異をとなえん |

ギリシャのユーロ圏離脱は不可能だ

2012.05.11 Fri

19:51:25

ギリシャの選挙では緊縮政策を拒否する政党が躍進した。
しかし、ギリシャが緊縮政策を拒否することは可能なのだろうか。
非緊縮派による政権ができれば、ギリシャはユーロ圏から離脱することが可能になるのだろうか。

今回の選挙で第二位になったギリシャ急進左派連合は緊縮政策の拒否を訴えている。
そして連立相手も緊縮政策に反対するのでなければ、連立に参加しないと言っている。
どうやら連立内閣ができなければ、自分たちが第一党になり、第一党に追加される50議席で安定した政権ができると考えているみたいだ。
実に怪しいが当事者たちの判断が一番正確だとすれば、そのようになるかもしれない。
世論調査では実際に第一位になったようだ。

問題はこの後だ。
緊縮政策を拒否すれば、EUとの合意は当然ご破算になるだろう。
国債は当然デフォルトする。
その分支出は減るわけだが、デフォルトすれば国債の発行ができなくなるので収入もなくなるわけだ。
借金の支払いに追われて、暮らしが苦しい人ならば、借金をチャラにすると普通に生活できるようになる。
しかし、ギリシャはそういう国ではない。
今現在も借金を続けなければ国が回っていかない。

ギリシャの国家予算は次のようだ。
歳出は12兆円規模で、そのうち国債の償還が4兆円規模になっている。
一方歳入は5兆円で、残りの7兆円は国債の発行でまかなっている。
つまり、純粋の歳出は8兆円、歳入は5兆円となる。
国債がデフォルトすると、その差額3兆円の手当てがつかない。

この差をとりあえず面倒みてくれるEUを拒否するなどバカの極みと思うのだが、緊縮はやだと言うわけだ。
もっとも、EUだって永遠にギリシャの面倒を見るのは嫌なわけで、ある程度生活を立て直す努力をしてもらえないと生活費の補助もできない。

そこでどうなるかだ。
普通に考えれば、まだ支払われている公務員の賃金や年金が未払いになるしかないように思える。
実質的な緊縮政策とはどう違うのだろうか。

賃金や年金を借金にするという方法もあるだろうけれど、うまく回るのだろうか。
素人目には明らかにどうにもならないのだが。

それでは、反緊縮政策の政党は一体どう考えているのだろか。
たぶん、デフォルトするとEUに主張すれば結局はEUが金を出すと考えているとしか思えない。
駄々っ子のように自分の主張を言い募れば、いつかはEUが自分たちの意見に耳を傾けてくれると考えるわけだ。
でもそれは無理だろう。
支援合意を得るために、手間暇かけてようやくまとまった合意だ。
いまさらの変更は拒否しかありえない。

そうするとどうなるか。
ギリシャがデフォルトした後、どうにもならなくなってEUに泣きつき、そこで合意を再度飲まされる。
これしかない。
このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る