異をとなえん |

続:北朝鮮の核実験は終わりの始まりとなる

2013.02.13 Wed

21:49:51

北朝鮮が三回目の核実験を実行した。
北朝鮮の核実験については、「北朝鮮の核実験は終わりの始まりとなる」の記事で考察しているが、今後の状況について考えていない部分があったので補足したい。

北朝鮮の核実験はアメリカとの直接交渉が目的だと新聞記事には載っている。
朝鮮戦争の休戦協定を永続的なものにし、国内の体制を保証させようというのだ。
この理屈自体はおかしいと思っている。
なんと言っても、朝鮮戦争の休戦協定が結ばれてから60年近く経つ。
その間不穏な情勢が続いてはいるが、戦争にはならなかった。
北朝鮮の体制も安定して続いている。
実際のところ、周辺国のどの国にしても北朝鮮を崩壊させたいと考えているかは微妙だ。
政権転覆後の難民の発生や経済援助の後始末のことを考えると、今のままでいてくれた方がずっといい。
金正恩体制を転覆したい国は、拉致問題を抱えている日本ぐらいだろう。
それなのに、北朝鮮がアメリカとの直接交渉を主張するのは、その段階で援助をせびろうとしているからだ。
クリントン政権のころの核開発を中断する代償ということで、手に入れた経済援助が忘れられない。
核とミサイルの開発によって、再度援助を手に入れて、それをずっと続けていく、それが北朝鮮の外交目的だ。

しかし、世界も北朝鮮の瀬戸際外交のことをよくわかってきた。
恐喝だと断じる意見は見なくても、意図的に危機を作り出しているという見方をほとんどの国がしている。
アメリカも北朝鮮の行動を黙殺しようとしている。
北朝鮮は核とミサイルの開発に成功しても、世界が無視を続ければ、開発の代償を手に入れることができず、体制は深刻な危機に陥るというのが前回の私の予想だった。

考慮がもれていたのは、アメリカから代償を手に入れられなければ単純に困ると思っていたが、他の国に核やミサイルを輸出することで開発の成果を手に入れようとする可能性だ。
北朝鮮に対しては国連決議で大量破壊兵器に関しての輸出入が制限されている。
しかし、核やミサイルを欲しがっている国があるならば、決議を無視して輸入することも十分にありうるだろう。
イランやベネズエラはそんな国かもしれない。
アメリカから攻撃される可能性があると信じる国ならば、飛びつく可能性はある。
北朝鮮がアメリカから相手にされず、追い詰められれば核兵器の売却は当然ありえることだ。

無秩序な核兵器の拡散は世界秩序に対する深刻な問題だ。
イランが北朝鮮から核兵器を購入して、イスラエルを攻撃するのは世界にとって悪夢としかいいようがない。
アメリカは絶対にこれを阻止しようとするだろう。
どうしたら阻止できるか。
基本的には核兵器の輸送を絶てばいい。
核兵器が物理的にある程度の重さと大きさを持つ以上、輸送手段を排除すれば輸出はできなくなる。

北朝鮮からの輸送手段について、空路、海路、陸路と考えてみよう。
海路については、封鎖することで全面的に止めることも考えられるけど、臨検を行うことでも十分に代替できる。
どこへ行く国の船であろうとも、中国韓国ロシアの港に強制的に停泊させて貨物の中身をチェックすればいい。
作業量についてはわからないが、十分対応可能に思える。
空路は臨検のようなことはできない。
北朝鮮が空路で核兵器等を輸送できるような飛行機を持っているかは知らないが、基本空路輸送は全て禁止だろう。
北朝鮮は外国に空路で輸出するためには、中国台湾日本ロシアのどれかの領空もしくはそれに近い領域を飛ぶ必要がある。
物理的に強行するとしたら、日本と台湾の間の空域だろうが、日米の空軍力ならば十分に対応可能だと思う。
陸路は中国ロシア韓国の三つしかない。
核兵器の拡散に関してはどの国も反対のはずだ。
だから、そのような物資の輸送をチェックすることは十分期待できる。

問題なのは中国に北朝鮮からの航空輸送の封鎖と海上輸送の臨検を認めさせることができるかどうかだ。
中国が認めれば国連での安全保障決議もできるだろう。
中国も北朝鮮の体制を崩壊させることは望まなくても、核兵器の拡散には反対するはずだ。
イスラム原理主義の手に渡って、中国国内でテロに利用される可能性だってある。
だとしたら、海上と航空での輸送を制限することも認めるだろう。
北朝鮮の体制崩壊を懸念するとしても、北朝鮮の貿易自体は中国と陸路を介せば普通にできる。
核兵器等の輸出は、中国がチェックすれば対応できる。
北朝鮮は嫌がるだろうけれど、北朝鮮に対する生殺与奪の権利を持つことは中国にとっても、それほど不利な条件とは思えない。
国連決議で通るかどうかは微妙かもしれないが、アメリカ日本韓国ロシアの有志による封鎖は認めるのではないだろうか。
認めると思いたい。

中国が認めない場合は北朝鮮の行動を是認することになり、今回の核実験も本質的に中国と北朝鮮がぐるになって実行したと解釈しなければならない。
可能性としてはありうるけれど、これは中国が完全に世界の秩序の破壊者になろうとしていることであり、今回の考察からは除外しておく。

日本はアメリカと協力して、国連安保理で北朝鮮への航空輸送の禁止と海上臨検の決議が認められるように努力すべきだ。
認められない場合、アメリカを中心とした有志連合で強行すべきだ。
このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る