異をとなえん |

続:ギリシャのユーロ圏離脱は不可能だ

2012.05.12 Sat

20:27:14

ギリシャのユーロ圏離脱騒ぎについて、もう少し述べておきたい。
ギリシャの現在の苦境はユーロという共通通貨を使用しているからであって、独自通貨のドラクマを復活すればうまくいくという意見がある。
主流派の経済学者の主張だが、おかしいとしか思えない。
ドラクマ自体の復活が無理だと思うのだが、復活できたとしても経済が順調に回復するというのが納得しがたい。
すでにギリシャ経済は深い危機にある。
その危機を回復するための努力は、為替レートが変動するかどうかはたいして変わらないはずだ。
通貨の自動調整機能で努力がいらないかのように表面を糊塗してはいけない。

独自通貨ドラクマが復活すれば、通貨の自動調整機能によってドラクマは切り下げられ輸出が増大して経済は成長するというのが、経済学者のご託宣だ。
本当にそうなら、独自通貨の国で数々の経済危機が起こっていることをどう説明するのだろうか。
アジア、ロシア、南米の通貨危機は独自通貨だからといって、経済危機は防げないことを示している。
それらの危機は一時的なもので、独自通貨なら速やかに経済は回復すると経済学者は言うかもしれない。
だけど、経済の回復は資産を外国資本にのきなみ奪われ、大幅に生活水準が低下した結果だ。
経済の回復に時間がかかっても、貯蓄で暮らしている人たちが普通に生活できる方がずっといい。

為替の切り下げによって相対的に賃金が下がれば輸出は増加する。
同時に切り下げは輸入品の価格を上昇させる。
つまり賃金の切り下げを面倒な労使交渉なしに実行できるのが、独自通貨の最大の魅力というわけだ。
そういう国はどうなっているだろうか。
たいていはひたすらインフレが進行して、稼いでも稼いでも暮らしは楽にならない。
南米の多くの国はそうではないのか。
最近はちょっと違うけど、バブルによる世界景気の上昇の面が大きく、その点ではギリシャも同じだ。
バブルのつけをギリシャが一番早く払っているのであって、他の国も油断はできない。

本来的に経済の成長を図るならば、通貨の価値は固定している方がずっといい。
収入が増えれば生活が良くなる。
そういう単純な世界の方が人間にとってずっと計画をたてやすくなる。
インフレによって長時間働いて生活が良くなるがわからない社会よりずっといい。

ユーロが維持されている状態だと、賃金は簡単に下げられない。
つまり国民から政府が簡単に金を盗むことができない。
けれども独自通貨だと、政府はインフレを起こすことによって簡単に金を盗むことができる。
税金よりも簡単なわけだ。
そして多くの国がインフレを発生させると経済が成長できず、ずっと停滞した状態のままとなる。
成長するためには、通貨の価値ができるだけ固定してあった方がいいに決まっている。
ゆるやかというか、サービス価格の上昇はあった方がいいのは否定しないが、政府はできるだけインフレにならないのを目指すべきだ。
そうではないと、最終的に国民の金を盗む誘惑に耐えられなくなる。
最近の例だとジンバブエというわけだ。
国民からインフレによって金を盗みまくり、経済システム自体が破綻してしまった。

今ギリシャに独自通貨を復活させることは、ほとんどそれと同じことだ。
輸出入の不均衡が解消されなければ、為替レートは大幅に切り下げられる。
賃金、年金の価値は大幅に目減りするが、それを増やさない誘惑に耐えられるのか。
怪しいものだ。
それができるならば今の緊縮政策だって実行できる。
今の生活が苦しい。
だから少しでも暮らしが楽になるように一抹の希望をかけたのが今回の選挙結果ではないのか。
政府は公務員の賃金、年金の支払いのために支出を増やし続ける。
それは間違いなくインフレの道であり、経済システムの破綻だ。

今の生活が苦しくても我慢しなくてはならない。
経済を再建するために、賃金の低下を受け入れなくてはならない。
そのなんていうか、当然の努力を砂糖にくるんで、通貨の自動調整機能に逃げようとする意見は間違っている。

どうもうまく文章がつながらない。
書きたいことが大幅にずれてしまった。
当初の意図は平価の調節による賃金の切り下げも、実際の交渉による賃金の切り下げもほとんど同じことを証明したいと思ったのだが、どうもうまくいかない。
それを悩んでいるといつまで経っても文章が仕上がらなくなるので、あきらめた。
同じ内容でもいいから書き続けることで、この能力不足から脱せればと思う。
いつもそんな風に思っているだが、段々とやる気がなくなってしまうのが不思議だ。
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