異をとなえん |

インフレの本質とは

2012.05.31 Thu

20:10:27

インフレというのは技術進歩の対価として発生しているのではないだろうか。
技術進歩は主として第二次産業で起こる。
第二次産業の生産性が上昇し、第二次産業の労働者の賃金が上昇する。
それと同時に全ての労働者の賃金が上昇していく。
第三次産業の生産性は伸びていないので、賃金の上昇は商品の価格に転嫁せざるを得ない。
これがインフレとなっていく。

近年世界全体でインフレ率が下がっている。
日本はなんとデフレだ。
これは世界全体で技術進歩が停滞しているからではないだろうか。

これだけ書いて頭が動かない。
なんか前に書いたような意見の気もする。
いつかリベンジすることを誓って、投稿だけする。
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民主主義と市場は対立していない - ギリシャのユーロ圏離脱は不可能だ(その12)

2012.05.30 Wed

20:25:05

下記の記事を読んでいろいろと考えていた。

機械仕掛けの神と金融クーデター

引用開始

民主主義と「市場」は異なる原理で支えられています。それが対立するようになったらどちらを選ぶべきか。ギリシャとイタリアの前政権は「市場」を選んだ。民主主義を放棄したのです。「市場」のために財政を緊縮し、一般市民にその負担を押し付けた。
引用終了

違和感を覚える。
市場は民主主義と対立するものなのだろうか。
市場は民主主義(この場合は選挙による投票システムと考える)とは違ったシステムによる人々の意思表示の現れと考えることはできる。
だから対立することもあると言えるのかもしれない。
しかし市場は普通争わない。
ただ流れを変えるだけだ。

市場は川のようなものに見える。
普段は穏やかに流れていくだけだ。
けれども気象関係の変化によっては荒れ狂い、氾濫する。
人間はそれをなだめるためにダムや堰を作って押さえ込もうとする。
ダムによって氾濫はなくなったとしても、本当に大きな洪水が起きたときはダムが崩壊することによって、より大きな災害を招くこともある。
市場もそんな感じだ。

市場をコントロールするために政府はいろいろなことをする。
規制することで、より川の流れをスムーズに流そうとするわけだ。
よどみがあると、いろいろなところに不都合がでる。
最悪なのは川の流れを止めてしまうことだ。
旧ソ連や北朝鮮などの社会主義国は市場を完全になくそうとした。
そうすると取引自体がなくなるか、成長が完全に止まってしまうか、あるいは政府の見えないところでのヤミ取引に変化していった。
成長が完全に止まったソ連は最終的には崩壊した。
市場を無視したことが人々の反乱に結びついたのだ。

だから、市場と民主主義は対立するものかもしれないけど、市場は現実の人間の欲望を反映しているだけど、それも一つの民意なのだ。
民主主義というか選挙が、ある特定の時点での一人一票といった意思しか反映できないのに、市場はリアルタイムに強く望んだものが多いほどその意思が反映される形で表示される。
そういう意味で市場には従うしかない。

今回のギリシャの場合、市場はギリシャ国債の償還を疑問に思っていることを示した。
ギリシャ国債の金利が上がっているのはそういうことだ。
ギリシャ国民はそれに対して、必ず返すという意思を示さなかった。
反緊縮政策はそういうことだ。
だから、市場は国債を全く買わないことでギリシャに答えようとしている。
市場の購入者の実態はもうEUの各国政府だけれど。

市場の実態がもう見えざる手ではなく、EU各国政府という見える手になっている。
だから、ギリシャ政府が直接EUと交渉して、話をまとめられるならば市場に対して責任を取らせたという話になるのかもしれない。

引用開始

市場にもキチンと責任を取って貰う。首に縄を付けておく。強欲な者、アンフェアな者には退場頂く。それこそが重要です。
引用終了

けれどもそれは市場ではない。
市場の参加者のある部分をコントロールしたに過ぎない。
そういうことを市場との対立と捉えるのは間違っている。

市場というのは体温計のようなものだ。
36度ならば平熱で、40度ならば病気だ。
36度を永遠に出し続ける体温計を使えば、病気にならないわけではない。
40度という体温を表示したならば、どこか体の調子が悪いのだろうと、病の本質を見極め治癒しなければならない。
だから、政治という頭は経済という体を市場という体温を計ることできちんと管理しなくてはならない。
民主主義と市場は対立していない。
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スパイ防止法の必要性がわからない

