異をとなえん |

国債バブルという表現はおかしい

2012.06.25 Mon

20:40:08

国債がバブルと化している、という意見がある。
この意見には違和感を感じて仕方がない。
一番変だと感じるのは、国債には上限があるのにバブルとすることだ。
国債は債券だから、受け取る利息と償還金を合わせた合計金額より高い値がつくことはありえない。

たとえば、年ごとの利息が5円で償還時に100円が戻ってくる10年国債を考えよう。
そうすると利息の合計は5x10で50円、償還金と合計して、150円が上限だ。
150円以上で買うのは、戻ってくる金額が少なくなって損になってしまう。
現金で持っていた方がいいという話だ。
もっとも現金は危険だから、安全に保管するための保管料としてマイナス金利を許容して投資することもある。
実際ドイツ国債はマイナス金利になっていて、少し異常だ。
そういう変な場合も少しはあるかもしれないけど、受け取る金額を越える価格で売買されることは普通ありえない。

そうすると、国債がバブル化しているといっても、上昇余地はほとんどない。
10年国債は今143円だけど、それだったら最高に上がったって7円だ。
上昇を期待しての買いは非常に少ない。
儲かっても5%という投資がバブルと言えるのだろう。
今の状況では投資した金額が減らないならば、それで満足だという投資がほとんどだろう。
ユーロの国債危機で米日英独の国債が買われているわけだが、とにかく安全なところへの避難としての目的がほとんどだと思う。
どんどん上がっていかなければ、バブルとはいえないのではないだろうか。

ただ、バブルの本質はこれと似ている感じもする。
そもそもバブルの発端は、儲かる投資がなくなって元本の安全だけを求めた投資の開始だ、と考えている。
バブルの対象が土地になるのは、何よりも下がることがないだろうという安心感だ。
投資するところがなくなった資金が、安全第一を目指して購入したのが、土地であり、みんながそう考えることで土地の価格は上昇していく。
土地の価格にははっきりした上限がないから、みんなが買えばいくらでも上昇できて、バブルになっていく。
リーマンショック後の金や原油などの購入も同じ印象だ。
ただ、最近では金や原油の価格が下落に転じているように、どんなに安定資産であっても上昇すれば下落する危険性は出てくる。
原油はそもそも消費される商品である以上、経済の活動の変化を反映せざるを得ない。
金は商品とはあまりいえず、むしろ元祖通貨だ。
経済活動はあまり重視されないかもしれないが、上限はない。
だから上がりすぎれば下がる危険性が出てくる。

国債が上がりすぎることはない。
だから暴落する危険性はほとんどないと言える。
経済活動を反映したゆっくりした下落はあるかもしれない。
でも暴落の危険性は少ない。
Varショックによる下落だって金利差で1%ぐらいだ。
バブルの崩壊と次元が違う。

安全を求めた投資と価格が幾らでも上昇するという夢を抱いた投資とは、やはり違う。
バブル特有の高揚感が全然ないのに、国債投資をバブルというのは、どうも違和感を感じて仕方がない。
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