異をとなえん |

続:消費税増税の経済的影響について

2012.06.28 Thu

20:55:19

前回、消費税増税もタイミングとしてそれほど悪くないかもしれない、という話をした。
もちろん予測なので今後の状況しだいではインフレどころかデフレに逆戻りしている可能性もある。
ユーロ危機に端を発する世界恐慌の可能性はなくなってはいない。
本当に世界恐慌が発生するならば消費税増税は凍結するだろう。
経済条項が入っているので、特別に法案を成立する必要はない。
総理大臣の意思だけで決定できる。
だから、消費税を上げるとき、物価の上昇率は0近辺だろう。
大きなマイナスならば、今述べたように政府が拒否する。
もっとも大きなプラスもない。
国債の金利が極端に低いのは、すぐに物価が上昇しないことを織り込んでいるからだ。
実際まだ急激に需要、つまり国民の消費が増えていく状況にはない。
消費自体は増えているけれど、未来に確信を持てていないからだ。

ケインズ政策というのは、需給ギャップを政府が財政支出で埋めることによって、経済の規模を一定に保つ政策だ。
通常は国債の発行によって支出をまかなうけれど、税金でもいい。
その場合税金による消費の減退でさらに支出を増やす必要があるかも知れないが。
景気が振れることを考慮に入れるならば、景気が良くなっても支出しなくてはいけない予算は税金で、景気が良くなったら支出を止める予算は国債でまかなうのが正しい。
日本の財政支出の公共投資は大幅に減ってきている。
減らし過ぎだという声もある。
防災を重視しなくてはいけない国土の条件を考えれば、ある規模の予算は景気に関係なく支出する必要がある。
そして、最近の歳出の増大の主たる要因は社会保障費の拡大だ。
デフレなのに、その分を引いていない年金などはどうかと思うが、景気の動向と関係なく削減できていない歳出が増加しているのも事実だ。
だとしたら、その分については少なくとも収支の均衡を計っておいた方がいい。

コメントに、物価上昇率には1%近い上方バイアスがあるので、0近辺だったら実際はデフレではないかという意見があった。
これについては上で述べたように、景気と関係なく支出する部分については税金でまかなうのが正しいと思うし、0近辺ならば増税によって景気が大幅に悪化することはないと思う。

もちろん、消費税増税について民主党のやり方には納得がいかない。
リーマンショック以後財政支出は90兆円以上に膨張した。
リーマンショックでGNP10%以上の需要が消失したのだから、カンフル剤的な支出は良しとしよう。
しかし、それから3年以上もたっているのに、財政規模は90兆円を越している。
東日本大震災の復興費用はあるけれども、それは補正予算で支出したのだから、まだ本予算が90兆円以上である理屈にはならない。
実際エコカー補助金など、まだやっている意味があるとは思えない。
今の需要がエコカー補助金による先取り需要なのか、本格的な景気回復による需要なのか区別できない点でも有害だ。
とは言っても、一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移を見るかぎり、今年はかなり落としてはいるんだな。
この膨張した財政支出に対して、何の切込みも入れずに税金でまかなおうとするのは、ムダな支出を固定化するものだ。

もう一つの問題は道義的問題だ。
民主党は消費税の増税をしないと訴えてきた。
少なくとも野田総理はそういってきた。
それを平気でひるがえすというのは人間としてどうかと思う。
経済政策として正しいとかどうかという問題ではないだろう。
本当に消費税増税が必要としても、野田総理は代表に立候補せずに他の人を推すことで政策を実現するチャンスがあったはずだ。
民主党にはそんな人がいないというならば、選挙で政策の変更を行えばいい。

民主党のやり方には納得いかないが、増税のタイミングとしてはそれほど悪くない、というのが私の意見だ。

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