2012.05.29 Tue

20:26:26

ネットをうろついていると、スパイ防止法を制定せよという声を聞く。
未だにその必要性がわからない。
スパイというものが、送り込まれた先で非合法活動を実行する存在ならば、まずその非合法活動をなぜ摘発できないかを考えるべきではないだろうか。

たとえば、北朝鮮の拉致事件がある。
スパイ活動防止法があろうがなかろうが、誘拐が犯罪であることは明白なはずだ。
そして誘拐事件は重大な犯罪であり、犯人を捕まえるために警察は努力しなければならないはずだ。
スパイ防止法による捜査と誘拐事件に対する捜査とで、何が違うのだろうか。
スパイ防止法による捜査の利点が全然わからない。

今日の新聞で中国の外交官にスパイ容疑で出頭を求めたという記事が出ていた。

中国書記官スパイ活動か、身分偽り口座開設

過去記事は消されてしまうので全文引用しておく。

引用開始

 在日中国大使館の1等書記官(45)が、外国人登録証明書を不正に使って銀行口座を開設し、ウィーン条約で禁じられた商業活動をしていた疑いが強まり、警視庁公安部が外務省を通じて中国大使館に書記官の出頭を要請していたことが政府関係者への取材でわかった。

 書記官は一時帰国した。中国人民解放軍の情報機関「総参謀部」出身で、公安部は、日本国内で諜報(ちょうほう)活動をしていたとみており、書記官が接触していた関係者などから一斉に事情を聞き、実態解明を進める。

 開設された口座には日本企業から顧問料などが振り込まれ、工作資金に充てられた疑いもあり、公安部は外国人登録法違反(虚偽申告)での立件に向け捜査している。中国の外交官が日本の国内法規に抵触して立件対象になるのは初めて。
(2012年5月29日03時02分 読売新聞)
引用終了

この記事はあまり詳しくないのだが、新聞ではもう少し活動について具体的に書いていた。
ただ、その内容を見る限りでは基本的に日本の政治家等に接触しているだけに見えた。
つまり、日本の大学に留学して日本人と交流を結び、一等書記官になってからは日本人と情報交換をして、日本人と互いに影響を与えあっている。
これは普通の外交官と何が違うのだろうか。
疑惑の対象になっているのは、日本に来る前、軍の参謀部にいたかららしいけれど、その後本当に軍から足を洗い、外交官に転進したならば、スパイと言えるのだろうか。
もちろん、今回の商業活動は問題なのだろうけれど、なんていうか本筋からずれた印象を受ける。
なんていうか本当のスパイなら、こんなことで尻尾を出すかと思うのだ。
スパイ行為を普段から実行していたから、つい出てしまった可能性もあるだろうけれど、それでもたいしたことでない気がする。
つまり、スパイが実行したから、なんかものすごく問題な印象を受けるけれど、普通の外交官がたまたま間違いで銀行口座を開設しても重要と判断すべきなのか。

日本の公安がスパイと疑われる人物に対してマークすべきことは当然であるし、些細と思われる問題でも捜査は当然だ。
しかし、日本の報道がその公安の意見に対して無条件に追随することはいただけない。
最近でもイスラムのテロリストと思われる人物の逮捕があったけど、全然関係なくて釈放した事例があったはずだ。
本当に違うかどうかはまた問題なのだろうけれど、マスコミがテロリストを前提として報道したのはおかしい。

スパイ活動防止法の存在意義がわからないと述べた。
日本の治安維持に当たる人たちは、本当に今の取り締まりに問題を感じているならば、それをもっと国民に知らせるよう努力すべきだ。
さもなくては協力しようにも、協力できない。
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カイル・バス氏の日本国債暴落予測の推移

