異をとなえん |

続:floodgate鑑賞のすすめ

2013.01.31 Thu

21:43:28

Blunder対gpsfishの対戦でtwitterにコメントをつけたのだが、ちょっと物足りないので少し補足。

gpsfish_xeon5470 vs. BlunderXX_i7-3960X (2013-01-31 10:00)

時間の使い方はBlunderの方がうまいのだが、負けてしまう。
81手目の4五角を打ってからが勝負どころだと思うのだけれど、Blunderが惜しみなく時間を使って読んでいるのに対して、gpsfishはぱっぱと指す。
基本的には相手が読んでいるうちに自分も読んでいるから1秒で指せるのだろうけれど、どうも信用できない。
相手が予想した通りの手を指してきたのに自分の指す手が変わる。
私はBlunderの勝ちだと予想していた。

Blunderは94手目の2一桂のところで、2二銀、3三銀打ち、3七歩打ちで勝ちと読んでいたのだが、その後の2三角成りを見逃して負けにしたようだ。
もっとも単純にそれを見逃したのではなくて、その後の詰むや詰まざるやに誤算があったと見える。
評価関数がどんなに良くなったとしても、最終的には詰むか詰まないだ。
そうすると本当にギリギリの勝負ならば、評価値は信用できず、結論はどんどん先に伸びていく。
どこかで答えを出さなければならないから、値は出るけれどあてにはならない。
当然互いの評価値は食い違うことになる。
だから今回みたいに評価値が逆になっているのは、コンピュータ将棋の進歩の証だろう。

今回gpsfishが勝ったのは指運に見えた。
時間の使い方を工夫して、実力で勝ったと思わせて欲しい。
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floodgate鑑賞のすすめ

2013.01.30 Wed

21:41:22

floodgateでは日夜コンピュータ同士が熱い戦いを繰り広げている。
時々見るのだが、残念ながら、へぼには中身が良くわからない。
去年の世界コンピュータ将棋選手権の内容が凄かったのだから、今の内容も凄いとは思う。
しかし、解説がないとそこらのアマチュアが指している将棋と変わらないように見えてしまう。
誰か強い人が解説してくれないかと願っているのだが、なかなかそううまいことはいかない。
大体反応してくれる人がいないと、書く方もつまらない。
実際math26さんがtwitterで幾つか感想を書いているのだけれど、誰も反応していないように見える。

そこで、番茶も山の賑わいと、長時間(持ち時間4時間切れたら1分の秒読み)の対戦の感想をtwitterにあげることにした。
短時間のはたくさんあって見てられないけれど、長時間の方はたいした数にはならないので、全局書いても問題ないだろう。
当たり前だが将棋自体はよくわからないので、中身には期待しないように。

floodgateには気になるところもたくさんある。
たとえば、長時間に参戦しているソフトと短時間に参戦しているソフトではどちらの方が強いのだろうか。
長時間組はレーティングの値がついていない。
どちらにも参加しているソフトがYssL980X_4cしかないみたいなので、比較のしようがないみたいだ。
しかも、YssL980X_4cは長時間戦では全敗しているので、最初にレーティングがついた時はいきなり長時間組がトップにランクしていた。
信頼性が全然ないみたいなので今はレーティングから外されている。
実際のところ、人間だったら長い対局も早指しも本質的な棋力は同じだと考えられるから一緒に扱えるけれど、コンピュータの場合は時間配分をどう設定するかで全然実力は違ってきてしまうはずだ。
短時間指しきりと長時間秒読みありでは別の将棋ということだ。
もちろん短時間指しきりのソフトが、そのままで長時間の対局を指せば、つまり持ち時間4時間なのに15分しか使わなければ、実力判定はできる。
でも、それでは短時間指しきりのソフトが可哀そうすぎる。

もう一つわからない部分として、レーティングの値がある。
レーティング一覧のレーティングと、個別のソフトごとのレーティングの値が違う。
これは単なるバグなのだろうか。

後、人間とコンピュータの将棋が増えてほしい。
長時間対戦では、コンピュータと人間の対戦が一局だけあった。
人間だと推測されるのは、人間の場合対局者のidの最後にhumanをつけることが推奨されているからだ。
実際時間の使い方を見ると、かなりめりはりがあって本当に人間が対局している感じだ。
また形勢判断を自宅のパソコンのgpsshogiで分析すると、最初はコンピュータ有利なのだが時間をかけると互角に近づいていく。
コンピュータの読みを長手数では上回っている感じで頼もしい。
自宅のパソコンの能力を上回っているだけで、最高レベルのコンピュータと戦えるかは別なのだが、けっこういい勝負をしていた。
人間の敗着は120手目の3七龍だろう。
ただ、この手については人間らしくない感じがした。
龍の効かされはひどい損でなかなか指せない。
1三に遊んでいた馬は2四に引いて守りにきかすことができるようになる。
実際そうなった。
1六の角は5二に成って強力に寄せに働いた。
だから、必勝の確信がなければ人間だと桂が銀を取って勝負するところに見える。
1分もかけずに指せるような手には見えないわけだ。
でも単なる見落としかもしれない。

