異をとなえん |

続:2012年4-6月期GDP速報に期待する

2012.08.13 Mon

21:16:10

GDP速報の結果は期待はずれだった。
民間消費の実質成長率は0.1%、名目成長率は-0.3%と予想を大幅に下回った。
エコノミストによる民間消費の実質成長率はだいたい0.3%ぐらいなので、日本経済の成長がまたへこみつつある感を強く持たせる。

もっとも季節調整によるずれやうるう年効果が下方にずれを生じさせているのかもしれない。
季節調整によるずれというのは、金融危機や東日本大震災などの個別な現象が季節調整のずれを大きくしているという意味だ。
金融危機では2009年の1-3月が底となり、東日本大震災では2011年の1-3月が震災によって大きく経済規模を減少させた。
その結果次の四半期である4-6月は普通の季節以上に成長率がかさ上げされた。
だからそれらの期を含んで季節調整計算をすると、普通の季節調整による成長では伸びが低いように見られる。
うるう年効果というのは、2012年1-3月がうるう年だったのでその分成長率がかさ上げされていた。
だから相対的に4-6月期の成長率は低くなる。
逆に言うと1-3月期の成長率は通常より高く表示されたことになる。

それらを合わせると、結局のところ今回の成長率は日本経済の潜在成長率とされる年2%前後と変わっていない。
日本経済はもう少し高めの成長率を出せると考えている私にはショックな数字だ。
もっとも金融危機後の潜在成長率は年0.5%という予測から見れば、まともな数字なのだが。

民間最終消費支出の低迷の原因は何かともう少し調べてみた。
形態別国内家計最終消費支出の方を見て、いろいろと数値を見てみる。
名目の原系列から、加工した実質や季節調整済みのデータまで、いろいろと見比べているのだがよくわからない。
名目の原系列を加工するのは、見ただけではわからないことをはっきりさせるために行う。
それなのにかえってわからなくなるのは、元々のトレンドがはっきりしていないからだ。
1%ぐらいのデフレ状態や季節調整がぐちゃぐちゃになっている状態では、本当の成長率が読み取れない。

ただ民間消費の詳細を見ると、耐久財の実質の消費金額がここにきてかなりはっきりと伸びている。
金融危機を抜けてからは実質の前年同期比でだいたい10%以上だ。
金融危機後はリカバリーも含めて20%以上が5期続いたし、東日本大震災後は10%以上が続いている。
その前が実質でもたいした伸びを示していないのに比べると、ずっと良くなっている。
しかし、名目の前年同期比で見ると伸びはそれほど大きくはない。
2007年4-6月期の原系列による名目の耐久財の支出は5兆8841億円、2012年4-6月期の支出は5兆5597億円だ。
全体で見るとわずかながらマイナス傾向になっているが、実質は各々6兆6071億円と10兆3597億円なので大違いだ。
つまり、個々の商品の価格が下がっているので、いままでと同じ金額を消費していても効用は大幅に伸びている理屈だ。

バブル崩壊後、総需要が縮小している中では、消費金額は上昇せず機能品質を上昇させることで経済は成長するしかなかった。
それがここに来て、価格が下落するとその分消費量が増えているようにも見える。
季節調整済みの名目系列で民間最終消費支出の耐久消費財が1.9%、0.9%とプラスを保っている。
ただこの値がそのままプラスを続けるかはよくわからない。
それがはっきりしない成長率に現れている。

機能の向上による実質金額の上昇は耐久財に一番現れる。
半耐久財、非耐久財、サービスは機能が向上してもよくわかりにくい。
だから価格が低下すると、実質の消費も低下しているように見える。
本当はある程度の品質の向上があると思うのだが、効用の上昇は見えない。
それに対して、耐久財は性能の上昇を計算に入れることができる。
だから実質の消費は増えているわけだ。

耐久財が名目でも成長するようになれば、デフレ自体が終わり賃金が上昇することでサービスの消費金額が上昇していく。
その兆しが少し見えたような気がするGDP速報結果だった。

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