異をとなえん |

GPS将棋の強さが半端ない - 第22回世界コンピュータ将棋選手権

2012.05.05 Sat

20:49:55

第22回世界コンピュータ将棋選手権が終わった。
実に面白い三日間であった。

優勝はGPS将棋だったが、読みの深さが半端ない。
どんな将棋も読みきりという感じで、全てお釈迦様の手の上にある。
西尾プロの解説を聞いていると、悪手っぽい手もあるのだが、それを咎めようとしても逆に潰されてしまう。
西尾プロも自信がなくなっていた。
どこまで読んでいるのか見当もつかない。
全て誘いの隙なのだろうか。

去年の将棋もすごかったけれど、解説を聞くかぎりでは西尾プロの大局観は合っているように見えた。
苦しい方のソフトが勝負手を繰り出していき、力戦になって力の強い方が勝つ。
それに対して今年の将棋は大局観関係なかった。
仕掛けた時点で全てを読みきっている。
相手側の対応で一見不利になっているように見えても、それも読みの内にある。
最終盤になって詰むや詰まざるやになるが、それが読み切りだと言うように勝っていく。
そんな印象を受けた。

いくらなんでも仕掛けた時点で全て読めるようなことあるわけないと思うのだが、一体どこまで読んでいるのだろうか。
もちろん、GPSでも負けた将棋があるように、全て詰みまで読めるわけがない。
ある程度の時点で形勢有利と見れば読みを打ち切っているのだろうが、それでも全て読めているに見えてしまう。

西尾プロの解説だと、ツツカナGPS将棋戦はツツカナに前の対局の切れ味がないと評していた。
でも、これはソフトの出来不出来なのだろうか。
むしろ、GPS将棋の読みの深さがツツカナの読みを上回って、何もできなくした。
そういう風に見えた。

第2回電王戦では、人間の勝つイメージが浮かばない。
前回の戦いを見ると、人間の方が序盤は良くて、コンピュータは中盤怪しげな手を繰り出して逆転しようとする。
だから、人間がコンピュータの怪しい手を見破って、序盤の得をどう維持するかが勝負だと思っていた。
今回の将棋を見るとそんな風になるとは思えない。
少し定跡から外れて力戦形になる。
人間が大局的に判断して、少し有利だと思っている。
そこからコンピュータが仕掛けて、電車道みたいにいきなり寄り切ってしまう。
そんな将棋がイメージできる。
読みの力が大局観を上回った。

前回優勝のボンクラーズでさえ、早指しで人間よりも強かった。
それよりGPS将棋ははっきりと強い。
レーティングで200とかの差ぐらいはありそうだ。
本当にとてつもないレベルにきている。
このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る