2012.05.28 Mon

20:16:02

土曜日だったかな。
カイル・バス氏がNHKの番組で日本国債は2年以内に暴落すると言っていた。
前は1年とか言ってなかったかと思ったので、調べてみた。

2010年10月13日
カイル・バス氏「2−3年以内に破たんを来す恐れ」

2011年3月9日
カイル・バス氏「史上最大の国債暴落」Xデーが起きる

2011年12月02日
カイル・バス氏「数ヶ月以内に日本崩壊」

2011年12月27日
カイル・バス氏「12ヵ月以内に日本が倒産する」

2012年01月29日
カイル・バス氏「日本は18カ月以内に崩壊する」

2012年05月23日
カイル・バス氏「日本国債は2年以内に暴落する」

この結果を見る限りでは、着実に日本国債の暴落時期は伸びている。
一安心という所か。
もちろん、カイル・バス氏の予言の本質は日本国債がいつかは暴落するということで、それは確かに正しいはずである。
私だって、いつかは景気が良くなって日本国債の金利は上昇するとは思っている。
それが暴落というほど激しくなるかどうかはわからないけど。
だから、重要なのは時期なのだが、それが最近になって後延ばしされている。
つまり、日本国債がすぐ下がることには懐疑的になっているのだろう。

実際、日本国債の金利自体は最近ユーロ危機もあって0.815%と9年振りの水準まで下がっている。
もっとも1%を割るのは流石に下げすぎみたいで、前のときは急激に上昇して終了した。
今回も危機が一段落した所で、一気に上げて終わるのではないか。
そういう素人予想ができるのに、買っているところがあるのは驚きだ。
2年物ぐらいが買われるのはまだわかるのだが、10年物はもう反転してもいいのにと思う。
物価だって上昇基調にあるのに。

物価の上昇基調は怪しいか。
いろいろとプラスになりつつあるが、外国の石油価格の上昇の影響が大きい気がする。
世界全体が恐慌になれば、石油価格も暴落するだろう。
それを考えると、物価の上昇も定着したとはいえない。
結局は前途不明なんだな。

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イギリス国債の金利が低くなる理由 - ギリシャのユーロ圏離脱は不可能だ(その11)

2012.05.26 Sat

20:33:18

前回はドイツ国債の金利を低くなっている理由を述べたが、その続きでイギリス国債の金利が低くなっている理由についても考えておきたい。
イギリス国債の金利が低くなっているのは考えてみると不思議である。
イギリスのインフレ率は2011年4.45%で、他の国に比べると高い。
インフレターゲットは2%で本来ならとっくに金融引き締め政策を取っていなければならないはずだ。
しかし、イギリス中央銀行は景気が悪いので、それを無視してゼロ金利政策を取っている。
中央銀行の信頼が問われる自体が発生していると思うのだが、まあそれは別の話だ。
問題なのは、インフレ率が4.45%なのに、十年物の国債の金利は今1.757%で2%をわっていることだ。
これはつまり毎年2%ずつ実質価値が減っていくことになるはずだ。
もちろん、インフレ率が今後低下すると投資家は予想しているのかも知れない。
2010年、2011年と3%以上のインフレ率なのにそう推測できる根拠が不明だけど。
でもイギリスの実質金利がマイナスならば、イギリスから資金が海外に逃避してもおかしくないはずだ。
しかしイギリスポンドのレートは落ち着いている。
そんなわけで、イギリス国債の金利が低くなっているのが不思議に思える。

その理由だが、まずポンドのレートが落ち着いている理由から説明する。
イギリスの経常収支は近年ずっと赤字を続けていて、GDP比で2%ぐらいの赤字のままだ。
資本収支が黒字、つまり資金がイギリスに流れ込むことで、経常赤字を解消しているわけだ。
金融危機前イギリスは好調で景気が良かった。
だから資金が流れ込んでも全然不思議でなかったが、今はマイナス成長率で景気は悪い。
国債の実質金利はマイナスだ。
つまり普通に考えれば資金が流れるのはおかしい。
それなのに資金が流れるのはなぜか。
理由はイギリスが外国に持っている資産を還流させているからだ。
イギリス国内でポンドを借りて、外国通貨に変換して投資した資金を戻している。
イギリスの対外純資産は統計の上ではマイナスだけれども、対外債務も対外債権も大きいので誤差に近い。
イギリスの持つ対外資産は直接投資が多そうで、諸外国がイギリスに持つ資産は債券が多そうだということを考えると、むしろ対外純資産はプラスに思える。
実際所得収支はプラスだ。
だからイギリスは対外資産を処分することで、需給が均衡しレートは落ち着いている。
資金を戻す必要はないとも思えるが、イギリスで借りたポンドを返すために嫌でも変換しなければならない。
そういう金が多いのだろう。