人間にはミスがつきもので、コンピュータとは厳しい戦いだ。
その中でもfloodgateの15分切れ負けの将棋は人間にはつらすぎる。
コンピュータに対してほとんど勝ち目がない。
4時間は長すぎるので、中間になる対局を作って欲しいところだ。
持ち時間30分で切れたら1分秒読みみたいな対局だったら人間もより参戦しやすくなるし、勝ちやすいだろう。
応援のしがいがある。

いろいろと書いたが、floodgateにはいろいろと面白い対局が多いと思うので、みんなも見ましょう。
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人民日報のすすめ

2013.01.28 Mon

21:40:56

人民日報のすすめというと、何か政治的な話かというと、全然そんなことなくて、単なる中国語学習の話。

中国語の文章は漢字でできているのだから、日本人だったらそれなりに読めるかというとそうでもない。
簡体字が略されすぎていて、元の字がわからなくなっているからだ。
そんなのちょっと勉強すればわかると言う人がいるかもしれないが、そうまでして知りたくない人もいるだろう。
少なくとも私がそうだった。

ところが、最近気づいたのだが、人民網日本語版には、中国語と日本語が同時に載っている中日対訳の記事があるのだ。
右下に中日対訳の記事のリンクがある。
これで中日対訳の記事を読むと、簡体字の元の漢字が大体わかる。
そうすると、中国語の文章もなんとなくわかる。
後は文法さえわかれば、中国語の文章を理解するのも夢ではないかもしれない。
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朝鮮の科挙では平民出身が半分近くを占めていた?

2013.01.28 Mon

01:57:46

李氏朝鮮では両班がしだいに増加し人口の大半を占めるようになった、という説を私は主張している。
それに対して、中期以外では科挙に及第した人の半分近くが平民出身者という意見が出てきた。

科挙に受かれば平民でも出世できた朝鮮王朝時代

引用開始

 朝鮮王朝時代を研究している韓永愚(ハン・ヨンウ)梨花女子大学梨花学術院長(75)が、朝鮮王朝時代に関する通念を破ろうとしている。朝鮮王朝時代は、少数の両班(貴族階級)が代々官職を独占した特権層社会と考えられてきた。科挙の文科に及第した人物の名簿『文科榜(ぼう)目』の分析によって導き出された「姓貫(姓と発祥地〈本貫〉。両者を一組にして氏族集団を判別する)全体の5%にもならない199の姓貫が、文科及第者の約90%を輩出した」という統計結果も、誤った考えを支えた。朝鮮は両班中心の閉鎖的かつ硬直した社会だったと考えられてきたのだ。

(中略)

 韓教授が今週出版した『科挙、出世のはしご』(知識産業社)によると、平民など身分が低い及第者の比率は、朝鮮王朝最初期に当たる太祖・定宗代の40.4%から始まり、次の太宗代には50%に上昇した。朝鮮王朝中期の燕山君以降は20%前後になり、宣祖代は16.72%、最も低かったのは光海君代だった。粛宗代以降になると再び30%代に上昇し、朝鮮王朝後期の正祖代には53%、高宗代には58%になった。韓教授は「『小川からいでたる竜』たちの中には、貧しく卑しい一族の出身で領議政(議政府の最高官職)にまで上り詰めた、世祖代の洪允成(ホン・ユンソン)のような人物もいる。朝鮮は、身分上昇が活発だったダイナミックな社会」と語った。
引用終了

人口の大半が両班だったら、科挙に及第した人間の半分が平民ということはない。
詳しいことがわからないので、当否は判断できないのだが、私の仮説が間違っている可能性をしめしているのでリンクしておく。

ただ、幾つか疑問点がある。
まず、今までの資料は否定されたのだろうか。
否定されていないとすれば、そもそも両班と平民をどう区別しているのだろうか。
両班はそもそもは階級ではないとされているのだから、区別できることが不思議だ。

王朝初期では40.4%が平民出身者とされているが、それ以外は両班という意味だろう。
両班は朝鮮王朝で形成された階層だと思うので、王朝初期から存在しているとすれば疑問を感じる。

また、両班の庶子は両班だと思うのだが、それは平民と解釈されているように見える。
それは正しいのだろうか。
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「内向きの日本、日本人は気づいているのか?」へのリンク

