異をとなえん |

国民を信頼しない政治家の末路

2012.08.06 Mon

21:06:47

政局が緊迫してきた。
7日火曜日に自民党が不信任決議案と問責決議案を提出する。

まず不信任決議案が通るかどうかが、一つの焦点となる。
まだ民主党は衆議院の過半数を持っているが、消費税増税法案に反対した議員に対する処分があまあまなこともあって、党内の統制はばらばらだ。
民主党議員は執行部の指示に公然と叛旗をひるがえしつつある。
原子力規制委員会の人事に文句をつけていることなどが、その一例だ。
野田総理を一丸となって支持するのはすでに難しい。
それでも、選挙怖さに不信任案に賛成する議員は少ないだろう。
しかし、前回消費税増税法案に反対した議員は違う。
彼らにとって、この不信任案は消費税増税法案を廃案にする最後のチャンスかもしれない。

不信任案が否決されたとしても、問責決議案は通るだろうから、消費税増税法案は自動的に廃案になるという考えは甘すぎる。
野田総理と谷垣自民党総裁が土壇場で手を握る可能性は高い。
両者とも微妙なラインで駆け引きをしているのだろうけれど、最終的に消費税増税法案は可決し、解散総選挙という流れになった場合、民主党内の消費税反対派議員は立場がない。
誰からも裏切り者と非難される。
だから、前の記事で述べたように消費税増税法案が可決されていない状況での不信任案には賛成しても、全然おかしくない。
少なくとも選挙のとき消費税増税法案に反対したというのは、一つの題目になる。

さてそうすると野田総理はどう出るだろうか。
いや野田総理の現在の目標はなんなのだろうか。
野田総理の目標は消費税増税法案の成立だ、といままで考えていた。
けれども段々とぐだぐだになりつつある。
参議院での採決を自民党側が早めようとしているのに、民主党側が遅くしようとするのは理解に苦しむ。
与党側が採決を急ぎ、野党が採決を遅らそうとするのが普通だ。
それが逆になるのは、民主党が本当は成立を願っていないかに見える。
もちろん、輿石執行部と野田総理の意見の食い違いが原因なのだろうけど、野田総理の熱意が薄くなっているようにも見える。
消費税増税法案の成立と総理の延命は両立しない。
だったら、野田総理は消費税増税法案の成立に全てをかけるべきではないだろうか。
少なくともそうしたほうが初志貫徹している。

野田総理と谷垣総裁が密約を結んでいて、消費税増税法案が成立したら、実は解散するという話がある。
しかし、もう密約である必要は全然ない。
消費税増税法案は参議院で通せばそれで成立する。
自民公明とあと民主党議員から何人かが賛成に回ればいい。
解散を明示することによって、民主党内から造反が多く出るだろうにしても、法案を通すほどの議員は集まるだろう。
だから谷垣総裁との会談で解散をはっきり言って賛成を取り付ければいい。
この後におよんで、その決断ができない理由がよくわからない。
野田総理はいったい何を考えているのかと思う。

野田総理は消費税増税法案の成立に全力を注げば、もしかしたら国民からの支持率が上がると考えていたのかもしれない。
国民のことを思って活動しているのだから、本当に心ある人たちは自分を支持してくれるはずだと。
消費税増税法案が本当に国民にとって役に立つものだとし、それを支持する人たちがいたとしても、野田総理の方法は間違っている。
もし本当に消費税増税法案の成立に政治生命をかけるならば、それを旗印にして選挙する覚悟がなければならない。
参議院で否決されたならば、衆議院を解散して消費税増税に賛成するかどうか国民に聞く必要がある。
郵政選挙における小泉総理のようにだ。
今回も三党合意に反して、自民党が消費税増税法案に反対するならば、それを理由に衆議院を解散できる。
なぜそうしないのか。
その覚悟もなく消費税増税を目指したのならば、民主党から多くの議員が造反するのが確実になった時点で成立を断念すべきだった。
それができず、単に流れで活動しているのならば、なさけない。

民主主義の国の政治家は、自分の実行したい政策を国民が支持し、そのことで票が増えると信じて活動しなければならない。
自分の目指す政策は本当に国にとって必要な政策なのだけれど、国民はたぶん理解できないと考える政治家は、民主主義の国では活動するのに向いていない。
本当に国民が政策を理解できるかは別として、少なくとも決定権は国民が持っていると信じ込ませなければならない。
それができないのは政治家失格だ。
野田総理はマスコミからのぶら下がりを最初から拒否した。
ぶら下がりは総理として国民に訴えかける最大のチャンスだ。
それを失敗したら自分にとって不利であると考えるのは、民主主義国の政治家として何かが間違っている。
野田総理の現状は国民を信頼できない、民主主義の国の政治家の末路だと思う。

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483 続:国民を信頼しない政治家の末

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511 野田総理は嘘つきだ

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