的になりつつあるからだ。
ルーズベルトのときも社会主義的だと政府を批判する人たちは多かった。
けれどもアメリカ国民全ての生活が苦しくなっていることと、アメリカ自体の一体性があったことで対立を止めることができた。
現在のアメリカにはその一体性がない。
赤字財政を白人富裕層から金を取って、黒人やヒスパニックに分配する政策と考えている人たちが多くなっていると思う。
「財政の崖」の危険性も、最後には妥協するだろうとみんな信じているが、本当に妥協できるだろうか。
ひょうたんから駒ではないが、妥協できず本当に予算が削減されることもありそうな状態だ。

アメリカの政治はより混迷を深める状況に陥りそうな気がしてならない。
アメリカの分裂は世界を指導する国がいなくなることであり、世界秩序自体が崩壊する危険を招きかねない。
未来の不確定要素がまた増えることであり、日本の安全保障で頼れる国がいなくなることだ。
日本が独自に安全保障政策を考える必要がでてくるとは頭の痛いことだ。

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