異をとなえん |

日本の銀行が日本国債の売買で外国に負けるわけがない

2012.07.31 Tue

21:26:05

日本国債の暴落はないということを、前々から主張している。
ばらばらにいろいろなことを書いているので、どういうことを書いてきたか忘れているのだが、銀行のことを書いていなかった気がするので、付け加えておこう。

日本国債の暴落はないが、金利の上昇、価格の低下はありうると思っている。
現在のデフレ状況から脱却して、普通の経済状況の国への回復だ。
そういう兆しが少しだけど見えてきている。

M&A資金のために日本企業への貸付が増えている。
日本の金融機関の海外への融資が増えている。
日本の銀行が長期債の比率を減らし、短期債に振り替えている。
これらは全て、日本の中で資金需要が生まれつつある現象に思える。
銀行が長期債を減らしているのは、資金需要が生まれつつあるので、貸し付ける資金を確保するために長期に固定している資金を開放しているからではないだろうか。

それでは、なぜ長期国債の利率が下がっているのだろうか。
日本の銀行が国債への投資を抑えつつあるならば、利率が上がって当然のはずだ。
利率が上がるのを止めている原因は、外国からの資金流入だろう。
ユーロ危機、アメリカの景気低迷、中国の成長率低下となんとなく世界経済に暗雲が漂っている。
韓国も不動産バブルが破裂したとか言っているし、インドもおかしい。
世界中どの国も経済不穏な情勢の中で、相対的に日本の経済状況はいい。
1-3月期の経済成長率は年率で4.7%と非常にいい。
この率が保たれるならば、相対的というよりも、絶対的に日本の経済状況はいいことになる。

もっとも大方の見方はエコカー補助金とか復興需要による一時的な消費の増加と見ているらしいので、今後の経済成長率は年率で2%とか1%ぐらいに落ちてしまう予測だ。
私は民間最終消費支出がこのところ1%前後の伸びを続けているので、けっこう4%ぐらいの成長が続く可能性はあると見ている。
設備投資や純輸出の上下で、成長率は上下するかもしれないけど。
日本の成長率の予測については、また別の話なのでおいといて、本題の国債価格の低落に戻る。

日本の成長率が政府の予想通り2%前後でも、世界の中では相対的に高成長だ。
そこで世界から資金が流入することで、国債の価格は上昇している。
だから、日本国債の外国人の所有比率が上昇しているわけだ。

日本国債の外国人の所有比率が上昇すると、一斉に売られた場合大暴落する危険性があるという話が出てくる。
外国人投資家は高値で買って安値で売ることを予想して、取引するほどバカではない。
だからその説はそもそもまゆつばなのだが、それでも日本国内で資金需要が出てきた場合に自然と金利が上昇しても、外国人投資家は売らないのだろうか。
基本的には売らないと思う。
国債価格が下落傾向になったとしても、その場合金利の上昇によって資金がより日本国内に集まってくる可能性が高い。
外国人が投資しなくとも、日本国債の金利が上昇すれば、米国債を買っている日本の機関投資家が日本国債を買うようになる。
それだけで円高だ。
日本国債の価格の下落を円高によって補えば、外国人投資家の日本国債投資も損にはならないだろう。
現在日本国債の投資が世界の中で相対的に安全だからの投資であることを考えれば、投資は続く。

そして今回の記事で一番書きたかったのは、外国人投資家と日本の銀行の日本国債投資では、どちらがうまいかだ。
これはもう日本の銀行がうまいに決まっている。
国債の価格の上下は結局円の資金需要の強さで決まってくる。
その民間需要が一番わかっているのが日本の銀行だ。
外国人には簡単にわからなし、食い込めない。
日本の銀行は民間の資金需要に答えるために国債を売却して、民間企業に貸し出す。
それに対して、外国の投資家は民間の需要もすぐにはわからないので国債の価格の予測も難しい。
国債を売って日本企業に貸すことも難しい。
つまり、外国の投資家は日本国債に対して受け身の投資を続けるしかない。
結局はバブル崩壊後の日本の金融機関が仕方なく、アメリカの国債を買わざるを得なかったのと同じ話になる。

