異をとなえん |

政治家は決断することが望まれる - ギリシャのユーロ圏離脱は不可能だ(その6)

2012.05.17 Thu

20:19:44

鳩山元首相が沖縄で謝罪「今も『最低でも県外』という気持ちだ」、とのたまう。
このおっさんは一体何を言っているのだ。
総理大臣でも問題を解決できなかったのに、いまさら何を言っても意味がない。

普天間基地移転問題が難しいことはわかる。
単純に考えれば県外への基地移転と日米安保維持という相容れない二つの選択肢があって、その選択をどうするかが総理に求められていた。
単純に考えすぎかもしれない、二つの選択肢の間のどちらを選ぶのかではなく、両方を満たす解を探すのが政治ともいえる。
ただそれは茨の道であって、リーダーは自分で頭を使って両方の妥協点をなんとか見つけなければならない。
鳩山元総理の方法は選択を避け、かといって妥協点を必死で見つけようとするのでもなかった。
自分で勝手に期限を切って、辞任したのは自業自得といえる。

二つの選択肢を単純に選ぶことができず、迷うのはある意味当然だ。
なんとか両立させたいと考えるのも人間として仕方がない。
しかし、政治家はそれに解を与えて決断していくのが使命のはずだ。
どうにもならなくなって逃げ出したのは仕方がないとしても、その問題を解決しなければならない後の政治家の負担になるようなことを言うべきではない。

もし本当に県外移転しかないと考えていたのだとしたら、日米安保条約廃棄まで視野に入れて行動すべきだった。
でもどうみてもそれほどの使命感はなかった。
鳩山氏は不幸そうな人がいたらそれに同情して、全体のことを考えずに行動する単純な人だけだ。
単なるお金持ちだったらいいとしても、政治家としては失格であり、ルーピーと評されるのは当然だ。

ギリシャ問題のことを考えてみると、二つの選択肢が迫られている。
緊縮政策とEUからの離脱だ。
ギリシャ国民のほとんどは両方ともいやだと思っている。
だから、両立が可能だと主張する急進左派連合が支持を伸ばしているのだ。
問題は急進左派連合が政権を取った後だ。

両立が可能だと主張しても、EUからどちらかを選べと迫られれば決めなくてはならない。
責任ある政治家ならば、つまり鳩山氏みたいな政治家でなければ決断することができるはずだ。
どちらを選択するかは、EUからの離脱は緊縮政策よりもっと被害が大きいのだから答えは自明に見える。
価値観によって選択が分かれるわけではない。

意味があるのだとしたら、チキンゲームの戦略だけだ。
ギリシャにとって緊縮政策は-100、EU圏からの離脱は-500としよう。
EUにとってギリシャの緊縮政策は-100、ギリシャのEU圏からの離脱は-1000といった感じだ。
だからEU側にとってもチキンゲームを挑まれれば妥協したくなる気持ちもあるだろう。
それだけがギリシャ国民のチャンスだからだ。
しかし、それを受け入れることはいつまでたってもギリシャのわがままに付き合わされることを意味する。
そしてギリシャのわがままを認めれば、他のスペイン、イタリアにも認めざるを得なくなる。
そんなゆとりはEUにないだろう。
少なくとも、ドイツの政治的には。
迷ったときは原則に立ち返るしかない。
借りた借金を返すのは当然という原則にだ。

第一次世界大戦はどの国の政治家も望んでいなかったのに、誰も止めることができず突入してしまった。
その理由の一つは第一次世界大戦がどのような結末をもたらすのが予測できなかったことにある。
ギリシャのデフォルトも同じようなものだ。
どれほどの被害を世界にもたらすのか、はっきりしたことはわからない。
はっきりしているのは、ギリシャの被害がより大きくなるだけだ。
鳩山氏ほど無責任な政治家でなければ、理性ある選択ができると信じたい。

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