しかしイギリスの実質金利がマイナスならば、外国に投資することで資金が出て行くことはないのだろうか。
銀行ならばイギリスの安い金利で金を借りて、実質金利が高い所に投資すれば、それだけで大儲けのはずだ。
そうならないのは、実質金利が高いところがないからだ。
世界全体が低金利になっているので、投資する国がない。
スペインやギリシャの国債は帰ってくる可能性がないので投資するわけがない。
アメリカや日本などの信用できる国は、金利差が小さい。
金利差が2%ぐらいないと、為替リスクはカバーできない。
それでイギリス国内から投資としての資金移動は起こらない。

イギリスから資金が流出せず、還流するだけなのだから、投資が増えなければ金利は下がるしかない。
投資はこの不景気で増えるわけがない。
国債を持っていてもインフレ分ある意味損をするのだが、現金で持つよりも雀の涙でも利子がつく分得だ。
それでポンドの所有者は国債投資に走っている。
だから、イギリス国債の金利は下がり続けているのだ。
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ドイツ国債の金利が低くなる理由 - ギリシャのユーロ圏離脱は不可能だ(その10)

2012.05.25 Fri

20:39:04

ギリシャのユーロ圏離脱騒動でドイツの国債の金利が低下している。
それに対して、スペインの金利は7%近くありドイツとの金利差は最大になりつつある。
ギリシャの金利は20%を超えているみたいだけど、本当かどうかはよくわからない。
誰も信頼しなくなっていることは確かだ。

このような状況に対して、ドイツの国債がそれほど安全なのかとFinancialTimesが疑問を呈している。

[FT]投資家が殺到するドイツ国債は安全か

引用開始

 現在の状況は一部の投資家やアナリストを困惑させている。彼らは、ドイツ政府はいずれ通貨同盟を救う費用を負担し、自国の信用力を損なうと考えているためだ。それでも、ドイツ国債の利回りは一貫して下がり続けてきた。
引用終了

なぜドイツ国債の金利は下がる続けるのだろうか。
最大の理由はユーロ圏内で相対的に一番安全だからだ。
ユーロ圏内自体の成長力が落ちていて、債券の需要が増えているのも、もう一つの理由だろう。

まず、ユーロ圏の成長率が低下しているので、リスク資産の危険性が増している。
そこでできるだけ安全な資産にユーロ資金は逃避している。
ドイツには巨額の経常黒字がある。
その資金は基本的に国内指向なのでドイツ国債に金が流れる。
安全だと思われる。
スペインやイタリアも同じだが、経常黒字でない国では国債資金分外国から投資してもらうしかない。
そのためにもしかしたらと思われる。
現在のように国債すら破綻するような状況だと、外国から資金と取り込むことが難しくなっているので、そのために金利が上昇する。

ユーロ圏の国債の信用性が二つに分化することで、信用のない所から流れ出した資金は信用のある所に流れ込むので、さらにドイツの金利は低下する。

しかし、前の状況よりドイツ自体の信頼性が落ちていても金利が下がるのは不思議ではないのだろうか。
実際ユーロの信用は落ちていてユーロ安になっている。
だがそれは関係ないのだ。
ユーロ自体の信用性が落ちていて、ユーロから他の国に資金が流出していても、ユーロ自体の資金量は減らない。
誰かがユーロを売ってドルを買ったとしても、取引相手がいる以上ユーロを買った人もいるのだ。
ユーロを買った人はそれを運用する必要がある。
そうすると投資先がない状況、あるいは投資先のリスクが高くなっている状態では、一番信用おけるところの金利は下がるしかない。
つまりこの場合ドイツ。

ユーロ圏では国債の信用性は通貨よりも高いとはいえない。
日本国債が最終的には通貨の発行権があることによって守られているのに比べれば、弱くなる。

だからドイツ国債も現金より信頼性が高いといえないはずだ。
ユーロ圏全体の経常収支の赤字が大きく、どの国も経常赤字の場合は全ての国の国債の金利が上昇した可能性もある。
イギリスが経常収支赤字であっても金利が下落しているのと違ってだ。
けれどもドイツ自体は経常収支が黒字なので、ドイツにたまったユーロの資金はどうしてもドイツ国内で運用したがる。
それが相対的に他の国よりも安全な理由だ。