バブル崩壊後、日本の金融機関はアメリカの国債を買わざるを得ず、その資金をアメリカの金融機関は運用して巨額の利益を挙げてきた。
その状況がようやく逆転しつつあると思う。
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日韓のサッカーのライバル関係を振り返る

2012.07.30 Mon

20:57:55

オリンピックでは男子サッカーが調子いい。
2連勝で予選リーグを突破した。
他の競技にはあまり興味ないが、サッカーだけは応援している。

基本的にオリンピックのサッカーは横一線で、どこのチームも金メダルのチャンスはある。
昔はヨーロッパと南米が圧倒的に強かった。
地域代表がオリンピックの基本だから、地域に力の差があると、優勝候補などがはっきりする。
けれども、アフリカがオリンピックで優勝できるようになり、アジアもだいぶ力をつけてきた。
地域に力の差がなくなってきたので、どこが優勝するかわからなくなってきた。
オリンピックは23歳以下の若者が中心なのだから、精神的にはだいぶムラがある。
フル代表に比べて圧倒的に経験が足りないのだ。
ブラジル、スペインが優勝候補だといっても、他のチームが勝てないわけではない。
日本、ホンジュラスがスペインに勝ったように、どんなチームでもコンスタントに力を発揮するのは難しい。
日本にも優勝チャンスは十分ある。

アジアが強くなったのは日本が強くなったからだし、日本が強くなったことによって韓国が強くなったことも大きい。
いや、逆か。
韓国が強くなったことによって、日本が強くなったのか。

韓国も1勝1分けと予選リーグの突破を目前にしている。
韓国もオリンピックでは予選リーグの突破が全然できなかった。
思い起こすと、中田英寿がオリンピックを率いていたときに、韓国と練習試合をしたことがあった。
そのときに韓国はぼろ負けして、このままではダメだと悟った。
大学生主体のオリンピックメンバーをやめて、4強制度に手を入れて、プロを主体としたメンバー選出に切り替えた。
それがアテネオリンピックでの、初の予選リーグ突破につながった。

韓国のオリンピックメンバーにはJリーグで活躍している選手も多い。
今回は確か4人いたはずだ。
若手からのプロ化が進むことで、韓国サッカー選手の日本進出も珍しくなくなった。
その前のことを考えると、韓国がサッカーのプロ化を推進したことで、日本でもJリーグが発足したと言ってもいいだろう。
さらにその前を考えると、韓国のサッカーのプロ化も、日本のメキシコオリンピックでの3位に刺激されたのかもしれない。

韓国はワールドカップもオリンピックも日本よりちょっとだけ早く、世界大会に常時進出できるようになっている。
それに日本が引っ張られたかもしれない。
日本の選手が中田を始めとしてヨーロッパに進出するようになると、韓国もヨーロッパに進出するようになった。

歴史を考えてみると、日韓はいいライバルなわけだ。
二つの国は互いに刺激しあうことによって、力を高めてきた。
あいつだけには負けたくないという思いが、力を引き上げていく。
小説やマンガみたいに、大嫌いだったあいつを友として思う日があるかは知らないが、欧米から見るとライバルと思われるんだろうな。

主観的にはどうであれ、二つの国が強くなっている以上、後から振り返るといい時代になるのだろう。
オリンピックのサッカーのことを考えていたら、日韓のサッカーのライバル関係に思いがはせてしまった。
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韓国で交易条件が悪化しているのにデフレになっていない理由は? - 交易条件の悪化は基本的に良いニュースである(その5)

2012.07.27 Fri

21:01:08

韓国で交易条件が悪化しているのにデフレになっていない理由は何だろうか。
いろいろと考えているのだけれど、あまりしっくり来ない。

日本はバブルの崩壊という特異な条件にあったからデフレであり、デフレだから交易条件が悪化し、円高を招いた。
韓国は日本みたいにバブルの崩壊などなかったからインフレだった。
けれども、韓国は生産性が上昇しているから交易条件が悪化していった。

