異をとなえん |

続:王座戦が面白い

2012.08.30 Thu

21:10:00

羽生は負けた。
昨日の記事を書いた局面では負けそうだったから当然だが、羽生びいきとしては悲しい。

なぜ羽生は渡辺に勝てないのだろうか。
渡辺が羽生の癖を見抜いているのが最大の原因ではないか。
もちろん実力の差が理由かもしれないが、他の対局での渡辺と羽生の成績を見ると実力に差があるとは思えない。
私の目には羽生の方が実力はあるように見える。
それが負けるのは、渡辺は自分の実力を最大限に発揮できるようにし、羽生がそれに付き合っているだ。
羽生は相手の手に乗って指すのは基本とする。
相手が自分の有利な戦法を選ぶのに対して、それを外そうとしない。
自分が第一人者であり、相手の得意戦法を撃破することが一番相手に負けたと思わせるからだ。
アントニオ猪木の風車の理論に似ている。
風車の理論は「相手の力を最大限に引き出して、それ以上の力でそれを倒す」事で自分のみならず相手も輝かせるといった意味合いで、羽生は将棋にそれを応用していたような気がする。

ただ、この記事を書くために風車の理論を確認してみると、本来は「相手の技を下手によけたり真っ向から受け止めるよりも、風を受け流す風車のように、逆らわずに自分自身を無とする事でダメージが無くなるといった意味合い」であるらしい。
羽生は観戦者向けというより、勝つことを重要視しているだろうから、こっちの理論の方が正しいのかもしれない。
将棋の最善手を探し、それが相手の待つ道であっても最善ならば仕方がないという理屈に思える。
けれどもこの考えは相手の方から見ると指される手が予想できるのだろう。
特に渡辺のように読みの省略がうまい棋士にとっては。
ファンから見ると、律儀に全ての手を読んでいる羽生が、ほとんどの手を読まない渡辺に負けているのは納得がいかないのだ。

羽生は今までこのスタイルで戦ってきたのだから、いまさら変更しても仕方がないかもしれない。
しかし渡辺の他棋戦の成績を見ると、羽生もなんとかできないかと思う。
渡辺の負けた対局を羽生は研究しているのだろうか。
勝負がどうこうというよりも、勝ちやすい方法がないかという点で。
そして時間にも気を使って欲しい。
終盤で羽生の方が先に持ち時間が切れる。
それでは苦しい。
渡辺に手を渡して渡辺に長考させる。
他の棋士相手にはそれができるのに、渡辺に対してはできない。
そこらへんをなんとかできないのかと思う。

今回の王座戦も1局目を失って苦しくなった。
なんとか打開してくれることを祈る。
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