異をとなえん |

肉はくわえているだけでは意味がない - 尖閣諸島問題について

2012.08.20 Mon

21:15:47

twitterで、「肉をくわえている犬はほえない、ほえると肉を落として取られてしまうから」、というような話を読んだ。
実際の文章は元のささやきが見つけられないので記憶で書いている。
日本が尖閣諸島を実効支配しているのに、領土問題を強く発言するのは、肉をくわえている犬がほえるような行為というわけだ。
確かにほえて肉を落としてしまうのはバカだろう。
けれども、犬が肉をくわえたままでいるのはどうだろうか。
他の犬からすると、食べる気がないなら、自分にもチャンスがあるかと思ってさらにほえることにならないだろうか。
つまり、尖閣諸島を日本が実効支配しているというならば、その肉を食べなくてはいけない。
いつまでも何もせずに、ほえてはいけないといい続けるのは無理がある。

もっとも尖閣諸島で肉を食べるという行為が何を意味するかは難しい。
利益を挙げ続けられなくなったから、日本は尖閣諸島から人を引き上げたわけだ。
漁港を作ったところで漁をする人たち自体がもういない。

しかし資源探査はできる。
採算に乗るかどうかはわからないが、実行すること自体に意味がある。
資源の価値がわかることによって、初めてどれだけの価値をかけて争っているかがわかるわけだ。

日本は中国との対立をさけて、ずっと尖閣諸島に対して資源探査等をしなかった。
これは別にそれほど悪いわけではない。
昔日本と中国では国力に差があって、先のばしにしても不利になるということはなかった。
将棋で強い棋士が千日手を避けないようなものだ。
手数が伸びれば伸びるほど、弱い棋士の方が間違いやすくなる。
強い棋士はより勝ちやすい。
でも、中国がGDP世界2位になったこともあるように、明らかに状況は変わった。
時間が過ぎることが、必ずしも日本にとって有利であるとは思えなくなった。
単純に軍事的側面を考えるならば、ここ十年くらいは中国の軍事力が伸びていくことに間違いはない。
つまり中国の強硬手段を恐れる必要が出てきたわけだ。

余裕がなくなったというのは、負けフラグでもある。
映画とかでよく見るのは、技量が急上昇している後輩がこわくなって、先輩がいじめるけど逆に負かされるパターンだ。
しかし、何もしないで抜かされていくというのはさらに問題でもある。
その先輩は幾らなんでも覇気がなさすぎる。
尖閣諸島問題にしても、なんらかの措置をとった方がいい。

「外交は冷静に」といった報道が目につく。
その意見はわからないでもないが、冷静に実行できた外交など古今にあっただろうか。
外交問題は国民感情が沸騰し政府が制御できなくなるケースが多い。
目の前の局面にとらわれて紛争化しないことに精力を注いでしまえば、世論の反発を買って政権を失うのもよくあることだ。

今回の尖閣諸島に関しては、どう見ても日本と中国の間で紛争化している。
日本が竹島に対して韓国がどう言おうとも、領土問題があると主張しているように、中国は尖閣諸島の主権を主張し続けるだろう。
私は尖閣諸島に関しては日本の主張が正しいと思っている。
過去がどうであれ、日本が占領し続けていたのに、戦後直ちに中国が所有権を主張しないのは、忘れていた以外にありえない。
それはつまり実効支配していなかったということだ。
けれども中国が所有権の主張を続けるならば、泥仕合でしかない。
領土紛争は力で決着をつけるか、第三者の仲裁で解決を図るしかない。

中国が今軍事的に動けない状態で、日本が既成事実を積み重ねようとすれば、対立は深刻化する。
中国は経済的なゆさぶりをかけてくる可能性は高いが、日本が強硬な立場を取れば覆すことはできない。
このとき中国はどうするか。
軍事的に勝ち目が少ないとすれば、今の日本が韓国に対してするように、国際司法裁への提訴が一番ありうるのではないか。
それを日本が認めてしまえば、尖閣諸島問題への平和的解決の道が開かれる。

裁判に勝つか負けるかはどうでもいい。
平和的に領土問題が解決するのが最優先だ。

心配なこととして、日本が勝ったとしても中国があきらめるかという問題はある。
中国があきらめなければ日本が軍事的に守らなくてはならないのは同じことだ。
しかし、国際的な判決が下れば、それに挑戦するのは世界秩序を破壊する行為と同じことだ。
中国が世界秩序を絶対に守るかは怪しいとは思うけれど、それでも尖閣諸島に対する軍事的行動は世界秩序を根本的に覆すことができてからだろう。
できたとしても、それはずっと先で無視することができる問題だ。

日本では中国を嫌いな人が80%を越えたとかいう世論調査を見た。
この現状の下で冷静に外交と言っても、できるわけがない。
ある程度のガス抜きが必要だ。
その状況として今はそんなに悪くない。

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