理屈を書くとこうなるけど、なんていうかバラバラできれいなロジックになっていない。
単なる事実の羅列に過ぎなくなっている。

アメリカやドイツで交易条件が変化していないのはわかる。
アメリカやドイツの交易条件が変動していないのは、基本的に生産性が貿易相手国と変わっていないからだ。
しかし、原油価格の上昇は輸入国の交易条件を悪化させなければおかしい。
そうなっていないのは、原油価格の上昇分を製品に上乗せできているからだ。
ドイツの製品はブランドが確立しているからという理由もあるかもしれないけど、本質的には原油の価格上昇が生産性の変動が関係ないからだろう。
つまり、原油産出国は原油の価格上昇によって、巨大な交易利益が発生したはずだけれど、その分輸入品の価格が上昇しているならそれは打ち消されてしまう。
しょせんあぶく銭である以上、消費も激しい。
ロシアや中東の国々での浪費は有名だった。
ドイツやアメリカはその流れの中にあったから、交易条件は変化しなかった。

日本はその流れに乗っていなかったからこそ、交易条件が悪化していった。
韓国も少し乗り遅れているのだと思う。

ダメだ。
論旨がむりやりすぎる。
どうも自分の中でわかっていない。
研究課題にしておく。
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生産性が向上しているのになぜ生活は良くならないのか? - 交易条件の悪化は基本的に良いニュースである(その4)

2012.07.26 Thu

21:00:44

昨日の記事では疑問点として、日本の生産性は向上しているのに生活がそれほど良くなっていないことを挙げた。
この理由は何だろう。

まず、交易条件が悪化していることだ。
いきなり、今まで述べてきたことを否定しているようだが、交易条件が悪化していることが生産性の伸びをあらわしていることは正しいけれども、生産性が伸びたことによる利益をどう分配しているかを示してはいない。
日本の交易条件が悪化したのは、生産性が伸びた利益のほとんどが相手国に流出している可能性を示している。

日本と韓国は競争相手国として、同種類の製品を作って競合していった。
船舶、鉄鋼、半導体、液晶パネル、高画質テレビなどは、韓国と激しく競合し価格競争に陥っている。
その結果それらの製品の価格は下落の一途をたどり、日本企業は利益を出せなくなってしまった。
倒産に追い込まれている企業も大きい。
生産性の上昇による利益が貿易相手国にほとんど出て行ってしまったわけだ。
これは韓国も同じで、日本より輸出対象製品が絞られている分、より交易条件が悪化しやすい。
円高は交易条件を改善してもおかしくないはずだが、実際は韓国と競合することによって、円ベースではさらなる価格下落を迫られて、むしろ交易条件を悪化させている。

しかし、日本は韓国よりずっと幅広い製品を作っている。
限られた市場で高シェアを誇っている企業も多い。
そういう企業は価格を維持できるはずだ。
けれども、日本は需要不足から起こるデフレがずっと続いている。
国内では激しい競争が起こっているので価格を上げにくい。
また賃金も下降気味なので、価格を上昇する力が働きにくい。
それが日本の輸出価格を押さえ気味にし、全体として考えれば下落させている。

そして、昨日の記事では交易条件の悪化は生産性の上昇の違いだけと解釈していたが、実際は資源の希少性からくる交易条件の変化もありうる。
特に2000年代の原油価格の上昇は非常に大きなもので、1998年が底の1バーレル15ドルくらいだったのが、2008年には100ドルまで上昇し、今もだいたいそのぐらいの価格だ。
日本は原油輸入国として、その影響をもろに受けた。
実質賃金が上昇していることは生産性の上昇によって、原油高による悪影響をかなり減退したと思うが、それでも生産性の伸びのかなりの部分が原油輸出国に移転した。

以上の理由が日本で生産性の伸びほど、生活が良くならなかった理由だ。
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円高と日本の国力は関係ないのか? - 交易条件の悪化は基本的に良いニュースである(その3)

2012.07.25 Wed

20:54:31

「弱い日本の強い円」の結論は、円高は日本が強いからではなく購買力平価が上昇したからに過ぎないだった。

つまり日本がデフレで恒常的に物価が下がっているから、円高になっているという主張だ。
その理屈は納得できるのだが、国力とは関係ないという主張が納得できなかった。
その理由がこの前の「交易条件の悪化は良いニュースである」でわかった気がした。

