異をとなえん |

2012年4-6月期GDP速報に期待する

2012.08.11 Sat

21:20:45

2012年4-6月期GDP速報が来週月曜日(8/13)の朝に公表される。
私は非常に期待している。
デフレ脱却が確定的になり、安定した巡航速度での成長が可能になるかもしれない。
注目している点は民間消費の成長率だ。

日本経済はバブル崩壊以降、名目の民間消費が全然成長していない。
実質の民間消費は伸びているのだが名目はむしろ減っている。
2002年ごろからリーマンショックの前までは名目の民間消費も増えていたのだが、それも急落して2000年ごろの値に名目は戻っている。
名目がほとんど変わらないのに実質が増えているというのは、デフレによって消費金額は同じでも手に入れる効用が増えていることになる。
耐久消費財の金額が安くなり、その分をサービスに費やしているのが日本の経済だ。
価格が安くなる商品を買うのは、ゆとりがない消費者が多くて、品質の向上などに目が向かないからだ。
そのような状況がようやく変わってきたのではないかというのが、前回のGDP速報だった。

政府統計による2012年1-3月期のGDP速報で注目するのは、まず名目季節調整系列(前期比)の表だ。
その中の民間最終消費支出が最後の2012年1-3月は1.3%伸びている。
1.3%というのは、その表にある1999年1-3月期から2012年1-3月期までの中で最大の数値だ。
他は1%以下がほとんどで、マイナスも多い。
名目で全然成長していない以上、上がれば下がるのは当然だ。
1%以上というのは、2012年1-3月期を除けば2001年1-3月期の1%と2009年4-6月期の1.1%だけだ。
2009年4-6月期は、金融危機による景気後退が1-3月に一段落し、その反動で成長率が上向いただけだし、2001年1-3月期も、その前後はマイナス成長が続く中で一時的に成長が上ぶれしただけに過ぎない。
2012年1-3月期の1.3%という成長は、その前の段階0.3%、0.9%、0.4%という成長が続いた後、伸びているだけに、本格的な消費の回復の兆しに見える。
もっともエコカー補助金による助成が消費を促進しただけで、需要を先取りしたに過ぎないという見方も多い。
だからこそ、今回の民間消費の伸び率に期待している。
この値がこの1年の平均である、0.7%ぐらいで安定して伸びるならば、デフレから脱却した成長に入ったといえるだろう。

名目で見ず実質で見ろという意見があるかもしれない。
私も最初は実質で見ていたのだが、実質は伸びていても名目で伸びていないならば、消費者の心理は変わっていない。
名目の伸びで判断した方が本当の意味での成長をとらえられると思う。

世界経済全体はユーロ危機に端を発して低迷しつつある。
日本もそれに巻き込まれつつあるようだ。
工業生産指数が4-6月期に減少に転じているのは、それが理由だろう。
だから4-6月期のGDPの伸び自体はそれほど高くないかもしれない。
しかし日本の内需自体が自立的に成長するならば、世界経済が低迷しても怖くない。
日本経済が成長することで輸入が促進されるならば、貿易赤字の拡大や海外投資の拡大で円安に振れ輸出が上昇してゆく。
輸出入は結局プラマイゼロで日本の成長と関係なくなるだろう。

金融危機前の日本の経済成長はその多くを海外の成長に頼っていた。
民間消費の伸び自体が、海外からの投資による株価や地価の上昇によって生じたと思う。
輸出の伸びは海外の需要の伸びに引っ張られたからだし、設備投資は輸出の伸びに支えられていた。
だから金融危機後、日本の経済は急落した。
結局、日本が成長軌道に戻るには自立的な成長が不可欠ということだろう。
4-6月期の成長率、そしてエコカー補助金の影響がなくなる残りの今年度の民間消費の伸びが注目だ。
エコカー補助金の影響がなくなっても、民間消費が名目プラスの成長を保つならば経済は完全に巡航軌道に乗ったと思う。

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484 続:2012年4-6月期GDP速報に期待する

GDP速報の結果は期待はずれだった。 民間消費の実質成長率は0.1%、名目成長率は-0.3%と予想を大幅に下回った。 エコノミストによる民間消費の実質成長率はだいたい0.3%ぐらいなので、日本経済の成長がまたへこみつつある感を強く持たせる。 もっとも季節調整によるずれやうるう年効果が下方にずれを生じさせているのかもしれない。 季節調整によるずれというのは、金融危機や東日本大