異をとなえん |

スパイ防止法の必要性がわからない

2012.05.29 Tue

20:26:26

ネットをうろついていると、スパイ防止法を制定せよという声を聞く。
未だにその必要性がわからない。
スパイというものが、送り込まれた先で非合法活動を実行する存在ならば、まずその非合法活動をなぜ摘発できないかを考えるべきではないだろうか。

たとえば、北朝鮮の拉致事件がある。
スパイ活動防止法があろうがなかろうが、誘拐が犯罪であることは明白なはずだ。
そして誘拐事件は重大な犯罪であり、犯人を捕まえるために警察は努力しなければならないはずだ。
スパイ防止法による捜査と誘拐事件に対する捜査とで、何が違うのだろうか。
スパイ防止法による捜査の利点が全然わからない。

今日の新聞で中国の外交官にスパイ容疑で出頭を求めたという記事が出ていた。

中国書記官スパイ活動か、身分偽り口座開設

過去記事は消されてしまうので全文引用しておく。

引用開始

 在日中国大使館の1等書記官(45)が、外国人登録証明書を不正に使って銀行口座を開設し、ウィーン条約で禁じられた商業活動をしていた疑いが強まり、警視庁公安部が外務省を通じて中国大使館に書記官の出頭を要請していたことが政府関係者への取材でわかった。

 書記官は一時帰国した。中国人民解放軍の情報機関「総参謀部」出身で、公安部は、日本国内で諜報(ちょうほう)活動をしていたとみており、書記官が接触していた関係者などから一斉に事情を聞き、実態解明を進める。

 開設された口座には日本企業から顧問料などが振り込まれ、工作資金に充てられた疑いもあり、公安部は外国人登録法違反(虚偽申告)での立件に向け捜査している。中国の外交官が日本の国内法規に抵触して立件対象になるのは初めて。
(2012年5月29日03時02分 読売新聞)
引用終了

この記事はあまり詳しくないのだが、新聞ではもう少し活動について具体的に書いていた。
ただ、その内容を見る限りでは基本的に日本の政治家等に接触しているだけに見えた。
つまり、日本の大学に留学して日本人と交流を結び、一等書記官になってからは日本人と情報交換をして、日本人と互いに影響を与えあっている。
これは普通の外交官と何が違うのだろうか。
疑惑の対象になっているのは、日本に来る前、軍の参謀部にいたかららしいけれど、その後本当に軍から足を洗い、外交官に転進したならば、スパイと言えるのだろうか。
もちろん、今回の商業活動は問題なのだろうけれど、なんていうか本筋からずれた印象を受ける。
なんていうか本当のスパイなら、こんなことで尻尾を出すかと思うのだ。
スパイ行為を普段から実行していたから、つい出てしまった可能性もあるだろうけれど、それでもたいしたことでない気がする。
つまり、スパイが実行したから、なんかものすごく問題な印象を受けるけれど、普通の外交官がたまたま間違いで銀行口座を開設しても重要と判断すべきなのか。

日本の公安がスパイと疑われる人物に対してマークすべきことは当然であるし、些細と思われる問題でも捜査は当然だ。
しかし、日本の報道がその公安の意見に対して無条件に追随することはいただけない。
最近でもイスラムのテロリストと思われる人物の逮捕があったけど、全然関係なくて釈放した事例があったはずだ。
本当に違うかどうかはまた問題なのだろうけれど、マスコミがテロリストを前提として報道したのはおかしい。

スパイ活動防止法の存在意義がわからないと述べた。
日本の治安維持に当たる人たちは、本当に今の取り締まりに問題を感じているならば、それをもっと国民に知らせるよう努力すべきだ。
さもなくては協力しようにも、協力できない。
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