結論から言うと、円高は日本が強いからではないという主張は間違いだと思う。
円高はやはり日本が強くなったからだ。
この場合の強いというのは、日本のGDPが他の国より上昇したとかではない。
日本の生産性が他の国より上昇したという意味だ。
そして国力というのは最終的にその国の生産性に帰着するものだ。

ある国がデフレで、その貿易相手国のインフレ率が0%以上ならば、交易条件はデフレの国で悪化することになる。
牛1頭を100万円で輸入し、自動車1台を100万円で輸出していたとき、デフレで自動車の価格が10%引きになれば、自動車1台は90万円で輸出することになるからだ。
つまり、デフレの国は交易条件が常に悪化していくわけだから、実質賃金が維持されている限り、生産性の進歩は貿易相手国より常に高くなっているはずだ。

それでは、なぜデフレだと日本の生産性は上昇しているといえるのだろうか。
デフレが単なる通貨現象であって、賃金が10%安くなったら物価も10%安くなる、というのだったら、確かに生産性は変わらないだろう。
その場合、為替相場もその割合に応じて変化すれば、交易条件も変わらない。
しかし、人間は賃金が下がることを嫌うから、なかなか物価に合わせて賃金が下がることを認めない。
実際日本では賃金も下がり始めているが、物価の低下には追いついていない。
だから実質賃金は上昇している。

デフレ状況であっても、耐久消費財のような生産性が上がりやすい物は価格が下がりやすく、サービス業のような生産要素は賃金がほとんどの場合のサービスの価格はあまり下がらない。
維持される家計の実質的な購買力の2ページ目の図表3を見ると、耐久消費財の価格が名目で半減していることがよくわかる。
つまり、デフレは耐久消費財の価格の下落という形で現れているのだ。
耐久消費財の価格の下落は他の条件が変わらなければ、生産性が上昇したからに他ならない。
一人の労働者が作る財が増えたのだ。
よって、デフレ=生産性の上昇となるわけだ。
そして、耐久消費財は貿易財の主たるものであり、その価格の下落は交易条件を悪化させることになる。
デフレ=生産性の上昇=交易条件の悪化だ。

もっとも、この結論が正しいとしてもいろいろ疑問が出てくる。
なぜ日本の生産性は向上しているのに、生活はそれほど良くならないのかとか。
あるいは、交易条件が悪化しているという点では韓国も一緒なのに、韓国がインフレなのはなぜだろうかだ。
さらに本質的に生産性が高くなることは、国力が強くなったと考えていいかという問題もある。
それらの点については次の記事で述べたい。
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「人類は衰退しました」感想

2012.07.24 Tue

20:52:55

ブログの記事をチェックしてみると、アニメや小説について全然記述していないことに気づく。
小説は最近あまり読んでいないけれど、それでも時々物凄く夢中になる本もある。
たくさん読んでいないのだから、はまった本はむしろ感想を書いておいた方がいい。

アニメはかなり見ているはずだが、それでも夢中になっているのは少ない。
けれども今季のアニメで気に入っている作品があるので、感想を書いておく。

「人類は衰退しました」が一番のお気に入りだ。

世界観は全然わからないのだけれど、ひきつけられる。
遠い未来、人類が衰退しつつあるらしいけれど、どう衰退しているのかよくわからない世界の中で、わたしが活躍していく。
国連の調停官という役職なのだが、どういう活動をしているのかよくわからない。
妖精が飛び回り、加工済みチキンが世界征服を目指す、というファンタジーな世界なのだが、どうも話はファンタジーではない気がする。

基本ギャグアニメみたいな感じなのだが、そう受け取れないところもあって解釈が難しい。
文明批判とも受け取れるのだが、それほど強いとも思えず、スパイス程度の味付けでしかない。
でも面白い。
パロディアニメ的な面白さなのだろうか。
元になる作品があって、それをなぞりつつ変形を加えることで内輪受けをねらう。
今のところそういう印象か。

