異をとなえん |

日本国債の海外保有比率が上がっている

2012.12.24 Mon

21:32:29

不思議なことに日本国債を海外の人が買っている。
日本の金利が世界でもっとも低いことを考えると異常なことだ。
理由は世界経済の先行きに自信を持てない人が増えていることだろう。

9月末の国債保有は海外が過去最高に、日銀は初めて100兆円突破

引用開始

日銀が21日公表した2012年7─9月期の資金循環統計によると、9月末の日本国債の保有者のうち、海外の残高が前年比11.1%増の86兆円、発行残高に占める構成比は9.1%となり、いずれも過去最高を更新した。
引用終了

日本国債を海外の投資家が買っている。
ある意味とても不思議なことだ。
日本国債の金利は世界で一番低いと言われているからだ。
実際十年物の日本国債の金利は1%を切っているので、他の国が1%以上のことを考えると一番低い。
けれども、海外の投資家が買っているのは短期国債だ。
だから十年物の金利に直接の関係はない。
短期国債の金利も名目では0.1%で日本が一番低いけれども、アメリカもユーロも0.15%ぐらいで大差ない。
日本がデフレ気味なことを考えると、実質の金利ではむしろ日本の方が高いかもしれない。
ただ極めて微差なことを考えると、金利差によって資金が移動しているとはいえないだろう。
なにか別な要因があるわけだ。

別の要因というのは、安全資産への投資だ。
世界経済の先行きに自信を持てなくなっている投資家たちは、資産を増やすというよりも、減らさないために投資をしようとしている。
だから、とにかくデフォルトをしない債券に注目している。
アメリカ国債や日本国債は自国通貨建ての債券なのでデフォルトの可能性は0と言っていい。
そして、アメリカや日本以外の国の投資家は、デフォルト確率0の債券がほとんどない。
それで自分たちの資産を守るために、アメリカや日本の国債を買っている。
アメリカ国債は積極的に投資をしている場合にも、一時的に保有するために所有していた。
だから、昔からアメリカ国債の海外保有比率は高い。
最近は積極的に投資をするのではなくて、消極的な投資としてアメリカ国債を保有している。
そうすると、為替リスクが気になってくる。
ドルが他の通貨に比べて割安になれば、損が気になる。
日本円に分散投資をして、為替リスクを分散したい。
それが日本国債の海外保有が増えている原因だ。

日本円は最近円安に振れている。
84円台とずい分下がってきた。
けれども、日本国債の海外保有率が上がっていることは、深いところで世界経済の先行きに楽観視していない人が増えていることを示しているように思う。
そして、分散投資が日本国債の所有の動機ならば、そう簡単には比率は下がらない。
世界経済が順調に成長する状況に戻るには、まず日本国債の海外保有比率が下がる必要がある。
このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る