そしてドイツ国債がある意味通貨よりも信頼性が高い理由だ。
国債の信用性より通貨自体の信用性が高い場合もあるけれど、ドイツはユーロ圏から離脱した場合、マルクの方がユーロより信頼できると思われている。
その結果現金並の信頼をドイツ国債は持っている。

ユーロから他の通貨を購入する方法では資金はユーロ圏外には逃げられなかった。
本当に逃避するならば貿易財を購入して送り出すしかない。
このようなケースの場合、ユーロ圏から商品が減少し、相対的にユーロの価値が下落する。
そうすることでインフレが発生し、金利が上昇するのだが、それは先の話だ。

現在ユーロから資金が逃げ出したとしてもドイツはユーロ安を利用して輸出を伸ばしている。
経常収支は増えている。
つまり、ユーロから資金は逃げ出せなくなっている。
それは当然金利下落の方法に働くことになる。

ドイツ国内の銀行の信頼性が落ちているという問題もある。
ドイツ政府がその面倒を見なければならないので、信用力が落ちるというのだが、そうであってもドイツ自体の経常収支の黒字が続き、資金の国内運用指向の強さを考えれば、ドイツ国債の需要はそう簡単には減らない。
日本国債みたいにいざとなったらインフレで逃げる手段は使えないので、たぶんドイツ国債にも限界はある。
しかし、現在程度の対GDP国債比率ならば安全だと市場は考えているわけだ。

以上がドイツの金利が下がり続けている理由だ。
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ユーロ共同債の発行はない - ギリシャのユーロ圏離脱は不可能だ(その9)

2012.05.24 Thu

20:25:32

ケインズ政策は本質的に金持ちから貧乏人への援助に他ならない。
もちろん国債による借金という形式を取るので、最終的に負担する人間は誰になるかわからない。
また利益を得た人々が所得を増やすことになれば、援助ではなくまさに金持ちから貧乏人への借金と解釈もできよう。
長期的にはそう考えられるとしても、国債が増えている時点では援助としか解釈できない。

一つの国の中ならば援助という解釈でも借金という解釈でも許容される。
しかしユーロのような一つにまとまっていない地域の場合は違う。
ユーロ共同債はドイツから財政が弱い国への援助であり、それがずっと続く可能性の方が強い。
ドイツの方が財政が健全で所得が高く、ギリシャの方が財政赤字が続き所得が低いならば、実際にそうなる。
ドイツがギリシャに対して援助を続けてもいいと感じるのでなければ、こんなことは長続きしない。
ドイツはギリシャに対してそんな精神的借りもないだろう。

日本の国債による財政政策は違う。
東京都市圏から地方への援助とも言えるが、東京人は地方出身者が多い。
両親あるいは祖父母が地方に住んでいる東京人はたくさんいる。
彼らは地方の親戚が困っているならば援助することを容認する。
それが今まで地方に対する援助を認めてきた理由だ。
同時に最近地方での公共工事を通した援助政策に東京人の不満が多くなってきたのは、東京人と地方人の間に係わり合いが弱くなった面だといえる。

ドイツがギリシャを援助できないのには、他にも理由がある。
スペインやポルトガルといった他の財政基盤の弱い国だ。
そういう国を援助していったならばドイツといえども持たない可能性がある。
それは困るからギリシャには緊縮政策を守る必要があるのだ。

さらに東京から地方への援助では、東京人は権力を握ることができる。
東京に権力が集中することで繁栄が約束されたと言ってもいい。
けれどもドイツはギリシャに援助したとしても、はっきりした権力を手にすることができない。
ドイツはギリシャの予算に対して監督や責任を持つような形になっていないのだ。
日本の総務省が地方自治体に対して持つ強大な権力がない。
これは非常に割りに合わない感じを受ける。

ユーロ共同債の発行は絶対確実だというような論説を見るのだが、少なくともドイツが得する仕組みがなければ導入できない気がする。
ギリシャはデフォルトすることは可能だろう。
けれどもユーロを使用することをやめることはできない。
現在のギリシャの政治情勢では、それだけの力を持った政府は成立しない。
政府がその権力を持ったとしても、それは経済崩壊と同義でしかない。
ギリシャの崩壊は他のスペインやイタリアなどに対して緊縮政策以外に道はないことを確信させる。
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