ただ、なんとなく不穏な感じがある。
衰退という言葉に象徴される、退廃的で世紀末な感じだ。
それが微妙な苦味になっている。

説明することで、作品を理解しようとしたけれど、なんかうまくいっていない。
けれども、パターンが読めず、いったいどういう方向で話が収束するか見えないところが魅力的なのかもしれない。
私はそういうわけのわからない作品が好きだ。
どういう落ちをつけるかが見えないから、知りたく思う。

最新話はマンガの世界に落ちた人間の話だった。
その中でマンガの人気を保つには、ひきが全てだという主張があって、確かにそうだと思う。
実際このアニメはひきの力を持っている。

このアニメは小説が原作で、その話をシャッフルしている。
だから結末はないのかもしれない。
しかし、世界観を最後に提示することで落ちがつけられるような気がする。
つまり、この作品の最大の魅力は、このわけのわからない世界がどういう理屈で動いているかという謎だ。
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金正恩体制の前途は厳しい

2012.07.23 Mon

20:51:02

北朝鮮で李英鎬朝鮮人民軍総参謀長が解任された。
軍人としてはトップの実力者で、先軍政治をキャッチフレーズとする北朝鮮の国では、金正恩に次ぐNo.2の実力者といってもよかった。
それが解任されたのは、内部で権力争いが過熱しつつあることを意味している。

権力争いと言っても、何を原因にして起こっているかはよくわからない。
李総参謀長は強硬派で、中国から支持されている改革開放派が追い落としたという説を見たことがあるが、本当かどうか。

金正日は独裁者で、とにかく北朝鮮を掌握していたことは間違いない。
それが死んだことで、北朝鮮は誰がリーダーシップを取っているかわからなくなっている。
金正恩は若僧で自分の意見を持っているかどうかもさだかではない。

けれども、金正恩はいい子を目指しているみたいだ。
ミサイルの失敗を公表したこと、ディズニーのキャラを放送させたこと、妻と思える女性と一緒に報道させていること。
これらのニュースは国民に良く思われたい気持ちを表している。
つまり恐ろしい父というより、国民に親しまれる兄ちゃんというわけだ。
けれども、当然ながらそれは国民から見れば怖くない。
いままでの自由が抑圧された社会に不満を持っていた人は、怖くなければ好き勝手に行動し始める。
人々は自分たちの意思をあらわにして、経済上の利益を目指して活動する。

けれども、これらは政権の安定にプラスに働くとは思われない。
北朝鮮の硬直した体制は自由な活動を許容していない。
体制に依存した支配層は自分たちの権益が脅かされることを好まない。
自分たちの力を持って反撃してゆくだろう。
体制内部に政策をめぐって対立が生じたことになる。

李総参謀長の解任は明らかにその対立の一つの現われだろう。
そして、指導者は権力の維持を図るならば、どちらかの政策に与し、自分の立場をはっきりさせるしかない。

金正恩の目指すものが改革開放であるならば、そちらの派に乗って指導することになる。
しかし、それは今までの祖父、父の政策の真逆の道だ。
体制を強硬に支えてきた支持者を切り捨ててゆく行為になる。
それは安定につながるだろうか。
むしろ、政権基盤が危うくなってゆく。

毛沢東の左派政策はその死によって断絶し、反対派であったトウ小平が国の指導権を握って中国を動かしてゆくことになった。
毛沢東の後継者であった華国鋒は改革政策を実行していたにも関わらず、結局は追い落とされた。
ソ連ではスターリンの後継者だったマレンコフは、スターリン体制の批判が盛んになるにつれてフルシチョフに解任された。
前の政策に加担していたのに、それをしらばっくれて新しい政策を実行する派に移動するのは難しい。
不可能だといってもいいかもしれない。

金正恩がロケットの発射実験を強行したのは、金正日の瀬戸際政策を実行し続けることを意味していたはずだ。
それが改革開放政策に移動することは今までの政策を覆すことを意味する。
支持者たちはてんでばらばらになってしまう。
独裁者の後継が難しいのは、隠れていた対立があらわになるので、それを押さえ込むためには強力な力が必要になり、血を怖がることない弾圧が必要だからだ。
しかし、金正恩は上で述べたように、いい子になろうとしている。
それは独裁者と両立しない。
金正恩体制の前途は厳しい。
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