異をとなえん |

第二回電王戦1局目、人類がコンピューターに勝利する

2013.03.23 Sat

21:51:27

第二回電王戦1局目が終了し、阿部光瑠4段が見事に勝利して終わった。
コンピュータ将棋ソフト派としては正直残念なので、愚痴をこぼして終わろう。

(2013年3月26日追記:大幅な事実誤認があったので削除した。内容の変更は追加の記事で確認して欲しい。)

最大の敗因はやはり手の内を読まれすぎたことにある。
対局後の記者会見では、61手目の8八金と寄った局面まで想定だと言っていた。
この局面はもう習甦が苦しそうに見える。
人間的には必勝の局面らしい。
そういう局面に事前準備によって誘導されてしまったことが、最大の敗因だ。


ただ6五桂からの仕掛けが本当に成立していなかったのか。
阿部4段も玉が囲いに入ってからだと、無理攻めかどうか判断できないと言っていた。
8八金と寄るまでの習甦の指し手に問題があったような気もする。
6九銀と打った局面では7七銀に打った方が良かったのではないかという問題も含めて、他のソフトに比べて弱い印象を受けた。
実際、習甦はfloodgateのレーティングでは2750くらいで、他のソフトが3000ぐらいだから、250近く差がある。
200差があると勝率は75%になるのだから、他のソフトに比べてかなり弱い。
その差がもろに響いた感じだ。

マシンスペックもgps将棋、Puellaα、ponanzaがクラスター化によって、本番ではかなり強くなることが予想されるのに、習甦はfloodgateで使用しているマシンと同じみたいであまり変わらない。
それらのソフトは相手にソフトを渡して研究されても、本番では違う局面が想定される。
マシンスペックが変わらないと同じ局面が想定されるならば、やはりソフトを渡したこと自体が無謀だ。
一番力が弱いソフトが選ぶ道ではない。

他にもなぜ習甦は定跡データベースを使用する方法で戦ったのだろうか。
使うのはいいのだが、それだったら長時間floodgateでも定跡データベースを使う方向で確認をしておくべきだろう。
長時間floodgateでの戦いが二局しかないことも含めて、事前準備が不十分に思える。
阿部光瑠4段が持ち時間4時間で20局近く指したという話を考えると、熱心さが大差であった。
5一角と打たれた後の変な手順も含めて事前調整に失敗したように思える。
本番まで強くしようといろいろ試行錯誤をしていて、かえって弱くなった感じだ。

今後の人間対コンピューターの対局の展望はどうだろうか。
角換わりの将棋で端歩を微妙なタイミングで突いて、突き越しを狙う作戦は有力に思える。
端歩を突きこすのが有利だというのがプロの共通認識らしい。
しかしソフトでは自力で指すことを前提とすると、その利がずっと先の局面にあるので判断することが難しい。
どうしても端歩の突きこしを許して、別の部分で得をしたくなる。
そうすると6五桂からどうしても攻めたくなるわけだ。
人間は6五桂からの仕掛けを無理だと判断している。
しかし、コンピューターの評価値が絶対正しいとも言えないように、人類の判断も必ず正しいわけではない。
定跡データベースに組み込んで端歩を受けるように改良するのが難しいならば、なんとか細い攻めをつなげられる道を模索するしかないだろう。

角換わりの将棋で端歩を受けずに突きこされるのはgpsfishもたくさん指していた。
クラスター化によって、gpsfishがgps将棋になると端歩は受けるようになるのかどうか、端歩を受けなくとも攻めをつなげることができるのかどうか。
人類の本気も含めて興味深い戦いが続いていく。
このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る