2013.01.26 Sat

21:41:19

「内向きの日本、日本人は気づいているのか?」の記事を読んで反対意見を書きたくなる。

ただ、時間がなくなってしまった。
次回書くと約束しておく。

中の記事にもリンクされているけど、下記も同じような話を扱っている。

零下10℃下の門前払い
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「中国台頭の終焉」感想

2013.01.25 Fri

21:23:33

津上俊哉氏の「中国台頭の終焉」にざっと目を通す。


面白い。
本では中国の成長が短期的、中期的、長期的に危うくなっていることを論述している。

短期的な問題とは、リーマンショック以降の金融危機に対応するために、中国が発動した公共投資が効きすぎた反動だ。
長期的な問題とは、出生率の低下による人口の伸びの終了だ。
しかし、どちらの問題も政府は根本的に対応できないとしている。
公共投資の反動は二日酔いみたいなものだから我慢するしかないし、出生率の低下は長期間の傾向だから簡単に変更できりようなものではない。
だから、中国政府に対応できるのは中期的問題だけで、「国進民退」の解決しかないとしている。
「国進民退」というのは、国営企業だけが栄えて、民間企業は衰退しているという話だ。

中国の成長は国営企業の投資によって推進されている。
しかし、国営企業には根本的に利益を出すという概念が希薄で、無駄な投資を山ほどしている。
利益がでない投資を続ければ不良債権の山が築かれるだけだ。
最終的には成長の停滞を引き起こすだろう。
それを解決しなければ、中国の成長はありえない、というのが津山氏の意見だ。

「国進民退」の問題によって中国の中期的成長が難しくなっている理屈はわかる。
けれども「国進民退」になるのは、中国のシステムが政府にコネを持つ人間にとって有利だからだ。
コネと人脈を持つ者だけが金を儲けられ、そうでない者は貧乏にあえぐしかない。
その仕組みを壊すには、共産党の支配システムを覆すしかない。
それは簡単にはできないという話になる。
津山氏の本では、政治的な問題はあまり出てこないが、本質的には政治システムの話だ。
直ぐには起こらないとは言えないが、予測できるような話ではない。
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オバマ大統領への願い

2013.01.24 Thu

21:28:20

「かんべえの不規則発言2013年1月23日」の記事を読んで、アメリカ大統領は難しい道だということを再認識した。

引用開始

○2009年のオバマは、彼自身がまだ「出来上がって」いなかったこともあって、目指している方向は必ずしも明らかではなかった。だからこそ、中道を目指す政治家という印象があり、「彼ならばアメリカの再統合ができるんじゃないか」と期待した人が多かった。ところが4年間大統領をやってみたら、彼はごく普通の、そして演説だけは相変わらず上手な、リベラル派の大統領になってしまった。つまらんなあ、というのが正直な感想です。
引用終了

この意見に同感する。
オバマ大統領が最初に当選したときは、民主党と共和党の垣根を越えて国民統合の大統領を目指すように見えた。
しかし、今はリベラル派の大統領として、片一方の旗頭になっている。

アメリカの問題は国家として分裂しかかっていることだ。
経済格差は大きく開き、富める者と貧しい者が互いにののしりあっている。
民主党と共和党の差は文化、生活様式の違いにまで拡大している。
メキシコからの移民の流入はスペイン語圏の拡大を促し、言語圏の統一さえ危うい。

アメリカ大統領は国家の再統合化を促すことを第一の目標にしなくてはならない。
リーマンショック以来の金融危機はアメリカを深く傷つけている。
傷を癒すにはどうしたらいいか。
とにかくじっとして、体を休めることだ。
アメリカも目立った行動をせずに、じっとしていることが一番いい。
だから、オバマ大統領のイラクとアフガニスタンからの撤退は正しかった。

問題なのは国内の政策だ。
オバマケアは国民を一体化させるために必要な政策だったと思う。
しかし国民の大多数の支持がなくては、オバマケアも亀裂を深める政策になってしまう。
国民の過半数の支持がない現状では強行する必要があったか。

予算の削減にしても同じだ。
福祉予算を削るか、それ以外を削るかで、民主党と共和党の対立が深まっている。
オバマ大統領は民主党のリーダーとして振舞っている。
これが問題なのだ。
民主党と共和党で争わせて、オバマ大統領はその一段上から仲裁者の立場に立って予算案成立を図るべきではないのか。
現状では党派間の亀裂を深めているようにしか見えない。

私がアメリカ大統領だったら、どうするだろうかを考える。
先送りと妥協案でとにかく対立を封じ込める。
それが正しい政策だ。

政治家は選挙に勝つために、リーダーシップを強調することも必要だ。
評論家のような立場ではいられない。
現在オバマ大統領は再選を果たすことによって、もはや選挙を気にする必要がない。
それなのに、国家を統合するより、むしろアメリカを引き裂く方向に進んでいるのが、疑問を感じる。

リベラル的な政策で国民を統合するのが、むしろアメリカにとっては望ましいという考えなのかもしれない。
ルーズベルト大統領はニューディール政策によって大恐慌によるアメリカの傷を癒した。
それを再現しようというわけだ。
ただ、ニューディール政策のときの、とにかく国民がまとまろうとする機運はない。
この状況では政策を実行するよりも、じっと我慢している方がいいのではないか。

アメリカには世界のリーダー国として、まだ力を保っていて欲しい。
アメリカが分裂したら世界も大混乱に陥ってしまう。
オバマ大統領はアメリカを分裂させないために全力を尽くして欲しいと願う。
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