異をとなえん |

日米中の関係は三国志のようなものではない

2012.12.27 Thu

21:24:29

日米中、三国の関係はよくわからない所がある。
どの国もパートナーが別の国にくっつくことを恐れている。
けれども、本当にそんなことがあるのだろうか。

中国では日本が尖閣諸島で強気に出るのは、アメリカの陰謀だと考えている。
中国の基本的な考えは次のようなものだ。
アメリカの力は衰えているために、台頭している中国を押さえ込みたがっている。
そのため、アメリカは日本、フィリピン、ヴェトナムなどと中国包囲網を作る。
日本が尖閣諸島で強気に出るのは、アメリカにそそのかされているからだ。
つまり真の敵はアメリカだと。

不思議なのはアメリカが真の敵だと考えるならば、他の国に対しては譲って敵対させないように考えると思うのだが、そういうことはない。
尖閣諸島で日本と激しく対立すれば、自然に日本はアメリカの方に近づいていく。
外交が支離滅裂なわけだ。

日本でも、日米中の関係を正三角形にするという、鳩山元首相の考えがあった。
アメリカとべったりだと属国的だから、独立のために中国との関係を強くしようという理論だろう。
石原慎太郎みたいな一般に右翼的な人間の考えに近いように思う。
でも中国との領土問題が日本にとって最大の焦点であるならば、それを援助してくれる同盟国の存在はありがたい。
中国と激しく対立するならば、自然とアメリカとの同盟では譲るようにする必要がある。
たとえば従軍慰安婦の問題などでアメリカとの関係がスムーズに行かなければ、できるだけ妥協しなくてはならない。
そう考えると日本はアメリカの属国をやめて、独立国家たれという主張の意味がよくわからなくなる。
つまり、現在の日本にとって最大の問題は何で、そのために全ての努力をそこに集中するような発想がまるでないわけだ。

アメリカも日中同盟を恐れる気持ちがある。
日本は世界の中の強い国に従ってきたから、中国になびくという論法だ。
日本が強い国に従うといっても、日英同盟と日米同盟ぐらいで、日米同盟が戦争の敗北からなしくずしになっていることを除くと、日英同盟だけだろう。
1例だけでは例が少なすぎる。
第一、三国同盟のように最強でない国と同盟を結んだこともある。
なんというか、まるで日本のことを知らない主張のように見える。
三国志の世界みたいに、単なる陰謀だけで同盟関係が結ばれるような主張だ。

現実の世界では同盟関係はもっと国全体のどうつきあっているかで決まってくる。
日本とアメリカは民主主義国として、中国のようにあまりにも不明確に見える国とは手をつなぎづらい。
何よりも最近の中国は覇権主義的で、世界に力で持って進出している。
アメリカとはいろいろな部分でぶつかるようになっているし、日本も尖閣諸島で激しくぶつかっている。
だから日米が同盟を組んで中国と争うのは当然に見えてしまう。

韓国も日本に似ている。
韓国は中国との貿易額が非常に大きくなって、経済で中国に依存している。
その結果、中国との関係を良好にするために、アメリカとの関係が弱くなるという意見がある。
アメリカの力が弱くなれば韓国を助けることができない。
だから核武装のような自主防衛に変われという話だ。
でも核武装をするとしたら中国からの防衛のためだ。
拡大解釈をしても、中国に援助された北朝鮮のためだろう。
そうすると、なぜアメリカとの関係を疎遠にするのかがわからない。
中国に対応するためだったら、アメリカとの結びつきは強くしたがるのが普通のはずだ。

経済関係が深くなったから、政治的な関係も強くするというのは違う。
経済関係が深くなっても、政治的に同調できないならば、経済関係で恫喝された場合に備えるため、むしろ他の国とは政治的につながりを強くするのではないか。
アメリカと安全ロープを結ぶことで、危険地帯である中国により深く入っていけるのだ。

アメリカも日本も韓国も、中国と手を結ぶことはない。
領土問題を軍事力でしか解決しようとしない国を信頼できるはずがない。
中国が軍事力しか信じないのは、共産主義の大義がなくなり、法の支配すらないからだ。
原則がないから、妥協もできず、力のみを信じている。
そんな国に対して、周りの国が味方になれるわけがない。
実際北朝鮮以外の周りの国はすべて反中国家に近い。

三国志みたいに、その時の力関係で同盟が簡単に変更するなどという発想は杞憂に思える。
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