異をとなえん |

会社の公用語を英語にするなんて成功するの?

2012.07.10 Tue

20:31:33

楽天が会社の公用語を英語にした。
賛否両論がネット上で氾濫している。
私は否定派で、どう考えても楽天のやり方は無理だと思っている。
その考えを記事にしてみた。

まず前提として、グローバリゼーションはますます影響力を増していくこととする。
日本企業も売上や利益を伸ばすためには、海外への進出が必須になっている。
英語ができる社員でないと出世は望めず、みんながみんな英語を勉強したがって仕方がない状況だ。
この前提は怪しいと思うのだが、この状況でもうまくいかない、いやむしろこの状況だから余計うまくいかないことを主張したい。

英語をできる社員がいかに必要になったとしても、日本人全員が英語をできるわけがない。
楽天は全ての従業員の尻をたたいてマスターさせるみたいだが、日本の全ての企業では無理だろう。
だからどうしても落ちこぼれは出てくる。
今日本人で英語を実用的に使える人は5%も怪しいと思うのだが、20%ぐらいまで伸びるとしよう。
80%が実用的には使えない日本人だ。

そうすると英語を実用的に使える人たちは明らかにエリートである。
日本国内で日本語しか使えないで働く人たちは一段下の従業員になるということだ。
感覚的に言うと英語使いは博士であり、日本語しか使えない人たちは高卒の小売店の販売要員だ。
問題なのは、楽天の全ての社員が英語を使えるようになるということは、博士が小売店の販売しているのと同じということだ。
博士並の技能を持っている人たちを小売の販売要員並の給料で雇えば、全員やめてしまう。
逆に小売の販売要員の仕事をしている人たちに、博士並の給料を払えばその企業は競争力を持てなくなるだろう。

楽天は英語力をアップのために多額の投資をしているけれど、その技能が本当に役立つのだとしたら、どう見ても引き抜きがある。
外資系企業は英語ができる人材に対して、より多くの給料を出している。
日本の会社だとあからさまな他社からの引き抜きはやらなくても、外資系の会社はそんなことは気にしない。
三木谷さんは従業員が会社に忠誠を持つことを期待しているのかも知れないが、そんなのは無理だ。

楽天が英語公用語でうまくいくには、googleみたいに知能が高い従業員ばっかりにして、販売要員を持たないような会社をしなくてはならない。
それならば成功する可能性はある。
でも楽天はネット企業だが、中小企業の面倒を見てきたから成功したというイメージがある。
楽天市場に出店している企業のメインテナンスが、主たる仕事だと思うのが違うのだろうか。
消費者と出店企業の間に発生した、小さなトラブルを速やかに解決していく。
情報のやり取りは当然日本語でなければならない。
しかし英語ができない社員でもやれるのだから、楽天の社内的には当然レベルの低い仕事になる。
ここに英語をマスターしている従業員をあてるのはどう見ても過剰な能力を持たせることだ。

以上が英語の楽天の英語社内公用語化がうまくいかない理由だ。

最初に戻ると、英語能力はエリート社員には必須な能力だと仮定した。
しかし英語能力がそれほど重要でない場合はどうだろう。
英語をできようができまいが、給料は変わらない状況だ。
本当にこんなことがあるかとも思うのだが、「同じ職業でも国によって希少価値が違う」を見ると日本の同時通訳は中国に比べるとそれほど時給が高くないみたいだ。
それでも時給1800円で普通の時給の仕事と比べると高い。
中国が極端に同時通訳の仕事の給料が高いのであって、日本でも英語能力は評価されていると見るのが妥当だろう。

あるいは今後日本経済が不振で、外資系企業が日本に全然進出してこない状況になり、英語能力が引き抜き対象にならない状況はどうだろう。
その場合、日本企業の海外進出は止まらないだろう。
英語と日本語ができる社員は重宝される。
やはり引き抜かれる可能性は高くなる。

英語公用語化へのチャレンジは会社の成長の失敗になるかはわからない。
英語公用語化はうまくいかなくとも、途中で方針を変更して、必要でない部分は日本語のままにすればいいのかもしれない。
エリート社員は英語公用語、ローカル採用は日本語のままというわけだ。
私にはこの方向に変化するしかないと思う。

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